2025年4月7日(月)
河口砂州

 万ノ瀬河口の砂州が40年ほど前の形に似てきた。
 38年前から始まった「砂の祭典」は、この砂州から始まった。 15回はここで開催されたが、砂州が細り開催できなくなった。 以後内陸で催されるようになった。 38回目の今回は5月3日〜5日に南さつま市役所をメインに「まちなか」で開催される。

2025年3月26日(水)
コウボウムギ

 コウボウムギが、鮮やかな黄緑の穂で浜の春を告げている。 奥には、まだ芽吹いていないハマゴウが茎だけ見えている。
 ここは小湊港の、突堤根部と、外洋に面した堤防が直角になす所だ。 内角に漂砂が溜まり、小さな砂丘を造り出した。 今では植生も増えてクロマツも生えている。

2025年3月20日(木)
砂丘谷が閉ざされた

 春に前砂丘の調査を行い毎年見てきたのに、気付かなかったことに驚いた。 日置市と南さつま市の市境付近になる前砂丘のことだ。
 古い写真を見返してみると、20年前に強い北西風が、前砂丘の砂を飛ばして谷状になった地形(写真下)があった。 それが今回の調査で、飛砂が谷を閉ざし前砂丘がつながり、稜線を形成していた(写真上)。
 同じ北西風が、20年以前は前砂丘の砂を飛ばし、20年後は堆砂をもたらして、前砂丘を発達させた。 このことは季節風の変化を現すことなのか、他にも要因があるのか、興味が湧く。

2025年3月12日(水)
堆砂

 金峰区中央部エリアの前砂丘斜面だ。 竹に挿したペットボトルは、2年前に当方の身長と同じ高さだった。 それが強い季節風が砂浜から砂を運び埋まりそうになっってきた。
 前砂丘は飛砂によって大きく形成してきた。

2025年3月9日(日)
前砂丘

 春に、前砂丘の記録を20年ほど前から撮っている。 以前、ここのエリアは、吹き上がった砂で前砂丘の峰が白く連なっていたが今は消失した。 220年ほど前に、新万ノ瀬河口が発生した時からの変化を考えると自然な営みかと思う。
しかし、砂浜の保全を思うと、歴史から学ぶ知恵がありそうだ。

2025年2月21日(金)
堆砂

 前砂丘が高い浜崖になった所が多い。 季節風に飛ばされた飛砂が浜崖を越えて植生帯まで吹き上がった所は南部エリアでは少ない。 ここはその少ないエリアだ。 季節風が堆砂を発達させて、浜が拡大するのを期待したい。

 昨日は、玉虫野まで早咲き桜のイズノオドリコを見逃さまいと輪行したが、まだ2輪だけ咲いていた。 例年満開の時期と思っていたが、今年は遅いようだ。

2025年2月9日(日)
氷結

 ここ万ノ瀬河口の砂地を歩くと硬い。 普段は柔らかい砂が靴を包み込むのに、靴跡が残らない。
 砂面が氷結しているようだ。 まだ低い陽は溶かしていない。 先週から雪の日が多かった。 例年、立春の今頃が最も寒さの厳しい印象がある。

2025年1月18日(土)
堆砂消失

 昨年10月23日の当ページでお伝えした、危うくなった堆砂が消失した。 北西の季節風が、堆砂垣で盛った砂を内陸に吹き飛ばした。 頃合いを見て堆砂垣を復活することを思っていたが、施工の方法を再検討しなくてはならないようだ。

2025年1月13日(月)
ミユビシギ

 ミユビシギが採餌している。 波が寄せると小走りに逃れ、引き波と共に前進を繰り返している。 波に洗い出される餌を啄んでいるようだ。
 多人数で歩くと近づける距離が遠いが、一人で浜を歩くと、距離が近くなれる。 無心に忙しい動作は可憐といえようか。

2025年1月2日(木)
日の出
 万ノ瀬河口に近いサンセットブリッジを前景に、二日目の日の出。 薄い雲やモヤがあると陽の輪郭を撮れるが、なかなか上手くいかない。 昨日元旦は日本晴れで雲一つなかった。 輪郭を撮れたかもしれない。
 昨年は不安なこともあったが、安寧な年を願いたい。  取り合えず、好天の日々が続きそうで良い正月だ。

 
2024年12月23日(月)

 ここは万ノ瀬河口から200mほど北だ。 浜崖の下に飛砂が堆砂し、斜面を作ってきた。 そこにハマゴウが枝を伸ばした。 今朝の気温は2℃で内陸は0℃だった。 少しの霜が白く際立たせている。

2024年12月12日(木)
掘出し

 夏に産卵されたウミガメの巣1箇所が、その後に堆砂して深くなり、掘出しが難しくなっていた。 秋の浸食期を待つことにして、一時は印が露出した。 タイミングを逃し再び冬の堆砂が始まった。 巣の結果を知るには掘るまでもないと思い、推定で結論を出していたのと違いはなかった。
 経験的に最も遅い掘出し調査になった。

2024年12月9日(月)
波静か

 冬というのに風が穏やかだ。 潮間帯に残された水面に波が立たないので水鏡になっている。
アオサギが1羽。 いい写真をと思ったら飛んで行った。
 夏の忙しいウミガメシーズンには味わえない、のどやかで至福のひと時。

2024年11月25日(月)
気嵐

 海上から湯気が出ているみたいだ。 今朝の気温は7℃。 海水温は暖かいので、お風呂の湯気と同じ原理で湯気のように見える。
 陽が上ってくると消えてしまうので、早朝の数十分しか見られない。

2024年11月23日(土)
砂漣

 万ノ瀬河口の干潟だ。 波が穏やかだったようで、砂漣が見られる。 砂漣は波の影響で発生する。 砂の粒径、波高、波の流速等が関係するようで、流速が大きすぎると平坦になる。 なので波が大きいと発生しない。 干潟全体では見られなくて一部に発生する。
早朝と夕方は、陽が低いので影が延びてコントラストが高い。

2024年11月12日(火)
カワウ

 冬の使者と言えるカワウの大群が今年も浜に羽を休めていた。 近づいて行くと一斉に飛び立つ。 年中見掛けるカラスなどと違い、近くまで寄るのは難しい。

2024年11月3日(日)
後浜

 万ノ瀬河口から南に400m程の後浜は植生帯になっている。 以前は砂地で浜が細っているのを危惧していた。 しかし近年このエリアでは堆砂で浜が発達してきた。 今年も植生の盛んな様子を見ると安堵する。

2024年10月27日(日)
北向き河口

 吹上浜に流入する多くの自然な河口は、南向きに展開するのが多い。 日置市日置のここの河口は、北向きに展開する。 2000年頃まではシラス崖の下を北向きに流れていたのを人工的にショートカットした。 昨年から再び護岸の先から北向きの流れが目立ってきた。
毎年秋になると、興味深く写真記録している。 

2024年10月23日(水)
堆砂垣

 修復しながら2年持ちこたえるかに思えた堆砂垣2列のうち1列が崩れ落ちそうになった。 南部の堆砂で埋まっていた竹冊が、大潮の波に洗われて露出した。

2024年10月13日(日)
キス10,000匹

 よく浜で逢うN氏夫妻がいた。 聞くと、今日で今年のキスの釣果が10,000匹になると言う。 それは是非立ち会おうと10分程待っていると、それは直ぐに達成された。
 延べ釣行83回で、一日の釣果は0匹から最大470匹。 シーズン中に達するか、気をもんだらしく達成感の言葉を沢山聞けた。 おめでとうございます。

2024年10月12日(土)
海藻

 小湊の渚が赤く染まっている。 普段は白い砂浜が異様な雰囲気だ。 一日経つと白っぽいベージュ色になる。

2024年10月6日(日)
孵化調査

 少し遅くなったが、脱出の少なかった巣の孵化調査の為に掘ってみた。 産卵後に波などで堆砂が進み巣が深くなっていた。 40cmほど堆砂し底は90cmほどだった。 孵化した殻は15個で卵総数の13%になる。 白蟻などの食害もあったが、大方は温度と湿度の悪影響で孵化率が悪かったようだ

2024年9月20日(金)
脱出も最終か
 今年の脱出状況はモヤモヤな気持ちが残っていた。 そんな中でシャワートラック。 気持ちよく今期を終れそうだ。 昨日の波遡上で砂が湿っているので写真では分かりにくいが、多くの子ガメが旅立った足跡を残している。
 今年は金峰区5kmで上陸数が91ヵ所だった。 昨年よりは多いがまだ少ない。 今後の様子が興味深い。 経緯については当HP「ウミガメ上陸減少」をご参照ください。
2024年9月19日(木)
大潮満潮
 今朝は大潮満潮で潮位が高いことは分かっていたが、陸風だし問題にはしていなかった。 意外と波が強く浜崖下まで遡上してくる。 奄美近海の台風が影響しているのだろうか。 無理する必要はないので途中の浜道から松林を引き返した。
 ゴミは遡上波の勢いをかなり弱めていた。
2024年9月9日(月)
水鏡

 干潮で現れた沿岸洲と渚の間にトラフが現れた。 波がないので水鏡になり雲が写っている。 ウミガメの獣害など砂浜ばかりに目が行っていたので、海面には目が行ってなかった。 久し振りにゆっくり風景を楽しんだ
 沿岸洲がしっかり2列も見えたのは、砂浜保全の観点からホッとする。 潮間帯を移動する砂が作る沿岸洲を、最近認識していないことが気になっていた。

 

2024年9月8日(日)
子ガメ

 脱出予定を過ぎた巣を孵化調査のために掘ってみた。 まだ巣に残っている子ガメがいたが元気がない。 暫く観察すると、甲がソリ気味の個体もいる。 渚まで運び、放つが波に流される。  脱出が遅くなった個体は弱い。

2024年9月4日(水)
シャワートラック

 獣害の跡が目立っている。 残念に思いながら近寄ると、シャワートラックだ。 よく観察すると、子ガメが一斉に脱出し海に向かう時キツネが遭遇。 幾らか少数が被害にあったようだ。 写真中央部に跡が残っていた。 写真上端部がキツネが掘返した跡だ。 掘出し調査すると、114匹の子ガメが孵化し、多くの子ガメが旅立ったようだ。
 

2024年8月31日(土)
台風10号

 台風10号は大型で強力との予報だった。 吹上浜沖30km程を北上。 風の向きなどから大波を想定し、ここ1か月ほどの前浜部の堆砂を浚ってくれるのを期待した。 期待して浜に出ると変化は少ない。 逆に堆砂が進み、ウミガメの巣は深くなった。 残念。 掘出し調査はさらに労力が増してしまった
 加世田の気象記録では瞬間最大風速37m/s、最大風速21m/sだった。

2024年8月22日(木)
脱出
 2匹の子ガメが砂の中から脱出し、旅立った足跡があった。 ここの巣は獣害予防具を設置していたが、11日前に獣害を受けた。 幾らかの卵が散乱していたが、多くが残っていたので、獣害予防具を強化していた。 この巣では脱出の始まりなので、明日からの状況を観察し記録することになる。
2024年8月20日(火)
カメ盆

 久し振りに子ガメが脱出した窪みを見た。 前日の雨と大潮で冠水もあったようだ。 湿った砂地での窪みは乾燥したそれとは少し違う。 多くの巣はキツネなどが掘ることで、子ガメが脱出した後の自然な形を見ることは少ない。 獣害が多発するようになる25年程前には時々見掛けた。 この窪みを当方はカメ盆とよぶ。

2024年8月15日(木)
漂砂

 6月30日に当ページでお伝えした、新しい川から海に流れ込んだ砂丘の砂が、潮間帯を少し広くしたようだ。 潮間帯の砂は波や潮流などで移動する。 漂砂に興味があるのだが、メカニズムの理解が難しい。 新しい川からの砂の供給は分かりやすかった。

2024年8月4日(日)
子ガメの足跡

 当ページの写真はサイズが小さい。 子ガメの足跡は小さいので写真での表現は難しい。 陽が当たらないと陰影がなく鮮明さがないし、雨後などの硬めの砂地では足跡がわずかしか見えない。
 今期初の子ガメの旅立ちは、7月28日だった。 今夏は暑いので早くなるかと思っていたがそうでもなかった。

2024年7月28日(日)
クリーン作戦

 今朝は恒例のクリーン作戦だった。 旧金峰町時代から永く続いている海岸清掃が行われる日だ。 7月下旬の早朝涼しい時間に行われてきた。 
 京田海岸への浜道は、滞水があり通行困難だった。 開催されるのか気になっていたが、つい数日前に水が引いて問題なく通行できるようになった。 間に合ってよかった。  浜に親しむ機会が少ない現代人にとって、故郷を知る良い機会だと思う。

2024年7月23日(火)
朝焼け

 今朝は見事な朝焼けだ。 西空の雲に朝日が反射し、海面を赤く染めている。 5時39分、刻々と赤みが白っぽくなる。 夕日と違って、西の水平線付近の雲がまだ暗い。

 昨日の満月といい、連日の美しい景色に恵まれた。

2024年7月22日(月)
沈む満月

 満月が野間半島の山影に沈もうとしている.。
万ノ瀬河口から望むと海には沈まない。
早朝5時35分、月齢は正午でカウントするので、月齢は15.9程になる。 沈む満月を奇麗に見られるタイミングは多くない。

2024年7月15日(月)
雨雲

 沖に雨雲が見える。 真っ黒な雨雲の表現がどうかとも思うが、早めに切り上げたい不安な気持ちが高まってくる。
 そろそろ梅雨明け宣言だろう。

2024年7月11日(木)
ウトラ排水施設

 ウトラ排水施設の排水口は海側の西に面している。 しかし、今朝は排水口は埋まり、蛇籠の北面から滲出している。 量は排水口からと同じだ。 夏の季節風である南寄りの風の影響で、漂砂が施設の西面を埋めた。 さらに流路を北に伸ばしている。

2024年7月6日(土)
帯水

 大塚海岸への道を移動していると、雨による帯水が膝上ほどまである。 先ウトラの浜は問題なく通行できた。 ウトラ排水設備は大部排水して、吹上側崩壊設備も帯水は一掃した。 何の心配もせず大塚浜への道を選択したが、数日前より深くなっている。 引き返すには大廻りになるので強行突破することにした。 京田海岸への道も同様だった。

2024年7月3日(水)
グンバイヒルガオ

 6月30日にグンバイヒルガオが2輪咲いているのに気が付いた。 当ページにアップしようと思っていたが、朝日の加減でなかなか良い写真が撮れなかった。 今朝も上手くいかないが妥協しよう。
 真夏を教えてくれるグンバイヒルガオの群生が目立つのは今は1ヵ所だけだ。 以前は群生が増えていくのに、温暖化との関連に興味を持っていたが、他の要因も関係するようだ。

2024年6月30日(日)
吹上町南端の排水施設

 昨年の秋に竣工された、吹上町南端の排水施設が倒壊している。 一昨日は排出口から1mほどの滝状に流れ出ていた。 昨日は写真のごとく、蛇籠がパイプを引き倒すように崩れて、幅10mほどの川になった。 雨水が溢れたのではない。 
今朝は取水口まで含めて幅が25mほどの広い川になっている。

2024年6月25日(火)
段差を上る

 6月11日のページで30cmの段差を上るのは厳しいと伝えたが、昨夜の個体は50cmほどの段差を上った。
 写真左から段差下を右に移動し上った。 産卵した母ガメは、写真左の段差を滑り降り右下隅まで足跡を残した。 足跡の巾は95cmほどで中型だった。

2024年6月22日(土)
排水設備

 埋まっていた排水設備が通水した。 蛇籠の上部30cm程迄砂に埋まっていた。 排水管内の水圧と大潮満潮の波で一気に堆砂が流されて内陸の帯水が排水されている。
浜に通ずる湿地帯の道が冠水していたのが改善されるだろう。

2024年6月11日(火)
段差

 昨夜の産卵は、波により発生した30cm程の段差を上れなかった。 段差に挑戦しながら80m程移動したが、諦めて冠水の危惧される段差下に産卵した。 すぐ近くに3日前に産卵した個体は段差を上り産卵した。 しかし、当夜の内にキツネの獣害を受けた。 母ガメにとって、段差30cmが上るか諦めるかのボーダーだ。

2024年6月1日(土)
浜崖

 浜崖は場所により何時もあった。 時により前面に堆砂して産卵に適した斜面になった。 ここ数年は垂直な崖が増えた。
 昨夜の産卵は、浜崖の裾を30mほど産卵適地を探して移動し、結果、冠水が危惧される砂地に産卵した。

2024年5月26日(日)
獣害

 キツネがウミガメの巣を荒していた。 底に13個の卵が残されている。 昨日、近くの巣が今期初の獣害だったが、被害は軽微だった。 一匹のキツネによる獣害は一度に百個を越える卵の大部分が被害に遭うことは多くはない。

 早朝の保護活動は、多くの獣害に遭った卵を救うことができる。

2024年5月20日(月)
ナミノコガイ

 ナミノコガイを久し振りに拾ってみた。 それは海水が砂面にあると素早く砂浜に潜れるが、波が寄せなくなると潜れなくなる。 写真で白いのがそれで、砂面に突っ立ったままである。 左の貝は拾ったものを比較に側に置いた。 満潮時から1時間前後の渚で簡単に拾うことができる。 久し振りに家に持ち帰り昼食の一品に食したが、ひと手間掛けた食材は一味違った美味しさだ。 

2024年5月17日(金)
初上陸産卵
 今季初の上陸は産卵成功だった。 この地は5年ほど前浜の後退が進み、1年ほど前から堆砂が進み前浜が広くなったきた。 子ガメが脱出するまでには冠水帯になる危惧もあるが、毎日見守っていくことにしよう。
 5月17日の初上陸は30年間の記録で3番目に遅い上陸だ。
2024年5月7日(火)
ハマヒルガオ
 ハマヒルガオが咲きだしたのは、少し内陸の砂地で4月14日だった。 例年今頃が最盛期だが、群生の花弁が少なく感じる。

 地区により花弁のピンク色に濃淡がある。 ここは淡色で、近くには白色に近い花弁もある。
2024年4月23日(火)
細い雲

 野間半島の中層に一筋の細い雲が描かれている。 野間岳は標高が591mあるので200mほどの標高になるだろうか。 梅雨時に見るような風景だ。 4月は雨や曇天が多く、春らしい好天が少なかった。 まるで梅雨が早く訪れたかに思えた。 

2024年4月19日(金)
ヒジキ

 ヒジキが渚に大量に漂着している。 春の風物詩だ。
一昨日は金峰区北部の渚だけだったが、今朝は全区の渚に漂着している。

2024年4月14日(日)
記録の準備

 今春のソメイヨシノは遅く、満開でも花弁は密ではなかった。 温暖化により南薩地方では咲かなくなる説も出てきた。 寂しい話だ。

 今冬から春は多忙で浜に出る機会が少なかった。 久し振りの風がなく雲一つない浜に出ると心地よい。
 上陸や産卵の記録の為に、印を再生すべく取り掛かった。 なぜか新鮮な気持ちと元気が出てきた。

2024年3月9日(土)
前砂丘の風化

 前日とは逆の話で、万世区の前砂丘が風化により低地になった。 15年ほど前は小さな鉢状の窪地だったが、徐々に拡大してきた。 昔の写真を紐解いてみると変化は興味深い

2024年3月8日(金)
前砂丘の復活

 25年ほど前には、大波が写真の右端よりも内陸まで駆け上がっていた。 植生はなく砂の裸地だった。 以後、飛砂が堆砂することで前砂丘が再生してきた。 ふと気付くと、季節風で吹き上げられた砂が草地のフロントに見られるようになった。 意外な前砂丘の変化を見せてくれた。

2024年3月3日(日)
カマキリの卵
 砂丘の変化を記録するために、前砂丘を藪漕ぎしながら進んでいると、目の前にカマキリの卵があった。 久し振りに見るカミキリの卵はウミガメの卵と同じで、ほんわかと和ましてくれる。

 春の砂丘写真記録が例年より遅くなった。 コウボウムギなどの青葉が目立つ前に終えたい。
2024年1月30日(火)
堆砂垣
 12月18日に一回だけ修復した堆砂垣は機能している。 昨冬は数回修復したので、堆砂を諦めていた。 思いのほか昨冬の堆砂垣は最大の効果を保持した。 嬉しい誤算だった。 季節風の影響が主要な要因と思われる。
2024年1月17日(水)
貝採り

 今朝は気温7度ほど。
海水温は十数度と高いはずだ。 場所からしてオキアサリを狙っているのだろう。 真冬とは見えない風景だ。 厳寒対策の方もいる。

2024年1月14日(日)
オキアサリ

 大きめのオキアサリがコロンと。 波に置かれていた。 味噌汁の具に美味しそうだ。
 近寄ると殻頂部に小さな穴が開いている。 ツメタガイが穴を開けて食したようだ。 残念。

 ツメタガイは、獲物に酸性の液体を分泌して脆くしてから、歯舌で貝殻に穴をあけ中身だけを食するらしい。

2024年1月4日(木)

 元日の能登半島地震には驚いた。 2日には羽田空港での大事故。 厳しい正月となった。

 吹上浜の冬は、北西の季節風が強いので、波が荒れる日が多い。 とはいっても、北陸地方ほどではない。 今朝は波は荒いが風は穏やかだ。 波を見ていると、能登半島の方たちの状況を思い心痛む。

2023年12月18日(月)
堆砂垣
 修復した堆砂垣は機能した。 竹冊が倒れていないか気がかりだったが大丈夫だった。 堆砂も回復していた。
 修復に残った6本の竹冊を堆砂地に挿していた。 孟宗竹の割竹冊の内面を北西に向けたので、飛砂の動きが興味深く観察できる。
2023年11月21日(火)
堆砂垣

 堆砂垣の一部が前日の強風で倒れた。 北西の最大風速9程の季節風が1列目の脆弱な所から吹き込み、2列目の堆砂垣根の砂を吹き飛ばして倒れたようだ。 堆砂していた砂が一部飛んでしまい窪地ができた。
 柵は飛んでないので、近日中に再生しよう。

2023年11月8日(水)
堆砂垣

 昨冬作った2列の堆砂垣が、今年は健在だ。 台風や高潮がなく、堆砂が保たれている。 2列が大丈夫そうなので3列目を設置したいが、今年は素材となる、流れ着いたゴミの孟宗竹とマダケが数本しか見当たらない。 残念。

2023年10月22日(日)
日吉海岸堆砂

 日置市日吉町の殿尻海岸は表情が変わった。 1998年以前に竣工された大規模な護岸が、2007年には植生と護岸根部の堆砂で右下の写真となった。 さらに15年経過した昨年には、護岸根部のコンクリートが完全に埋まった。 植生帯の斜面は、這い上がった飛砂で盛り上がって見える。

 前日の細る永吉海岸と、一方堆砂する殿尻海岸と、砂浜の営みを人為的にコントロールするのは容易ではない。

2023年10月21日(土)
永吉海岸護岸

 日置市永吉海岸の不織布護岸は、2段目の大部分が露出している。 昨年から目立つようになった。 波の作用で渚ラインが波形を作るカスプの影響で、不織布護岸南端付近が内陸に迫ったのか。 200mほどある不織布護岸の北半分ほどは数年前と比べて変化は少ない。 

2023年10月6日(金)
ツノメガニ

 スナガニが逃げない。 通常は素早く穴に逃げ込むのに。
近接撮影してもOK。 点在する10数匹のツノメガニがすべて動きが弱い。 今朝は冬並みの気温12.5℃だった。 低温には弱いらしい。
 名のごとく、目の上に角があるような姿は、スナガニ属の中でもユニークだ。 写真の個体以外はツノ様はなかったが、甲下部の褐色斑点で同定した。

 南方系のツノガニは温暖化で生息域が北上しているらしい。

2023年10月4日(水)
孵化調査

 最近の波により発生した段差の巣を掘出して、孵化調査をした。 107個の卵のうち2個だけが孵化し、残りは未孵化だった。
 産卵時も段差だった。 その後、45cmほど堆砂し、再び段差になった。 段差の上面から巣の底までは95cmにもなっていた。 巣内の湿度と地温の影響が未孵化の原因と思われる。

2023年9月23日(土)
遅い脱出

 未孵化だったのだろう。 と思いながら毎朝の観察は続けていた。 浜崖下で、竹などのガレキに覆われた巣の砂中温度が低いのは想像できた。
 今朝も期待はせず、ガレキ帯の端に目をやると淡い子ガメの足跡が多数あった。 昨夜一斉に脱出したようだ。 別な同日の巣より24日も遅い。 遅い孵化の子ガメは弱々しいが、この巣の子ガメは活発だった。

 黄色の〇印が脱出した穴だ。

2023年9月11日(月)
草払い

 京田海岸に出る浜道の草払いを誰か有志の方がやってくれた。 10年間、当方が盆の頃にしていたが、今年はしていなかった。 有志は、浜で犬と一緒に散歩しているIさんらしい。 有難い。 早朝は伸びた草の朝露でズボンが濡れるし、脚を引っ掛けていた。

2023年9月10日(日)
キス釣り

 宮崎県から来た釣師がいた。 一投で10数匹のキスが連なるテグスを見せてくれる。 数日前には500匹を数えたらしい。 遠来の価値があるとか。
 当方も10日程前に、追われて渚に打ち上げられた数十匹のキスを見た。 カタクチイワシは時々見たが、キスは初めてだった。
 

2023年9月7日(木)
段差
 3日間で80cm程の段差が発生した。 金峰区5kmの80%程に渡る。 ここ2カ月ほど、波が潮間帯の砂を寄せて堆砂した砂浜だ。 
 大波はなく、砂浜の通常の変化である。
浜の砂は潮間帯を波と風により移動しており、晩夏から初冬は浜が細くなる傾向にある。
2023年9月6日(水)
カニの襲撃

 子ガメが海に向かう浜で、ミナミスナガニがカニ穴に引き込もうと襲っている。 人が近づくと、ミナミスナガニは直ぐに穴に隠れる。 撮影は困難だが今朝は動画まで撮れた。 旅立つ子ガメには海に入水するまでにも、鳥や獣なども含み多くの障壁がある。

2023年8月30日(水)

 天気予報で快晴のつもりだった。 雨の小粒を感じたので、予報は当たらないな思っていた。 浜ではウミガメの巣の状態を観察するので、東になる浜の斜面をほぼ見ている。
 ふと海に視線を向けると立派な虹が出ていた。  朝の虹は太陽の反対側になる西に出る。
写真では全体を撮れなくて、色も奇麗さを表現できないのが残念だ。

2023年8月27日(日)
脱皮

 干潮帯の水溜りにカニが、と思ったら脱皮した抜け殻だった。
干潮帯で5cm程の浅い水溜りにあった。 海水に浸っていたので、立体的にリアルな観察ができた。 爪先の細部まできれいに形が残っている。

目の利いた同行観察者が発見した。

2023年8月20日(日)
シャワートラック

 今季は昨年より明らかに日々の地温が高かったので、脱出が早いだろうと予想していた。 しかし、脱出が遅い。 前回お伝えした、堆砂も関係しているのだろう。 もちろん、巣の場所による地温の違いもある。
 今朝は驚いた。 多くの子ガメが描いたシャワートラックだ。 脱出予想の修正がまた必要になった。
 

2023年8月14日(月)
堆砂

 今季は浜崖の根部に産卵するウミガメが目立ったことは、5月29日にお伝えした。 大潮の満潮時に過湿度になることも心配していた。
 しかし、潮間帯の漂砂が波により、浜崖根部に堆砂が始まった。 少なくない浜崖近くの卵が50cm程深くなった。 一旦浅くなって、深くなった巣もある。 写真の巣は残念ながら、孵化したものの深すぎて脱出できなかった一匹がいた。

2023年8月10日(木)
再通水

 排水溝が、梅雨を過ぎて雨量が少なかったせいかすぐに埋まっていた。 台風6号がもたらした多量の雨で再び通水した。 梅雨時は栗石の隙間から染み出る感じだったが、今回は本来の下段のパイプが丸見えになり、頼もしく流れ出る。

2023年8月5日(土)
旅立ち

 昨夜子ガメが旅立った。 23匹程の淡い足跡を数えることができた。 獣害予防具を設置していた。 獣には掘られないよう、子ガメは自然な旅立ちができるべく工夫した仕組みが機能した。 

2023年8月3日(木)
幼鳥

 3日前から一羽の幼鳥と毎朝逢う。 調べるとカツオドリの幼鳥のようだ。 初日は1mの傍らをゆっくりすれ違い、次の日は当方の足元までコメツキガニを追って来る。 人間を全く恐れていない。 
一人で活動していると、メルヘンの世界を楽しむこともある。
 多人数では難しいかもしれない。

2023年7月30日(日)
沿岸砂州

 干潮帯の砂は変化する。 昨日とは違う風景が広がっていた。 沿岸洲の北端が内陸に接続している。 砂の色は黄色っぽく前浜と差を感じる。 引き潮の海水を塞き止て池になった。 
 短い一時の風景も新鮮で面白い。

2023年7月23日(日)
クリーン作戦

 昨日は京田海岸で田布施地区の子供会が、今朝は金峰町商工会員家族が「金峰ふるさとクリーン作戦」に集まった。 阿多地区の子供会は上ノ山海岸に今朝集まった。
 プラスチックや燃えないゴミなど人工ゴミを数十袋回収した。 毎年恒例の作業は長年継続している。

2023年7月18日(火)
獣害予防成功

 今年のキツネは賢く逞しい個体がいるようだ。 一ヵ所の獣害予防具に再三にわたり挑戦してくる。 例年になく、しつこく感じる。 あわやと思える巣もあったが、補修しながら今のところ各獣害防具は機能している。

2023年7月7日(金)
ゴミを超えて

 今朝のウミガメは逞しかった。 大雨で川から海に流れてきた竹などのゴミ漂着帯を乗り越えて産卵地を探した。 写真上が干潮帯と海になる。 迷ったような痕跡があったが、無事に産卵した。
 7月に入って、これから上陸が増えるかと思っていたが、以外に久し振りの上陸になった。 今年は少ないようだ。

2023年7月6日(木)
グンバイヒルガオ

 ふと草地に目をやるとグンバイヒルガオが10輪ほど咲いている。 開花に気付くのが、例年に比べて少し早いように思う。 関心を持って開花日をチェックしているのではない。 気付きなので、正確な記録ではないが。
 夏の到来を感じる。

2023年7月5日(水)
通水

 冬から飛砂で埋もれていたウトラ浜の排水施設が通水した。 内陸の湿地帯に溜まっていた雨水を心配していたが、これで浜に出る道が帯水しないだろう。

2023年6月30日(金)
砂取船

 時々見かける沖の砂取船。 ふと見ると船が傾いているように見える。 砂採取バケットを海中に下すクレーンのせいだろう。 いつも見掛ける位置は、渚に最も近い所になる3.4kmほどの所と思われる。

2023年6月27日(火)
適地を探して

 夜半以前、写真の上中ほどに上陸したウミガメは産卵適地を探して植生帯際を一旦右方向に進んだ。 反転、写真下に適地を探し、産卵した。 ここのエリアは植生地まで斜面があり、前浜も少し広めにある。  適地と思われるエリアも多くあるのだが、なぜか崖化した不適地より適地エリアへの上陸が少ない。

2023年6月16日(金)
獣害
 今年は獣害の発生が遅かった。 昨日、今年初のキツネによる獣害が発生した。 6月13日に確認された巣だった。 自然なままを優先しているので、防護策はしていなかった。 獣害発生が遅いので期待していたが希望は叶わなかった。
 今朝は昨夜に産卵した巣がやられた。 残された48個の卵を移植した。
2023年6月15日(木)
排水施設を上らず

 ウミガメの足跡が排水施設に突き当り迂回していた。 上れそうな金網の20cm程を回避した。 産卵に適当な砂の斜面を歩き回りったが、結局産卵せずに帰海した。
 排水施設は梅雨には内陸からの雨水が排出されるが、今年は、冬季の堆砂で埋まった排出口が機能していない。

2023年6月9日(金)
ゴミ

 梅雨の河口は上流からのゴミで覆われる。 ほとんどが竹や木と葉、それに河川堤防で刈られたと思われる草が多い。 潮汐や波などで砂に覆われたり、沖に流れたりしてそのうちに目立たなくなる。 見た目に不快感はあるが、海にとって植物プランクトンの供給となる。

2023年5月29日(月)
危うい巣

 一時的に冠水しそうな産卵巣が多い。 初産卵成功の1巣以外、6巣が崖下に産卵した。 異常なことではないが確率が多すぎる。 過湿度もだが、崩落砂で埋没することもある。 人の手をかけすぎるのも良くないので毎日様子を見ていくことにしよう。 この個体は崖に気付き一旦引き返しながら再び崖下に向かった。

2023年5月24日(水)
航空薬剤散布

 今年もヘリコプターによる松林の薬剤散布が行われた。 Uターンするのに砂丘からヘリコプターが現われる度に連想することがある。 太平洋戦争末期の本土決戦に、米軍が吹上浜から上陸する計画があったことだ。 終戦が少し遅かったら可能性があった。 戦場のイメージが湧いてくる。 戦後生まれの子供にとって怖い話だったことも覚えている

2023年5月18日(木)
初産卵

 初上陸から4回上陸するも未産卵だったので疑問に思っていたが、今朝2ヵ所の産卵を確認した。 経験では2回目までの上陸で産卵する年が多かったので、少し心配していた。
  1ヵ所の巣は2回目の上陸個体と近い所で、足跡などの状況から同個体の可能性が考えられる。 2ヵ所目の巣は流失の危惧もある所だった。
 都合上、後日移植することにする。

2023年5月11日(木)
初上陸

 初上陸は11日だった。 浜崖の近くまで歩を進めたが、アッサリ産卵は諦めて引き返していた。 冬から春の季節風による堆砂が少なく、産卵はできても冠水が危惧される所だった。 初上陸の時期としては平均的と言える。

2023年5月3日(水)
巾器

 金峰区5kmに100m毎の印を付けている。 位置決めに初めは歩測だったが、レーザーやコロコロ等も試した。 今は自作の巾器を使っている。 それを今年は改良した。 前器製作は面倒だったが、今回は誰でも作れる簡単なものだ。 70cm傘の骨間を荷造りテープで足して張力を弱くした。 砂浜だからこそで、手持ちで転がしカウントする。 少しの要領が必要だが、一人で作業できるのが長所だ。 砂浜で長い距離を歩測で一定の距離を保つのは容易ではない。

2023年4月28日(金)
ストランディング

 アオウミガメが漂着している。
甲羅をメジャーで測ると、曲甲長と曲甲幅ともに45cmだった。
まだ未熟な子供だ。

2023年4月24日(月)
浜崖

 ここは吹上浜金峰区中央部になる。 距離にして400m程の範囲だ。 以前は斜面だったが、浜崖になった。 冬の強い季節風で春になると堆砂して、満潮でも波を被らない堆砂斜面が崖下に発達するのだが、今年は発生しなかった。 数年したら斜面が形成されるのを期待しよう。
 ここはウミガメの産卵地として、今年は不適当と思える。

2023年4月18日(火)
ハマヒルガオ

 ハマヒルガオが咲きだした。 
黄砂の影響か、少しくすんだ空だ。
波はほとんどないと言える穏やかな浜の晩春。

2023年4月13日(木)
砂漣

 万ノ瀬川の河口は、干潮時になると400mほど潮が引く。 そこには海水の流れで形成された砂漣(されん)を見ることができる。 海水の流速が早いと平らになるので、いつでもどこでもではない。 早朝は陽が低く射すので、よりクッキリと見られる。
 海水に満ちた浜を見る機会が多いので、広い砂浜が現れると気分も広がる。

2023年4月3日(月)
堆砂垣

 雨天が多かったので久し振りに浜に出た。
堆砂垣は健在だった。 40日ほど強風がなかったことを意味するか。
 ともあれ柔らかな白砂の曲面に愛しさを感じる。 斜面中央にはキツネの足跡が裾から上に伸びている。

2023年3月31日(金)
堆砂

 ここは万ノ瀬川河口から100m程の所だ。 海岸の砂が風に飛ばされて前砂丘の裾を埋めている。 昨年から顕著な堆砂面を観察している。 今後の変化に興味が湧く。 前砂丘の発達までに至るのか。 河口までの以北は前砂丘がかなり細く、消失するのではないかと気になっていた。 意外と20年間でも変化はなかったが。

2023年3月27日(月)
コウボウムギ

 砂浜の代表的な植物のひとつであるコウボウムギが浜の春を告げている。 浜ではコウボウムギ(弘法麦)が冬の薄茶から春の緑に変わる先駆者だ。
 ここは万ノ瀬河口南岸から200m程の所で、20年ほど前は波を被っていた砂の裸地だったが、堆砂が進んで植生が増えてきた。

2023年3月12日(日)
3年の堆砂

 伊作河口北岸の木製丸太飛砂垣は、2005年度に設置された。 250cm程の高さだったが年々堆砂が進み、今や多くは埋まってきた。 写真上は2020年3月で、写真下は2023年3月の3年間の変化だ。 吹上浜の河川の多くは、砂嘴が南に伸びて河口が南に移動する形態が多い。 北に伸びる砂嘴もあるが少数だ。
 毎年、河口内の堆砂を重機で渚に運んでいる。 
 堆砂が進むのは自然な営みだが、金峰区に砂が移動していた歴史をを考えるとき、河口の突堤の影響が如何ほどか興味が湧いてきた。 金峰区の浜への影響が考えられる。

2023年3月4日(土)
カワウ

 数百羽のカワウが大群で採餌に夢中だ。 渚から少し沖に群れを成し、水中に首を突っ込みながら徐々に北から南下してくる。 大群でローラー作戦のようにカタクチイワシを獲っている。 浜を歩いている時は見なかったが、前砂丘の上から観察しているので、気付かないのだろう。 浜に降りると一斉に飛び去った。

2023年2月25日(土)
シンクロ

 渚の海面近くを百羽ほどのミユビシギが、背面を見せながら群れをなし飛んでいる。 かと思うと突然一斉に反転する。 それまでのグレーが一瞬かがやくように真白になる。 見事なシンクロだ。 一瞬なので、ズームアップしてのシャッターチャンスは少しの根気が必要だ。

2023年2月20日(月)
堆砂垣

 堆砂垣と堆砂が復活した。  前2回は波に洗われたので2m程後退して設置した。 竹を割った面を今回は風上(北西)に向けて強風時の影響を試みることにした。 初めは割面を風下にすることを良しとしていた。 間隙も少し広くし飛砂の移動を観察してみよう。

2023年2月12日(日)
相星河口

 万ノ瀬河口から3kmほど南に相星川が流れる。 以前の北岸は、写真の右下以上に植生帯が広がっていた。 今は南風が卓越風となったのか、北岸が波に洗われ河口が大きく北にえぐられて浜崖になっている。 万ノ瀬河口北岸の砂浜減少と同じ原因かと思われる。

2023年2月6日(月)
ナブラ

 カモメだろうか? 10羽程が盛んに海面にダイビングを繰り返している。 渚から20m前後の浅い所だ。 暫く観察してみると、魚を掴んだのは見られない。 ブリだと大きくて無理だろうから、ブリなどに追われた小魚を狙っているのだろうか。 数年前から見掛けるようになった、ブリ狙いの釣り人はまだ見掛けない。

2023年1月26日(日)
堆砂垣

 残念。 また流された。 堆砂垣を設置したラインまで波が洗い9割の竹冊が流失した。 強い北西風に流された竹冊は、南方向の河口まで10数枚だけが見つかった。 それまで堆砂した砂盛は、ほぼ維持されていた。 24日は大潮で最大風速11m(瞬間22m、加世田)だった。
 集めていたゴミの竹はまだ残っている。

2023年1月25日(水)

 雪景色はきれいだ。 見慣れた景色が一変する。  いつも見ている松も立派に見える。 地面の白一色が引き立てているのか。 浜への出入口になる万ノ瀬河口だ。
 積雪は3cm程だった。
 浜の気温はマイナス1°、内陸より1℃高いのは、海水温の影響だ。

2023年1月17日(火)
少ない飛砂

  連日の好天気は、強い季節風がなく飛砂も堆砂も少ない。
 堆砂垣設置の目的は、ウミガメの産卵地である砂浜の砂が、前砂丘の切れ目から内陸へ飛び砂浜が消失するのを危惧する一面がある。 写真中央下を観察すると、茶色っぽい堆砂と波に洗われた灰色っぽい色の差で飛砂の南下効果を確認できる

2023年1月15日(日)
寒中水泳
 3日前から最高気温が20℃超えで暖かった。 ここ吹上浜北部の江口浜海浜公園では、海水浴を楽しむ人達がいた。 多くが外国人のようだ。
 昔、外国語指導助手助手のALT達と多く交流したことがあった。 印象に残った言葉に、「日本人は夏休みが終わると海水浴もしなくなるのはもったいない」だった。
2023年1月4日(水)
日の出

 クリスマスから雲も少ない好天が連日続く。 日の出写真には雲があった方がいいかもと、贅沢な思いをしながらシーンを捜した。 万ノ瀬河口南岸の新川よりサンセットブリッジ下に見る日の出だ。
 正月に天気をまったく気にせず、開聞岳と韓国岳に登れたのは初めてかもしれない。 冬は山行きを優先することもあり、初浜歩きは4日になってしまった。

2022年12月31日(土)
ウミガメの歳暮

 25日朝のクリスマスプレゼントは堆砂垣修復の宿題だった。 

 今朝は目を疑った。 イセエビだ。 引き潮に取り残された、頭部から尾部まで20cmほどで立派だ。 ウミガメの歳暮としよう。 家族と美味を少しづつ分け合った。
 昔、初めてイセエビを持ち帰ったら、小学生の愚息は買ってきたのだろうと信じなかった。

2022年12月20日(火)
堆砂垣

 堆砂垣が一応完成した。 前回は7日間で完成したのに、今回は34日目だった。 今回は柵に割竹だけを使い、美観と効果を思ったが結果は思った程ではなさそうだ。 堆砂してある程度埋まったら柵を引上げる予定なので、強度にしても心許無い。

2022年12月14日(水)
堆砂垣

 堆砂垣が半分ほど壊れた。まだ完成してないのに残念。 昨日からの北西風は、ほどよく堆砂するかと期待し、サンドブラストを覚悟で浜に出た。 ゴミの堆砂地にも建てていたので垣が弱かったようだ。  そこは砂面が柔らかく強風で飛んでしまい、竹柵は浮いてしまった。
 写真の竹垣手前の風下(右)は堆砂しているが、中央部の竹柵が外れたところの風下は砂が飛んで低くなっている。

2022年12月8日(木)
気嵐(けあらし)

 海面もそうだが、万ノ瀬河口の近くにあるサンセットブリッジ周辺の川面にも気嵐が発生している。 朝日が射しだすと消えるので一時の風景になる。 今朝の気温は3℃で今冬一番の冷え込みだ。

2022年12月2日(金)
飛砂が内陸に

 ここ2日の北西風で少し堆砂した。 前砂丘の切れ目から風上の北は堆砂し、南は見られない。 飛砂が内陸に向かっていることが分かる。 この写真だけでは確認しにくいが、左が北だ。

2022年11月16日(水)
堆砂

 9月20日にお伝えした台風の置き土産である竹などの漂着ゴミに堆砂が始まった。 美観では問題になるが、砂浜海岸保全の視点では堆砂を促進する点でプラス面もある。 まだ北西の季節風が強くないので少しだけだ。
 内陸に向かう飛砂を前砂丘に留めるための堆砂垣作成に漂着竹を使っている。 800m北まで少しづつ運ぶことにしよう。
 

2022年11月4日(金)
雲のトッピング

 遠くに小さく見える開聞岳に雲がトッピングされている。 はじめは雲に紛れて分からなかったが、よく見ると開聞岳だった。 視界が良いときだけ望めるが、万ノ瀬河口から直線距離にして38kmほどである。 前砂丘の頂点から撮った、松原越しの開聞岳だ。

2022年11月3日(木)
段丘

 万ノ瀬河口から南へ400mほどの浜が新しい段丘になっている。 画面の草原は10年ほど以前は高潮で波を被る砂浜だった。 堆砂が進み、波を被ることが少なくなり植生帯となった。 秋の台風などの高潮でも草は枯れず段丘となった。 吹上浜全域で数少ない後浜発達を観察できる浜だ。

2022年10月26日(水)
蜃気楼

 久し振りに上甑島がクッキリと見える。 54km程の距離だ。 感覚的には下甑島の方が近くに思うが、地図上で確認すると4q程遠い。 蜃気楼で島影の両端が浮島状に見える。 これからの季節はよく見られる。

2022年10月18日(火)
埋まった護岸

 日置市日置の殿尻海岸にある、浸食対策のコンクリート護岸が今年は完全に埋まり見えなくなっていた。 24年ほど前には高さ2m程で斜面全体の人口擁壁と相まって威圧感があった。 10年ほど前には、かなり埋まり目立たなくなっていた。 写真中央に横断する段差が見える辺りにある。 段差は9月の台風などで吹上浜全体で発生した。 殿尻海岸は秋の吹上浜海岸観察で興味深いひとつだが、うっかり見逃すところだった。

2022年10月14日(金)
堆砂地

 一昨年、この地の堆砂は晩秋にはすべて流失した。 昨年は晩秋まで堆砂が残ったので歩留まりを期待していた。 今年は2回の台風などで、この付近は前浜の斜面が流失して浜崖になった。 それに伴い堆砂の根部が洗われ残念。

2022年10月5日(水)
永吉河口

 永吉河口は変化した。 河口内の北から砂を盛って堤防を作り、南側に水路を開いた。 河口内の南からの堆砂が発達し、北に向いた流れが小船の出入りに不都合となり、南側突堤際を河口としたのだろう。

2022年9月28日(水)
コタマガイ

 殻だけと思ったが確認すると、コタマガイらしい大きな貝だった。 メジャーで測ると殻長9cm。 夏の貝は中身が小さいとは聞いているが、これだけ大きいと一口だけは賞味できるだろう。 もう秋だし。 塩水に浸すと砂を大量に吐いた。 翌日弱っていそうなので開いてみると、なんと中身は貝殻の2割ほど。 ガックリ。
 よく似たオキアサリと、コタマガイとの区別はしづらい。 昔は多かったのに今は少ないことを憂う人は多い。

2022年9月24日(土)
廃舟

 13年ぶりに廃舟が波に洗われて露出した。 古い写真と比較してみると、舟の形と位置もほぼ変化なしだった。 浜崖を見ると当時も同様な浸食が見える。 それらから砂丘の浸食後退は13年間はないと言える。 浸食と堆砂のサイクルが平衡していると言えるかも。 浸食は目立つが堆砂は気付きにくい。 場所は9月5日記載の井筒の近くだ。

2022年9月20日(火)
台風14号

 鹿児島県初の特別警報となった、台風14号は指宿付近を通過した。 西からの吹き返しが強く大波になるかと心配したが、吹上浜にとって影響は小さかった。 先日、中国大陸寄りを通過した11号と同程度だった。 ただ、万ノ瀬川から流れ出た竹など多量のゴミが、河口から500mほど北の浜まで堆積した。

2022年9月13日(火)
殻流失

 中国寄りの東シナ海を通過した台風11号の影響は意外と波が高かった。 場所によっては150cm程の浜崖を作り、波がウミガメの卵をさらった。 自然なままに保護してきた、写真の黄色〇の2巣は、獣害に遭い何度も防具を再生し手数の掛かった2巣だったが波に流されてしまった。 時期の早かった1巣は、31個以上の多数が脱出した。 別巣も確認はできなかったが、獣害を免れた子ガメは旅立ったと思われる。

2022年9月5日(月)
井筒

 久し振りに井筒が現れた。 5本の井筒が確認できた。 20年以上前から気になっており、海水を汲むための施設だったと聞いてはいるが、まだ確認できていない。 浜の変化を知るうえで良い資料なのだが。
 京田海岸から北に250m程の所にある

2022年8月28日(日)
漂着ゴミ

 浜は目立ったゴミがなくきれいだった。 今朝になって急にゴミが目立っている。 手に取ってラベルを見ると中国語だ。 中国南部か台湾の河川から流れ出たものが漂って来たのだろう。 1qほどの範囲で見られた。

2022年8月23日(火)
シャワートラック

 多くの子ガメが脱出して海に向かった後、砂浜に残された子ガメの足跡をシャワートラックと呼んでいる。 今朝のそれはトラフサイズだった。 巣はキツネが深く掘返していたが、脱出した後だったようで被害はなかった。 殻を数えてみると150個で、完全度の高い孵化と自然なままのラッキーな旅立ちだった。

2022年8月20日(土)
カメ盆

 子ガメが脱出した後に残された窪みを、「カメ盆」と名付けている。 キツネなどの掘返しにより見掛けなくなっていたが久し振りに見た。 この巣は獣害予防具も設置しなくて、毎日摂餌に活動するキツネなどにも遭遇せず、自然なままで脱出した。 11cmφの小さいサイズで、孵化調査での卵数も49個と最少だった。 卵数が少なすぎることは疑問も残る。

2022年8月11日(木)
子ガメ



 子ガメ
はたくましい。  砂の中から脱出したところから海までには、波で寄せられたゴミなどが多く溜まっている帯状の難所がある。 子ガメはゴミを乗り越えて、あるいは迂回して挑戦の繰り返しだ。 ただ無心に海に向かう。

2022年8月9日(火)
浜道

 獣害など浜での作業が多忙になり、迷っていたが京田海岸にでる浜道の草払いをした。 昨年までウミガメ観察を終了してから作業していたのできつかった。 試しに初めて夜明けとともに先に行った。 浜での作業は日傘も使えるが、強い日差しを遮ることのできない草払いを先に行ったので少し楽になった。 浜に親しむ人が多くなることを期待したい。

2022年7月29日(金)



 今朝の虹は曲線のラインが良く撮れた。

特に曲線の頂部をクッキリと撮れる機会は多くはない。
虹を見ると、なんとなくハッピーな気持ちになる。

2022年7月28日(木)
朝焼け雲



 夕焼けではない。 早朝の時間限定で見られる風景だ。

東の朝日が西の雲を
照らしている。 その朝焼け色が海にも映えている。..

2022年7月18日(月)
段差

 6月に堆砂が進み、前浜の発達をわずかながら期待していた。 やはり土用が近いせいか、段差になった浜を見かける。 土用のころから潮位が高くなることもあり、秋にかけて前浜が減少することは季節の営みである。 今年は7月20日から夏の土用となる 。 

2022年7月7日(木)
崖挑戦

 高さ10mほどの浜崖にウミガメの足跡が描かれていた。 黄色でなぞったラインがそれだ。 斜度60度ほどかと思われる急斜面に取り付けたことでも驚きだ。 2回も挑戦している。 結局、低地に産卵していた。 孵化の頃には冠水の可能性が高い所なので移植した。 なぜか、適地とは思えないのだが他にも2ヵ所産卵している。

2022年7月5日(火)
初侵入

 堆砂垣などで堆砂させた、当方が砂丘鉢と呼んでいる大きな窪地に始めてウミガメが足跡を残した。 斜面にを描き、低地にボディピットを試みたが産卵に至らなかった。 2年前に窮して、始めて移植地に選んだが良くなかった。 縁の深い場所なので気になる。

2022年6月29日(水)
漂砂

  先月ウミガメ上陸が始まった頃は、前浜が狭いように感じた。 このまま年々狭くなっていくのかと危惧していた。 6月も進むと漂砂が浜を発達させてきた。 大潮でも波が静穏で渚に砂を盛り上げている。 そういえば昨年も北部では、堆砂で産卵巣が深くなりすぎて孵化調査で掘出すのに苦労した。 前浜の広さが復活期であることを願う。

2022年6月22日(水)
ベタ足

  個性的な足跡で、歩くピッチが極端に狭く、腹甲を押し付けたような足跡をベタ足と呼んでいる。 複数いるようで個体を分別できるときもある。 写真のベタ足は、慎重に産卵地を探したようで、数か所にボディピット試掘の跡を残した。 中断されたひとつの産卵穴の底に障害となるものはなかった。

2022年6月16日(木)
上陸の多い日

 今朝はウミガメの上陸個所数が15ヵ所。 久し振りに1日に10ヵ所を超えた。 昨年は年間上陸数記録が58ヵ所と2番目の少数で心配したが、盛り返した。 忙しさの中で豊かな気持ちにもなる。 残念ながら、産卵成功が2ヵ所だけは寂しい。 産卵に適した砂浜が少ないことが近年は目立つ。 写真の場所も27cmの段差を乗り越えたが産卵しなかった。

2022年6月12日(日)
穴掘り中断

 産卵の為にボディピットを掘り下げて、卵を産み落とす穴を掘りだしている。 しかし、少し掘ったところで中断した。 探ってみると竹片が障害になっていた。 中央の黒っぽい径15cmほどの窪みがそれであり、ウミガメが左右の後足を交互に掘った窪みだ。 この個体は中断して帰海したが、別な場所に掘り直す個体も見かける。

2022年6月4日(土)
やっぱり

  無理だな

  行ってみるか

  やっぱ50cmの段差は無理だ

2022年6月1日(水)
ヤシの実

 ♪ 名も知ら〜ず 遠き島より〜 ♪
 芽が出たばかりのヤシの実が姿よく正座している。 すでに新芽が枯れているのが残念。 浜でよく見かけるが、いつ見ても古い歌を思い出す。 ヤシの実には、南の島や海流のことなど、ゆったりした時間が流れる。
 

2022年5月20日(金)
獣害

 昨年は初産卵直後から3巣連続で獣害に遭った。 以後全巣を獣害予防策を施し結果は良好だった。 今年はどうなるか、より自然なままを優先していたがやはりやられた。 まだ多くの卵が残っているので、保護することにしよう。 転卵や潮の関係などを考慮して一時的に現場で流木を使い獣害防具を設置した。

2022年5月13日(金)
初産卵

 今シーズン初のウミガメ上陸産卵があった。 未明のころと思われる。 足跡の巾が85cmだったので小型になる。 昨年は、15年ぶりに上陸数が随分少なかったので、今年の数字にはおおいに興味がある。

2022年5月10日(火)
砂丘の松

 砂丘の松が枯れている。 海に近い湿地帯の松枯れ異変には数年前から気付いていた。 湿地帯特有の問題と思っていたが違うようだ。 内陸部の標高の高い広範囲でも進行している。 久し振りにサイクリングロードを利用して意外な展開は驚きだった。

2022年5月3日(火)
ハマヒルガオ

 ハマヒルガオが目立ってきた。 咲きだしたのは10日ほど前からだった。 浜で一番目立つ花で初夏を教えてくれる。 朝が早いのでまだ朝日が射さず、写真映えがしないのは残念。

 朝早くから、親子3世代で貝堀りにきている。 連休で帰省したのだろうか。

2022年4月25日(月)

 昨夜の雨のせいか霧が発生している。 万ノ瀬川より南の陸地から海上まで白く濃く伸びている。 標高591mの野間岳が山頂だけ見える。 翻って北側の吹上方向を見るとそちらも薄く霧が発生している。

2022年4月13日(水)
ハマエンドウ
 前砂丘に緑が増してきた。 ここにはハマエンドウが群生している。 全国の砂浜などで見られる海浜植物らしい。 群落とは言え目立たないので、近くで始めて気づき記憶にもうすい。 たぶん、当HPに登場したのは初めてだろう。
2022年4月7日(木)
排水施設

 4年前に竣工した排水施設が変形してきた。 内陸の湿地帯を排水している。 同時に建設されたメガソーラーの付帯施設と思われる。 昔の古い土管が機能しなくなっていたので、雨水が滞留して通行不能になることがあった。 雨量の影響もあるが、この排水施設の効果は大きく、以後は通行不能がなくなった。

2022年3月20日(日)
キツネの巣穴

 今年はキツネの巣穴を見かけないと思っていたら、ここに8個の巣穴があった。 逃れる為に1匹で2個以上の穴を掘るらしいので、2〜4匹がいたと思われる。 ここ数日以内に出入りした様子は伺えない。 今まで気づいたキツネの巣穴では、1ヵ所で最も数が多い。

2022年3月16日(水)
前砂丘

 ふと気づいた。 前砂丘の記録写真を撮るのが遅くなった。 春になり草が伸びる前に毎年行っている。 堆砂垣とカタクチイワシなどに興味が行ってしまったせいかもしれない。 早咲き桜のイズノオドリコが、例年と違い開花から満開までに期間が長かったことも関係したかもしれない。
 写真は当方が砂丘鉢と呼んでいる、風が造り出した風景だ。

2022年3月12日(土)
ブリ

 よく見かける彼はご満悦の笑顔だ。 一投目で80cmのブリをゲットした。
 色々教わると、当方は渚の近くでブリのナブラが賑わっているのに気づいていなかったようだ。 数年前からナブラが多くなって、吹上浜の渚からブリを釣れることが釣り人たちの話題になっているらしい。

2022年3月10日(木)
春節

 中国から飛んできたらしい風船があった。 旧暦正月の春節で、お祭り気分の子供の手から離れたのだろうか。 肩章などの雰囲気から中国軍のマスコットかと思ったが、調べると違った。 カナダ制作で日本でも放映されている、幼児向けテレビアニメのパウパトロールのキャラクターだった。 ウクライナ戦争勃発の今、世界が理解しあえる次代の子供が育つことを願う。

2022年3月7日(月)
トロ箱

 強い北西の季節風が吹くのもあと少しかとなったが、思いつきで漂着したプラスチックと木製のトロ箱6個を並べて堆砂垣としてみた。 北西の最大風力7前後が2日間で、思ったよりも早くトロ箱の高さ一杯に堆砂した。 堆砂結果は東方向だった。  

2022年2月27日(日)
鳥山

 今朝は近いところに鳥が多い。 カモメ、カワウ、カモなど中型種が目立つ。 カタクチイワシを咥えている。 今冬は鳥山を見る機会が多かった。 以前、大きな群れはカワウだけで他は少なかった。 特にカモメはどこから湧いてきたのだろう。
 鳥山はブリなどが群れているので、釣り人は鳥山を待機している。

2022年2月26日(土)
カタクチイワシ

 カタクチイワシが大量に打ちあがっている。 ブリと思われる大型種から追われて、渚に乗り上げてしまったようだ。。 2時間ほど前のことだろう。 当方は魚を持ち帰ることはほぼないが、以前上ったときに家内が持ち帰ればいいのにと言ったのを思い出して小さなビニ袋に入れた。 素揚げみたいな調理だったが、柔らかい小骨と新鮮な身の食感が美味しかった。 内臓処理が大変だったらしい。

2022年2月21日(月)
堆砂垣

 お役御免になっていた漂着竹垣材で、東西方向に4mほどの堆砂竹垣を新設していた。 これまでの竹垣は南北に建てたが、砂丘開口部の南部に堆砂を期待して一週間前のことだ。 連日北西の強風だったので期待したが、堆砂は南にではなく東方向にできていた。

2022年2月7日(月)
オナガガモ

 見慣れない6羽ほどの鳥を最近よく見かける。 首に見られる白く細い線などから調べるとオナガガモだった。 冬鳥で淡水ガモ類のようで、これまで浜で見かける機会が少なかったことに納得した。 

2022年1月28日(金)
飛砂

 北西の季節風は強くはないようだ。 前砂丘の高さ半分ほどの植生帯までは飛砂が堆砂している。 徐々に頂部まで上るか、強風で一気に頂部まで飛砂で白くなるか。 多くの海岸に面した植生帯斜面は毎年飛砂が堆砂するので厚く発達する。 
 昨秋までの波で削られて発生した2m超の浜崖は、まだ埋まっていない。

2022年1月21日(金)

 今朝はマイナス1.5度。 この冬一番の低い気温だ。
10m程ある高い浜崖の裾には堆砂が進み斜面を作っている。 その斜面は西に面しているので、まだ陽が当っていない。 霜が描く雪のような白い風景が美しい

2022年1月8日(土)
寄木八幡神社

 南さつま市小湊の寄木八幡神社に久しぶりに参拝した。
神社庁によると、漂着した霊木を、宇佐八幡のお託しになった霊木であるとし、其の霊木を以て御神位三体を彫刻し、寄木八幡と号して勧請したとある。
 当方にとって浜歩きに面白味を感じて27年も浜に通うのは漂流瓶やクロマグロなど珍しい漂着物の縁もある。 感謝と良縁を祈念した。

2022年1月1日(土)
金峰山の影
 5年前にお伝えした、金峰山の影について今朝気づいた。 日の出直後の、吹上浜に伸びる富士山のような影が、時間が経って山麓まで短くなると、本岳の右に北岳の山影が見えた。 3峰の山が三角錐の山影に見えるのが不思議だったが、長く伸びる不明瞭な山影に凹凸が吸収されるのが答えだったようだ。
2021年12月28日(火)
残念
 残念。 堆砂網は弱かった。 網下部に堆砂した砂が重みとなり、又、柱が強風で倒れ崩れた。 北西で最大9〜瞬間17程を最大に強風が3日続いた。 崩れた後は、南部の竹垣内陸側が強風で大きく深くえぐられた。 堆砂していた1年分の砂は、風に飛ばされ元の木阿弥。
 浜崖と強風の複雑な営みに挑戦するのは難しい。
2021年12月14日(火)
防風ネット成功

 防風ネットで堆砂した。 今冬は、垣材料の竹材漂着ゴミがなく、防虫用1mm目のネットを20m程試していた。 南半分がどうしても堆砂しなかったが、今回うまくいった。 全体的に20cmほど堆砂した。 前砂丘の切れ目から飛砂で前砂丘が後退するのを防げないか試している。 今回は北西で風力最大7〜瞬間14の2日間だった。 

2021年12月7日(火)
けあらし

 けあらし(気嵐、毛嵐)が朝日に照らし出されて分かりやすい。 渚から数十メートルの海面から湯気が湧いているように見える。 暖かい海面の水蒸気に、陸からの冷気が触れることで発生する。 朝日が射してくるとよく見えるが、消えて見えなくもなる。 海面温度と気温の差が15℃以上あると出るらしい。
 冬の風物詩だ。

2021年11月28日(日)
1℃

 昨日から急に寒くなった。 朝7時頃で1℃。
夏の暑いのは調整できないが、気温が低いのは着るもので調節できるので、苦にはならない。

 11月にしては、すじ雲が見事で空が高い。

2021年11月25日(木)
釣り

 キス釣りかと思ったら違った。 キスは秋までらしい。 90pのブリをここで釣った話を聞いた。 スマホを開き声が弾む。 笠沙の防波堤のポイントは釣り人が多くて窮屈らしい。 誰も見当たらないここは少し歩くが、気楽に楽しめるようだ。

2021年11月14日(日)
カワウ

 今年もカワウの群れがやってきた。 松林のねぐらから摂餌に向かうとき、一旦渚で羽を休めている。 毎日ではない。 50mほど近づくと1羽がとび立ち、続いて群れ全体が移動する。 3日前が立冬だった。

2021年11月8日(月)
流木

 前から漂着していた木の根の流木があった。 長い間波間を漂った雰囲気だ。 何気なくよく見ると、木の皮が波に繊維だけ洗い出されて、柔らかく美しい模様を描いている。 木肌も洗い出されて自然の造形には驚かされる。 しばらく舐めるように鑑賞した。

2021年10月26日(火)
軽石

 ニュースで、小笠原近海の海底火山による噴出物である大量の軽石が、11日に奄美大島、喜界島に漂着とあった。 以前、中国南部の台風で東シナ海に流れ出た大量ゴミの県本土漂着を思い出した。 黒潮と北西風も始まったので大丈夫とは思ったが、意識した。 吹上浜は元来、軽石小片はシラス土壌の河川から流入している。

2021年10月21日(木)
孵化率

 ここ2年は各年全巣での孵化率が低くなっていた。 今年は全43巣での孵化率は、推計で63%程と高くなった。 要因は、浸食が少なかったこと、獣害予防具の効果が高くなったことなどが考えられる。
 全体で100%はありえなく、63%は高い数字になる。 1巣では90数%が最高値で稀にある

2021年10月12日(火)
永吉河口
 日置市の永吉河口は毎年変化するので、秋の海岸観察は興味深い。 昨年は南側に流れていたが、今年は北側に変化していた。
 今朝は大川まで歩いたが、前浜は昨年より堆砂が進んだように感じた。 南さつま市の金峰区でも、今年はウミガメの巣が、堆砂で産卵時より深くなった巣が少なからずあり、前浜の堆砂を感じていた。
2021年10月2日(木)
秋空

 雨の多かった夏とは逆で、連日晴天が続く。 今夏は梅雨から秋になったような感じもする。 ウミガメの孵化日数への影響もあるようだ。
 今季最終のアカウミガメの子ガメはパタパタと元気よく旅立った。 今期の上陸個所数は27年間で2番目に少ない58。 8月の産卵がなかったこともあり、例年より早いシーズン仕舞いとなった。産卵巣は43で産卵成功率は74%と近年にない高さになった。 ちなみに最低上陸個所数は、2006年の51、産卵巣31、産卵成功率60%。 
最高値は、2012年の459個所、459巣で63%だ。

2021年9月26日(日)
キツネ掘り
 昨夜、キツネが大きな堀跡を残していた。 2m程のスロープを作り、径30cm程の流木が横たわっている下を掘り、深さ80cmに達していた。 ウミガメの巣底は60cmだったので、殻などが落下している。 
 幸い孵化した幼体は、脱出すべく砂の中を上昇中で、砂面からすべて取り上げた。 キツネの逞しさも、生活の為に巣穴のトンネルを作ることを考えたら簡単なことなのだろう。
2021年9月17日(金)
大丈夫

 中国近海を通過した台風14号の余波は小さくなかった。 大丈夫だろうと思っていた脱出予定の近い巣が波で削られた。 かろうじて残った巣の痕跡を掘ると、底部に脱出後の殻が埋っていた。 数えるときれいな状態が128個でふ化状態は良かった。 堆砂で深くなった巣から上昇中の幼体が、波で露出し海に旅立ったと推察した。 今年は産卵後に堆砂で深くなった巣が多いように感じる。

2021年9月12日(日)
流木
 まとまった流木の塊が露出した。 15年前まで行われていた海岸清掃で、埋設処理したのが露出したと思われる。 最近の流木に見えるが、そうでないことは毎日の観察で分かる。 埋めた流木の腐敗は意外と少なく長い年月が必要となる。
2021年9月4日(土)
釣人

 8月中旬の長雨は雨量が多かった。 京田海岸に出る道は、1週間ほど前に膝ぐらいまでの滞水があったらしい。 暫く京田海岸から浜に出る人はほぼいなくなっていた。今朝は久し振りに京田海岸から浜に出た複数の釣人がいた。  話では踝ほどに水が引いたらしい。

2021年8月27日(金)
海原へ

  子ガメの足跡が渚に向かっている。 昨夜24時頃に旅立ったようだ。 満潮時間から、干潟に残された足跡から推定できる。

2021年8月19日(木)
避雷

 雷が近くで鳴り出した。 昔は怖くなかったが、落雷が海面に光るのを目撃してから大事を取るようになった。 浜では、浜崖になっている所でやり過ごしている。

 梅雨かと思うほど雨の日が多い。 今梅雨期の雨は少なかったので感覚が少し変だ。

2021年8月10日(火)
旅立ち
 子ガメが竹を乗越えている。 砂中の巣はキツネ等から掘り返されるなど、ふ化にも至らない卵は多い。 脱出できただけでも運の良い子ガメだ。 砂浜を海に向かうとき、キツネやカラスなどから襲われる子ガメもいる。
早く海に入りたい子ガメは一心に渚に向かう。 ゴミなどの障害にも必死に挑む。
2021年8月5日(木)
シャワートラック

 今季初の子ガメ脱出は3日前だった。 獣害を伴い、ふ化状態も差がありすぎた。

 シャワートラックだ。 ここの巣は、描いている理想的な子ガメの足跡だった。 ほとんどの子ガメが一斉に、ほぼ予想した日に脱出した。 脱出跡を獣が掘ることが多いが、それも完全防備。 復路もいとおしく眺めなおした。

2021年8月3日(火)
堆砂

 これからの時期は、産卵地帯の砂が流失するのを注意している。 しかし、今朝は反対に堆砂した産卵巣があった。 産卵された時よりも35cmほど深くなっている。 深くなった産卵巣の脱出は遅くなり、ふ化率と脱出率も低下する。 基本的に自然なままを優先しているので、この産卵巣は自然に委ねる。

2021年8月1日(日)
草払い
 今年のウミガメ上陸は少ない。 遅く始まり早く収束しそうだ。
余裕ができたので、例年より早く京田海岸への道を草払いできた。 浜に出る人が少ないと草が茂ってしまう。 今年は気のせいか、草の茂りが少なくなったように感じた。 浜に出る人が増えたのかもしれない。
もっと多くの人が浜に親しみ楽しんでもらえることを期待したい。
2021年7月25日(日)
土用波

 東シナ海の南にある台風6号のせいか、大潮満潮が重なり思ったより大波が寄せていた。 広がっていた前浜は一気に波に洗われる。 1カ所の卵塊は流失した。 土用波は毎年の風物で、ウミガメの卵にとって、波が砂表面を洗った程度では問題がない。

2021年7月20日(火)
前浜

 話題として時期が遅くなってしまったが、堆砂垣の効果の一面を報告したい。
 3月にお伝えした堆砂垣の目的は、前砂丘の再生のみならず飛砂を南に供給することだった。 堆砂垣より南の前浜が再生したことに、少しは貢献したかもしれない。

2021年7月17日(土)

 猪の足跡を時々見かけていたが、今朝は多くの摂餌跡があった。 ウミガメ産卵巣の近くだったが大丈夫だった。 最近の獣害予防策は猪対策も効果があるようだ。 産卵期のキツネ対策はほぼ封じたと言えるだろう。 しかし、まだ課題はあるので、問題解決とは行かない。

2021年7月13日(火)
グンバイヒルガオ

 グンバイヒルガオが咲いていた。 夏真っ盛りを知らせてくれる。 二日前の11日に例年よりも早い梅雨明けが報じられた。 今年は梅雨入りも記録的に早かったが、グンバイヒルガオ開花はそうでもなかった。 気付きのタイムラグはある。
 かって南薩摩の多くの砂浜で急に繁殖が旺盛になった。 南方系の植物なので、温暖化との関係性に興味を持った。

2021年7月2日(金)
同じ個体が

 14日前にお伝えした、産卵しなかった個体が同じ場所に上陸し産卵した。 産卵周期、足跡の形とサイズの条件が揃った。 今回は移動巾が10m程だ。 同地に拘る個体を稀に確認するが、広くて同じ地形の砂浜で同地を感じ取れる能力には驚く。 しかも夜である。
 浜から帰る時に、細い浜道を見失う人は多い。 それで目印に流木などを集めてランドマークにしている浜道もある。

2021年6月29日(火)

 くっきりと虹が出ている。 吹上浜は朝日が陸側から上る。 したがって朝の虹は西の海上に見えることになり、時々きれいな虹を愛でることができる。 虹と接する水平線に漁船を見ることができるが、写真では伝えにくい。

2021年6月21日(月)
ボディピット荒し

 昨夜、吹上方向からと思われるウミガメ観察に来た人がいた。 産卵跡のカムフラージュされたボディピットに多くの靴跡があった。 踏み荒らされると微妙な差異から卵室を探すのに苦労する。産卵された巣はすべて記録し、獣害から卵を守るため予防策を施している。 産卵跡には触れないようご協力をお願いしている。

2021年6月18日(金)
ロングトラック

 長い上陸跡だ。 140m程を往復している。 昨年6月21日のロングトラック250mは片道だったので陸地歩行の距離では上回る。 同時期同位置なので調べるとまったく別個体だった。 ようやく上がった段差の適地と思われる斜面を迷った挙句、段差を下り段差下に適地を探した。 結局ボディピットはなかった。

2021年6月16日(水)
雨雲

久多島の沖を雨雲が北に流れている。 甑島は大雨だろうか。
迫ってくる雨雲は不安が
募るが、遠くの風景として眺めるにはコントラストがきれいだ。

2021年6月11日(金)
広い浜

 今日は月齢0.7 大潮満潮でも渚が遠く、前浜が広い。 初夏は天文潮位が低く波が穏かだ。 昔は浜が広かったと思い出を語る人は多い。 レクレーションが少なかった昔、多くの家族が貝堀りに出かけるのが晩春から今頃だった。 時期的要素もあるようだ。
 ウミガメは、8月以降に冠水しない浜に産卵する。

2021年6月6日(日)
父子

 父親が息子に釣を教えているのだろう。 昔を思い出した。
当方の息子が小学生の時、せがまれて海釣りに行ったことがあった。 結果はなぜか貝が一個。
キス釣りは、当方が中学生のとき誘われてやったが釣果はゼロ。
 ウミガメほど釣には執着しなかった。

2021年5月29日(土)
カムフラージュ

 ウミガメの足跡をたどると、左から右に進み回転して帰海した。 さてどちらに産卵したか分るだろうか。 答えは左が産卵跡のボディピットになる。 右はカムフラージュ行為と思われる。 
 産卵巣は意外な場所にあり、卵塊上層13cmと浅く高温でダメになる。 大潮満潮で冠水する場所でもあったので今季初の移植対象になった。

2021年5月24日(月)

 5月の波は比較的に穏やかだ。 そんな中、今朝の海はほとんど波がない。 まるで小さな湖のようだ。
 波が小さい日が続くと浜が広くなる。

2021年5月16日(日)
獣害
 昨年と同じく、初産卵巣が昨夜のうちに獣害全滅。 キツネと思われる。
写真手前の堀跡は卵に至らず、奥の堀跡が60cmの巣底まで達していた。
 昨年から始めた全巣の獣害予防策を今年も実施することになるだろう。

2021年5月14日(金)
初上陸

 アカウミガメが初上陸し産卵した。  桜の記録的な早い開花があり、上陸記録の為の100m毎の点検整備は、例年より日数的に余裕をもって早期の上陸に備えた。 早い桜に伴い、例年より早い上陸を想定したがそうはならなかった。 3日前に記録史上2位の早い入梅にも驚いた。 内陸の気候とアカウミガメのそれとは違うのか。 今年の上陸数が少ないことを示唆するのかもしれない。

2021年5月4日(火)
傑作

 昨日、砂山を作って楽しんだのだろう。 波が静穏だった直前の満潮で、ほどよく裾が洗われた。 落砂し空洞が空いている。

2021年4月23日(金)
ハマヒルガオ

 ハマヒルガオが開きだした。 数日前から早朝の日陰で開きかけの状態を気づいていた。 浜の滞在が、砂丘影に陽を射す時間になると見られるということだろう。 ひと月ほどは楽しめる。
 ロート状の葉が、新緑の初々しさもキレイだ。

2021年4月20日(火)
コシャクシギ

 コシャクシギと思われる嘴の長いシギが一羽。 数日前から見かける。 毎日会うと少しは慣れたのか写真を撮れる近さになってきた。 当方を伺っているような気もする。 一羽だとなんとなく気になり親しみが湧く。 そういえば、前にも同じようなシギとの対面を思い出した。
 「日本の野鳥」によると、類似の稀なハリモモチュウシャクは、同時に2羽以上の渡来例はないらしい。

2021年4月11日(日)
100m毎

 今年のソメイヨシノは、昨年より2週間ほど早かった。 連動して、ウミガメ上陸記録に利用する100m毎の印の再生作業も早く始めた。 長年使ってきた傘を廃物利用した器具が初日から壊れたので、ロープ利用の方法などを試した。 結局、一人では困難と思っていたゴルフ等で使われるレーザー距離計を借用して再生することにした。 これまで一直線に歩いたが、今年は気にしないで歩ける。

2021年4月1日(木)
後浜の発達

  上の写真は吹上浜海浜公園のボードウオークから北を望んだ。 万ノ瀬河口から1キロメートルほど南になる。 ふと思い返すと、後浜が発達しているのに気付いた。 前砂丘の前面に堆砂が進み、砂を固定する植生も増えている。
 下の20年前の写真は北からの逆方向だが、中央の平らな所がボードウオークだ。 当時は、高潮時に浜崖の下まで波に洗われた。 ボードウオークも、コンクリートの基礎部が波で破壊されて崩壊の危機感があった。 当ページ2011年4月7日の記事でお伝えした10年前から堆砂が始まり
、浜の発達をこれまでにも記事にしてきた。
 反面、万ノ瀬河口北岸では最近の数年で浸食が進んだ。 砂浜の営みを理解するのは複雑で簡単ではない。 自然なままの浜の保全に関心を持つとき、奥深い知見が必要のようだ。

2021年3月22日(月)
コウボウムギ

 浜の春を告げるのはコウボウムギだ。 ここ万ノ瀬河口南岸では真っ盛り。 砂浜特有の海浜植物で、砂浜の代表的なイメージのひとつだ。 コウボウムギ(弘法麦)の名は、かって茎基部の繊維が筆に使われたことで、筆なら弘法様ということらしい。 別名フデグサとも。

2021年3月16日(火)
堆砂垣

 春が早いのか、ここ一ヶ月ほど南と東のからむ風の日が多い。 堆砂垣は早々に再生したが、堆砂の進む北西風が少ないので期待外れだ。
 昨年、強風を和らげるネットを設置した。 効果に確信が持てないと記したが、今年は竹垣を使ったことから、堆砂の結果を観察すると、ネットの効果も再確認できた。 しかし、まだまだ多様な要素もあるようなので今後の興味にしたい。

2021年3月9日(火)
コマツヨイグサ

 砂丘にまだ緑が少ない中で、コマツヨイグサを見かける。 黄色い3cm程の花弁が咲くが、しぼむと赤く変色する。 内陸でも普通に見掛ける種で、北海道以外で広く分布しているらしい。 要注意外来生物で、北アメリカ原産が1910年代に日本で確認されたらしい。

2021年3月3日(水)
砂丘

  砂丘の多くは草木に覆われているが、ここは砂丘らしさを見せてくれる。 昨日吹いた北東からの強風は、砂面に綺麗な模様を描いた。 比較的に硬い削られた頂上付近と、柔らかい裾部で砂紋になった違いが際立っている。 北西風が作るフワリと柔らかい砂面とは違った風景になった。

2021年2月23日(火)
ブルーフロート

 2017年5月にピンクフロートの話を記載した。 今度は鮮やかなブルーフロートがあった。 プラスチック製で軽い。 長さ60cm程でピンクフロートと色違いだ。 何に使われるのだろう。 浜では、たまにガラス製とか黒くて重いプラスチック製の丈夫そうな丸いフロートを多く見てきた。

2021年2月19日(金)
貝殻

 前浜に多くの貝殻が帯状に漂着している。 一般の様々なゴミはほとんどなく、遠い南の孤島の浜辺を連想した。 見たことはないが。 
 丁度一年前の当HPに同じ記事を掲載していたのを思い出した。 この様な浜の状態に、時期とか気象などの何か要因があるとすればなんだろう。
 

2021年2月13日(土)
万ノ瀬河口

 大潮満潮の万ノ瀬河口だ。 サンセットブリッジから撮った。 砂嘴が両岸から伸びているのが確認できるだろうか。 海岸線から300m程内陸までには人口堤防がなく、自然な景観に近いのは嬉しい。 今朝は久し振りにサンセットブリッジを経由して帰宅した。 ここはウオーキングを楽しむ人を良く見かける。 好天だと実に清々しい

2021年2月5日(金)
ストランディング

 潮間帯にアカウミガメの漂着だ。 外見から損傷はなく死因は分からない。 曲直甲で90cmの大型だ。
 甲羅にはカメフジツボが16個も張り付いてた。 昔、カメフジツボの配置からウミガメの個体を特定しようと思った。 しかし、甲羅上を移動することが分かり意外な生態を知った。 名前の通りほとんどウミガメだけに張り付くようで、フジツボの仲間では大型になるらしい。

2021年1月31日(日)

 28、29日の強風で堆砂を期待していた。 残念、垣は弱かった。 南半分は、大潮と重なり強風で吹き寄せられた波が高くなったようだ。 竹垣の残骸は内陸に打ち上げられていた。
 倒壊した垣を見たときガックリきたが、堆砂はまだ残っている。 垣になる竹材も、ある程度は又使えそうだ。

2021年1月25日(月)
堆砂垣

 堆砂垣の効果が現れた。 数日の強風で顕著になる。 堆砂垣が埋まったのを引き上げて再生したのも効したようだ。 2列目は効果に疑問を持ちながら設置したが、影響したようだ。 思ったことはやってみるもんだ。 陽ざしを浴びた柔和な盛り上がりに愛しみを感じる。

2021年1月20日(水)
シロチドリ

 シロチドリは一年を通して渚でついばんでいる。 毎朝、見かけないことはない。 カメラを構えて待機していると、ついばみながら近づいてきた。 近くまで寄ってくれるとホンワカした気持ちになる。
 今朝は気温一度と低いが晴天で風もない。

2021年1月8日(金)
ハマグリ

 殻だけかと思ったが、よく見ると2枚の殻がしっかり閉じていた。 ハマグリだ。 殻長75mmで大きい。
1個見つけると近くに見つかることもあるので念入りに探したがなかった。
 久し振りの焼きハマグリが美味しそう。 1個だけは美味しさが倍加する。

2021年1月2日(土)
カイト

 万ノ瀬河口で大きなカイトが空を舞っている。 海上にはそれを操り、波しぶきをあげて滑走している。 昔のお正月は田圃や広場でカイト(凧)を見かけるものだった。 時代が変わると多くのものが変わる。
 滑走は気持ち良さそうだが、冷たさを思うと挑戦しょうとは思えない。 その前に高齢者は断られるか。 快活さには元気をもらった。

2020年12月26日(土)
釣人

 今朝はマイナス1.5度。 ここ南薩では極寒ともいえるだろう。 釣り人が今日も楽しでいる。 スズキやヒラメなどが狙いのようだ。 防寒対策は万全だろうが、寒そうに見える。 当方は動いているので、発汗に気を使っている。 とはいっても同じく見られているのだろう。 陽が射してきたので寒さも和らいだかも。

2020年12月20日(日)
カワウのフン

 カワウが増えたかもしれない話題を先月記載したが、ここ万ノ瀬川下流の上ノ山橋から見える北岸に、カワウの越冬する営巣地がある。 吹上砂丘の松が、自然河岸に開けている一画だ。 今冬は雨が少ないこともあろうが、カワウのフンで松が白く染まるのが例年より広がったように感じる。

2020年12月13日(日)
堆砂垣

 またダメだ。 堆砂垣の北部は効果があり、垣が埋まりそうになった。 垣の材料もなくなったので、思い付きで垣の竹を引き上げて堆砂の盛上りを促す作戦を試みた。 中央部はうまくいったが、北部は風で倒れてしまう。 3回目も失敗。 埋まる次は、引き上げるのに楽するように竹を軽く砂に刺したのと、連携に期待したのがまずかったようだ。 このタイプの垣は、竹1本づつ自立させるのが大事なようだ。 

2020年12月5日(土)
気温2℃

 気温2℃。 今冬初のニット帽になった。 野球帽よりも耳の冷たさを和らげてくれるので冬仕様にしている。

 しっかりした気嵐(けあらし)が
、ゆったりと陸風に乗り海に流れている。 分かりにくいが浅瀬にアオサギが1羽、小魚を狙っているのか。

2020年11月27日(金)
鉄管

 しばらく埋まっていた鉄管が露出した。 見掛けないので今冬の堆砂が進んでいるかと思っていた。 使われなくなって50年以上はここに立っていたがついに朽ちて倒れてしまった。
 浜の変化を知るのに、分かり易い指標で重宝した。 当HPでも数回登場している。

2020年11月19日(木)
夏日

 連日最高気温が25度を超えて夏日が続く。 早朝の気温が22度で、通常は気温より高い砂中温度が、今朝は18.5度と低い。 連日の夏日は全国的な話題らしい。 曇り空で寒い11月のイメージに違和感がある。
 貝堀り人は心地よさそうだ。

2020年11月13日(金)
カワウ

 カワウの大群が、内陸のねぐらから飛んできて浜に降り立った。 これから採餌に向かう。 今年は以前よりも数が増えたように感じる。 国内で50年程前には生息数が減少していたが、急増したことで農林水産業の被害増もあり2007年から狩猟鳥になったらしい。 

2020年11月10日(火)
堆砂垣

 堆砂垣の効果が表れた。  開口北部の堆砂が多く、風下で70cm前後。 中央から南部は少ない。 堆砂から風の動きを観察すると、思ったよりも南東風が堆砂の形に影響があることを感じた。 飛砂の現場を観察して、気象庁のデータからも考察していたが想像以上だった。 他愛ないことだが、堆砂の一面を知り得たのには心が弾んだ。

2020年11月5日(木)
けあらし

 今朝は気温7.5℃。 いよいよ冬が来た。 海面温度は、まだ20℃を超えている。 陸に近い海面には少し気嵐(けあらし)が出た。 気象用語では蒸気霧らしい。 暖かい海に陸上から冷たい空気が流れ込んで霧になる。 まるで、お風呂で見る湯気のようだ。

2020年10月27日(火)
堆砂垣

 迷ったが堆砂垣を再作することにした。 今回は漂着ゴミである太めの竹を割ったりして、1本づつ自立するように叩き込んだ。 北西の強い季節風が和らぐ来春まで半年間、立っててくれればと願っている。

2020年10月21日(水)
オオバン

 浜崖になり、ハマゴウの根が垂れ下がった崖下に黒い何かいる。 鳥だ。 近寄っていくと、動かない。 1m程の距離でカメラを構えて少し動いた。 どうして。 普通は野生の鳥に近づくのは難しい。 分らないが弱っているのか。 極近くで竹を切ったり作業を始めたがそのままだ。 日陰なので、体全体が黒いし保護色になって分からないと思っているのか。 不思議な体験だった。 調べてみるとクイナ科のオオバンのようだ。

2020年10月13日(火)
獣害結果
 今朝は日本晴れ。 
 昨年は
獣害予防具を6巣設置して全68巣の獣害は80%だった。 今年は危機感で71巣に獣害予防具を設置して、全76巣の33%が獣害を受けた。  ’06年に全31巣に設置した獣害予防具ではゼロ%と成功した。 今年の33%は以外で残念な結果だった。 イノシシ以外の獣害予防策は確立したと思っていた。  なんでだろう。 タヌキとキツネの違いか? ちなみに全獣害巣が全滅したわけではない
2020年10月4日(日)
堆砂

 台風のせいだろうか、日置市の大川南岸は突堤の先端まで砂が堆砂していた。南風が強かったことが伺える。 昨年は写真の中央付近までしか砂浜はなかったので、15mほど堆砂が進んだ。 浸食と堆砂が場所ごとでいろいろだが、ここでは歴然と堆砂を知ることになった。

2020年9月27日(日)
キス

 今年はキスのサイズが違うらしい。 キス釣りのベテラン氏との話によると、吹上浜北部はサイズが小さいが、南部ではサイズが大きいらしい。 考えられる要因を聞くと、漁船による網引き漁の違いではと推論した。 そういえば今年は沖での網引き漁を見かける機会が少なかったように思う。 吹上浜では1年を通じてシラス漁が行われている。

2020年9月14日(月)
ここ掘れ
 台風後にウミガメの巣は、砂浜の変化で分からなくなることもある。 そんな時、獣の掘り返しで卵の位置を知ることもある。
写真の掘り返された巣をふ化調査すると、旅立った子ガメは多かったようだ。
 巣底の深さから考察すると、台風で流失した砂浜表面の砂は、10cm程の層だった。
2020年9月8日(火)
台風10号

 台風10号の警戒喚起は「いままでにない・・・」と大きかった。 砂浜を心配したが、結果は9号よりも影響は小さかった。 9号後の海岸とそれほど変化を感じない。 写真の地では、9号で枯れたハマゴウの葉が残りその下部に10号の波痕を見た。 この地を観察すると、前砂丘が台風などの大波を緩衝し、内陸を守ってくれているのが分かる。 大事に考えたい。

2020年9月4日(金)
台風9号の余波

 台風9号は内陸には殆ど影響はなった。 しかし浜での余波は大きかった。 堆砂を喜び今後を期待していた風食地が元の木阿弥で、大波が内陸まで遡上し堆砂を一掃した。 毎年秋は、潮位が高いのと台風などの影響で砂浜が減少するのは分かっているが、ガッカリだ。 6月20日にお伝えした理想の産卵地も消えた。 写真の左に見える浜崖がそうだ。 来春を再び期待しよう。 漂着ゴミも一掃された。

2020年8月30日(日)
残された卵

 8月9日の観察会で、思いがけなく案内することになった、大きな獣害で残された卵がシャワートラックを残して海に旅立った。 40匹ほどだった。 殆どの巣がキツネなどからアタックを受けているが、1回のヒットで残された卵は多く、当日の朝に保護すると多くの子ガメが海に旅立つことができる。 放置すると、昼の高温と翌日の採餌行動で全滅に至る。 (左上が獣害時の写真)

2020年8月24日(月)
救出
 今年初めて、キツネ等から巣を掘られる前に獣害予防具を設置し、効果はあった。 しかし、子ガメの脱出期になると、巣へのアタックが強くなってきた。 今朝の巣は20匹が海に旅立っていたが、その後のアタックで3匹が掘られた穴から上がれなくなっていた。  数年前に巣を掘る獣が軟になったかと当ページに呟き、獣害予防具も少し小型になっていた。 目的別に工夫してきたが、まだまだ工夫が必要だ。
2020年8月15日(土)
微堰止湖

 梅雨になって以来、新しい排水溝からせせらぎが出現していた。 今朝は波の堆砂作用で堰止湖様になった。 いつも靴を濡らしていたが、今朝は濡れずにパスできた。 半日だけの風景だろう。
 低潮位期のせいもあるが、8月になってから波が穏やかで堆砂を少し感じる。

2020年8月13日(木)
浜道

 今年も京田海岸への浜道を草払いした。 茂った草が邪魔して歩きづらかったがもう大丈夫だ。 浜道を利用する人が少ないと草が茂る。 多くの人が釣や貝堀などに親しんでもらえることを願って実施している。 昔は、帰省客など盆過ぎには多くの人が出て賑わいのある浜だった。 

2020年8月8日(土)
初脱出

 子ガメの初脱出はシャワートラックだった。 写真でも見出すのは難しいが、現場でもうっかり見落とすほど足跡が薄かった。 80匹程の子ガメが、ガレキ帯の内陸側上端から脱出し、困難なガレキを越えて海に向かった。
獣害にも遭わずラッキーな、たくましい足跡の産卵巣だった。

2020年8月3日(月)
獣害

 今年は産卵初期から獣害全滅が始まったことで、殆どの産卵巣に獣害予防具を設置した。 多くの巣は獣害予防具で守れたが、この巣は掘られてしまった。 斜面に設置した獣害予防具の下部端から斜めに器用に掘った。 写真では、本来の巣から落ちた卵塊と2段の卵塊になった状態が分かるだろうか。 まだ多くの卵は残っているので、防具を強化した。

2020年7月29日(水)
昼の産卵

 ウミガメは夜に産卵することはよく知られている。 しかし、珍しく前日28日の昼11:30頃に産卵があったらしい。 これまでに各地であった昼の産卵は聞いてはいたが、吹上浜では初めて聞いた。 この写真が現場だ。 産卵時の写真が手に入らなくて証明はできないが、信憑性は高い。

2020年7月24日(金)
道作り

 数日前に浜に出る道を草刈りしていた。 今朝は、道を利用する人が少なくなり、草が茂って歩きづらくなった道を一人で改善している。
 ここは「志後道」の呼称がある。 当方の勝手な解釈で、志の後に道ができる、と解釈している。

2020年7月22日(水)
アサタビ

 テレビ画面に「朝のウミガメ」がチラッと登場するかもしれない。 NHK総合の「アサタビ」の収録の一部が、今朝、吹上浜でロケがあった。 南さつま市と日置市を結ぶ「吹上浜サイクリングロード」をゲストが訪ねる紀行番組で、ウミガメの話題も少しあるらしい。 放送は8月29日(土) 7:35〜8:00

2020年7月12日(日)
ゴミを乗り越えて

 昨夜は4頭がゴミを乗り越えて上陸し、ゴミを掻き分けて産卵した。 写真の1頭は、右上から上陸し、手前に産卵後、左上に帰海した足跡が見える。 
 ウミガメにとって、ゴミは大きな障害ではない。 ほとんどの卵がキツネなどに遣られる獣害が大問題で、次が砂浜が狭くなることである。

2020年7月6日(月)
ゴミ堤防

 川から流れ出た大量の竹などのゴミが堤防を作った。 大潮の大波を和らげ遡上を止めている。 河口に近いここのエリアは、ゴミ堤防のお陰でウミガメの産卵に適した砂浜が保たれている。 他のエリアでは、大潮の大波で砂浜が流失した所もある。 ゴミ堤防効果は一時だ。 今頃になると砂浜が狭くなるのは、毎年の自然の営みだ。 潮位も秋に向かって高くなる。

2020年7月3日(金)
グンバイヒルガオ


 万ノ瀬河口北岸にグンバイヒルガオが咲いた。
 昨年からこの地は咲き出した。 昨年気付いたのは7月16日だったので、早く感じる。 4km北の京田海岸ではまだ咲いていない。  ハマヒルガオは最近まで咲いていたような気もする。 花は似ているが葉がまったく違う形だ。 ハマヒルガオはヒルガオ属でグンバイヒルガオはサツマイモ属になる。

2020年6月26日(金)
見返り

 靴跡がないので忌避トラックではない。 稀に見かける、産卵地を気にしたと思われる見返りトラックだ。 写真右の段差を越え、斜面に産卵した。
 調査をしていると、釣人が「どうしたの
」と問うてきた。 ウミガメの話をすると「これそうなの、気付かなかった」。 キス釣りのポイントしか見えなかったようだ。

2020年6月21日(日)
ロングトラック

 6月8日に記録的高い段差越えの話題だったが、今朝は横移動の記録的軌跡があった。 渚沿いに数十メートルの移動はよく記録しているが、今朝のは250メートル程だった。 大潮満潮で冠水するラインだけに軌跡はあった。 そして冠水地に産卵。 珍しいタイプだ。 殆どのウミガメが冠水しない砂地に産卵地を探している。 

2020年6月20日(土)
理想の産卵地

 12月15日にお伝えした堆砂垣の所に産卵した。 写真中央に堆砂垣の残骸が見られる。 1年前は浜が狭くなっていたが、堆砂で広くなった。 草地や古い砂地だとフ化率が低下するが、新しい堆砂は理想的だ。 浜全体が産卵適地になることは、全国的な砂浜減少問題にも良い話になる。 堆砂垣が貢献したわけではないが、来冬も堆砂について模索してみたい。

2020年6月16日(火)
川から

 雨が多く降ると、河口近くの満潮線に大量のゴミが漂着する。 特に梅雨時は例年だ。 川の上流から流れてきた竹木や葉など、草もある。 60年程昔、川の堤防の草は家畜の貴重な餌として、場所を割り当てて草刈りをしていた。 今は刈られて放置された草が海に流れているようだ。
 ゴミは数日のうちに、大波か大潮の高潮位で流されて元のきれいな砂浜になる。

2020年6月8日(月)
たくましい

 波で造られた100cm程の段差を、乗り越えて産卵していた。 これまでの記録を書き換える挑戦だった。 記憶では70cmの段差が最高だった。 昨日は別な個体が、20m北の写真左上に見える50cmの段差に、2回挑戦したが諦めていた。

2020年6月6日(土)
シロチドリの偽傷行動

 シロチドリが当方を巣から遠ざけようと、弱っているから捕えられるよとばかりに激しく羽ばたいている。  命がけで卵を守る儀傷行動だ。 夜、砂浜を歩くと鳥の声がするときは近くに巣があると考えられる。 ウミガメ産卵地と重なる砂浜に同化した3個を抱卵している。 夜、ウミガメ産卵地を歩いて踏み割っていることもある。 7月まで産卵期だ。 環境省レッドリストで出水平野のマナヅルと同じ絶滅危惧U類(VU)。

2020年5月28日(木)
ハマヒルガオの色

 ハマヒルガオの色は薄いピンクの桜色、となんとなく思っていた。  最近になって白っぽい色と、思っていたよりもかなり濃紅色の群落があることを意識した。 左の写真は紫っぽいが、実物はもっと紅色だった。

2020年5月22日(金)
ブト

 痛痒くてヒスの初体験。 蚊よりも痛いブト(ブヨ)の大群が産卵巣の周辺を舞っている。 近寄りたくないが、キツネは掘っているし適地でもない。 3巣続けて翌朝までに獣害全滅したし、今夜は確実に全滅が予想される。 しょうがない突撃。
数えてみると20数カ所赤く腫れていた。 自嘲。 ブト対策はしていたが甘かった。 明日からは完全武装だ。

2020年5月12日(火)
獣害

 昨日初産卵された巣がキツネなどで全滅した。 昨日は道具を忘れて卵確認の記録作業はしなかった。
 23年前に8月初旬から突然に始まった獣害は、徐々に時期が早くなってきた。 ついに、今年は初産卵の巣が全滅の事態になった。

 より自然に子ガメの旅立ちまで見守ることは労が増え、工夫も大変だ。 夜には難しく、朝の活動になる。 関係者には野生動物間の問題には関与しない意見が強い。

2020年5月11日(月)
ヒジキ

 春の風物詩といえる、ヒジキの大量漂着が遅ればせながらあった。 今年は、見逃したのか漂着がなかったのか、いずれかと思っていたが、春ではなく初夏になった。
 陸上の春は、海中では秋らしい。 陸上と違う季節感があるのだろう。
海流の影響はよく知られているが、陸上と海中の季節の関係性はどれほどのものだろう。

2020年5月10日(日)
初上陸

 今年は遅いかなと思っていたが例年通りといえるかも。 初上陸は馴染みのベタ子だった。 この個体は、特有のベタっと這った跡を残すので早くに名付けた。 上陸も独特で北から上陸する。 かつ、汀線と平行に南下した足跡を残す。 不正確だが3年ぶりだと思う。 産卵には及ばなかった。
 もし、似たような足跡を見かけたら教えていただけると嬉しい。 興味深い考察ができるかもしれない。 足跡全体の幅は約100cmです。

2020年5月4日(月)
見ごろハマヒルガオ

 ハマヒルガオが見ごろになってきた。 当ページ3月28日記事の開花は特別だったようだ。 季節感にして、まだ一分ほど花びらが残っている染井吉野も異例な春だった。
 渚を3kmほど走る5〜6人はクラブ活動の朝練だろうか? 新コロナは浜に気付かせたのか、初めての風景だ。

2020年4月30日(木)
巾器

 毎年、100m毎の印を再生している。  20年ほど前と位置の変化を少なく努めている。 始め歩測で測っていたが、廃傘を利用した巾器を手作りしてから、作業が楽になった。 超アナログだが、一人作業、コストなど気に入っている。

 中央に当方の直線の足跡と、右端の堆砂上に狐の足跡が並んだ。

2020年4月25日(土)
堆砂が少ない

 このエリアは、今冬の堆砂が少なかった。
冬から春の北西風は、低潮
期で露出の多い砂を吹き飛ばし、内陸側に吹き寄せる。 しかし、全体的にとは限らない。 時と場所で差がある。

2020年4月15日(水)
堆砂

 ここは、2.5m程の浜崖になっていた。 当ページ12月15日記事の写真に見られる場所だ。 思ったよりも堆砂が進んだ。 部分的で小規模ではあるが、斜面が復活した。

2020年4月8日(水)
新川

 万ノ瀬河口南岸は小字で新川と呼ばれる。 由来は、3km南にあった河口が、1802年に大水で新しい河口ができたことから新川となった。
 自転車と人の為のサンセットブリッジや、コーヒーショップもあり、砂浜にも出られる。 吹上浜海浜公園に隣接しており、ドライブで気軽にリフレッシュを楽しめる。

2020年3月28日(土)
ハマヒルガオ

 ハマヒルガオが咲いている。   コウボウムギとツーショットだ。 今の時期にハマヒルガオの開花は、すこし早いかな。
 今年の染井吉野は遅く、昨日開花を確認した。  天気予報によると、東京の染井吉野は散り始めたこの季節に、明日は積雪注意予報らしい。 季節の感覚が混乱する。

2020年3月20日(金)
防風ネット

 前砂丘を風食から守れるか、防風ネットを2回やり直して1ヶ月程だが試すことができた。 堆砂が進んだのは確認できるが、強風が造る窪みと崖面を観察すると、確実に効果を得たとは言い難い。
 北西風は4月になると弱くなり南風に変わるので、防風ネットは取り外すとしよう。

2020年3月13日(金)
相星河口

 吹上砂丘南部にある相星河口は、万ノ瀬河口の3km南にある。 16年前に北岸に砂を盛り突堤を造った。 今、北岸は後退し、南岸の堆砂が卓越する。
 万ノ瀬河口北岸の浜崖が後退している現象も、風と波の影響が同根かと考察する。

2020年3月7日(土)
広いままの前浜

 万ノ瀬河口南400m付近のここは、草が根付いているが10年ほど前は干潮帯だった。 5年程前をピークに前浜が発達し広くなったが、細くなりだした。 10年前に比べると、まだかなり広い。 浜の変化は多様な要素がからみ、読み解くのは難解だ。 故に面白い。

2020年2月28日(金)
砂丘

 毎年、春の砂丘を記録している。 その中でお気に入りのひとつを紹介しよう。
ここは、飛砂による変化が大きい砂丘だ。 風で運ばれた粒子の小さな砂が、柔らかな曲線をフワリと描いている。 松原の上に、金峰山が鎮座する風景も眺めていると爽快な気持ちになる。

2020年2月21日(金)
貝殻

 貝殻がいっぱい広がっている。 いつもはゴミが多い汀線に貝殻が広がる風景は、意外と新鮮だ。 心地よい。
直近の汀線は、濃茶色のもっと海側になる。
 低潮期の今、西風が吹いて浜崖の下に砂を運んでくれると、ウミガメの産卵に適した前浜が広がるのだが。
 波との兼ね合いもある。

2020年2月13日(木)
砂紋

 広くはないが、砂紋ができた。 起伏は割と低い。
強風で荒れた砂面が広がる中で、ホッと和む。

 密生していた枯草の隙間が飛砂を捉え、風下に砂盛が発生した。

2020年2月4日(火)
飛砂実験

 昨朝、プラスチック容器の風上方向に、風による窪みができていた。 その風上にイカの骨を立ててみた。 風力4程だったが結果が現れた。 イカの骨は風上に対して少し反っていたので中央に少し厚く積もった。 風の強さで違った結果になると思われるが、思いのほか分かり易い結果だった。

2020年2月1日(土)
貝採り
 貝堀りにもいろんなスタイルがある。 クマデやジョレンで砂を掘り起こすなどが多い。 こちらのお方は少し違って、貝の居る穴を探して採っている。 皆が欲しがっているオキアサリだ。 当方も別なお方に教わったがまだ実行していない。 
2020年1月25日(土)
風食

 前砂丘が2mほど後退している。 北西の強い季節風を受ける面が風食で削られた。 その面の直下は舞った風が穴を作った。 ここは1年前から気に掛けていて、篠竹などを使い少しの堆砂策を試みたが効果のほどは期待に応えてくれなかった。。
 前砂丘の保全を思い、策を練るが飛砂の動きは思ったより複雑で難しい。

2020年1月14日(火)
カワウ

 カワウが干潟で数百羽ほど群れている。 海で見かけるから、鵜飼で知られるウミウと思いきや、クチバシ根元の黄色い裸出部の形状が違うことからカワウと分かった。 同定するのに長い日数を要した。 吹上浜では冬鳥で、冬の風物詩のひとつだ。
 1970年代には国内での生息数が少なくなったが、現在は昔の状態に回復したらしい。

2020年1月5日(日)
砂鉄

 「黒い砂浜は流出油のせい?」と京都在住のM君が問うた。 確かにそうも見えるが砂鉄だ。 新鮮な視線を気付かされた。
 南さつま市の山間部には鉄山の地名があり、昔は砂浜の砂鉄を炭の豊富な鉄山まで運び製鉄した。 吹上浜よりも、薩摩半島南端の一部海岸では砂鉄が多く、黒い砂浜をイメージする。
 砂鉄を材料とする、たたら製鉄は古代から江戸時代まで一般的な製鉄の手段だった。

2020年1月2日(木)
クロツラヘラサギ

 陽がさんさんと、風もなく穏やかな正月だ。
 万ノ瀬河口ではクロツラヘラサギが、朝日を浴びながら摂餌中。 世界中で3000羽ほどしか生息しないと言われる珍鳥だ。 東アジアのみで生息し絶滅危惧種になっている。
万ノ瀬河口では20数年ほど前に話題になり、当時は世界中で300羽ほどと報道された。 朝鮮半島北部付近で繁殖し、九州南部からベトナム付近で越冬するらしい。

2019年12月23日(月)
カツオドリ

 カツオドリが空中から急降下して、海面に突っ込んでいる。 海面近くにいる魚を摂餌中だ。 7羽ほどだろうか。
渚を歩いていると、時々海面が他と違って波立つのを見ることがある。 魚が海面近くで、なむら(魚群、なぶら)を成している。 渚で釣りをする人もそれに関心をもっているようだ。

2019年12月15日(日)
堆砂垣

 篠竹を挿すだけの手軽な方法で堆砂垣を試してみた。 始めは150cmで下半分は笹のないスカスカにしたら、やはり影響はなかった。 笹を75cmの高さに低く挿しなおしたら2週間で50cmほど堆砂した。 北西の強風は少なかった。 笹は2か月ほどでなくなるので効果は短期間になる。 

2019年12月8日(日)
初霜
 今朝は2.5度。 うっすらと初霜が降りた。
海岸線に接する前浜丘の斜面は日陰なので、霜で白いかと思ったが全く見当たらない。 海水温の影響だろう。

 ここ万ノ瀬河口の北岸は20年程まえには河の一部になった。 自然に再生して安定しているかに見える。
2019年11月30日(土)
貝堀り

 寒そうだ。  一年中、貝堀りはしている。
昔は大勢の人が貝堀りを楽しんでいた。  家族総出で数キロ歩いて浜に行くのは楽しみの一つだった。
大きくて4cmほどのオキアサリが少なくなり、足が遠のいた。 今は小さなナミノコガイを採る人が多い。
アキアサリは少しだけ個店で流通している。

2019年11月21日(木)
飛砂

 北西風が強い季節になった。 飛砂が漂着した竹の根の塊の風下に堆砂している。 少し先にもある。
冬になると海水面が低くなる。 前浜は少し広くなり強い北西風が飛砂を前砂丘のフロントに供給する。

 前浜に堆砂垣を作ると前浜が広くなると思うのだが。

ウミガメの産卵地減少を助け、砂丘と砂浜の保全になる。

2019年11月16日(土)
蜃気楼

 一段と寒くなってきた。 今朝の気温は5℃、海面温度は22℃ほど。
温度差が大きいせいで、蜃気楼の浮島現象が分かりやすい。 左の久多島は12km、奥の甑島までは57kmほどの距離だ。

2019年11月6日(水)
気嵐
 海面に水蒸気が湯気のように揺らいでいる。 気嵐(けあらし)だ。
気温は10℃、海水温は23℃ほどか。 気象用語では蒸気霧で、気温より海水温が低い無風の時に見られる。 朝日が海面を照らし気温が上がると消える。

 明後日は立冬。
2019年10月30日(水)
流木

 木にとまっているトビの前を、獣が。

細いのと大きな2本の流木が創り出した。
2019年10月20日(日)
北向き川

 日置市日吉町の大川より2.8km北にあるこの短い川は興味深い。 それは当方が毎年秋に観察する吹上浜24kmで、唯一流れが北に向かっていたことだ。 写真中央に見えるテトラなどでショートカットされたが、再び北向きになった。
 海浜植生に覆われ、北に伸びていた前砂丘が失われている。 

2019年10月14日(月)
護岸

 永吉海岸の不織布と栗石の護岸は砂が減少していた。(当ページの昨年10月20日参照)
 不織布護岸より海側下層の砂に埋もれていた大きな化学繊維製護岸が露出した。
 このエリアの砂浜減少は固定物があるので分かりやすかったのか、他の砂浜では感じられなかった。 永吉河口も減少はなかった。

2019年10月9日(水)
秋冷

 今朝の気温は12度。 昨日まで19度もあったが20数度の日がほとんどだったので残暑のイメージだった。
雲一つない秋空で放射冷却のせいもあるのか。  明日からウインドブレーカーを着たほうがいいかも。
 風邪には気を付けよう。

 ウミガメの掘出し調査はほぼ終わった。 今年の産卵は68巣と少なかった。

2019年10月3日(木)
救出

 砂の中から子ガメの半身出ているが動きがない。 
首に枯草が絡まっていた。 枯草を解いてやると、すぐに動き出した。
 脱出は一匹だけだったのか、雨痕で他の子ガメの足跡は観察できなかった。数日は観察したのち掘出そう。 この巣も獣害防具で守ってきた。 今年の最後の旅立ちの巣になるだろう。
 寂しくもある。

2019年9月28日(土)
一匹の旅立ち

 毎朝気にしていた巣から、一匹だけの足跡が渚に向かっていた。  カニ穴からの脱出だった。 穴の周囲は砂が固くて足跡は残らず、横たわった竹の付近から足跡がクッキリ。 1ヵ月前に獣害に遇い防具を設置していた。 掘ってみると、巣の底が80cmで深かった。 30cm程堆砂していた。 フ化して間もなく冠水で水分が多くなり、ほとんど息絶えたようだ。 運のよい一匹だけが、厚い砂の層を時間を掛けカニの穴から脱出した。

2019年9月23日(月)
台風17号

 台風17号は東シナ海を北上した。 台風の度に侵食を心配するが、砂浜の変化は少なかった。 小潮だったので潮位が低く、波も大きくはなかったようだ。  むしろ、低潮位帯の砂が満潮線付近に波によって運ばれた。 前の台風10号で高くなった段差が少し低くなっている。  潮位が高くなる秋に、波による堆砂は意外な気もする。

2019年9月21日(土)
ベストタイミング

 昨夜に旅立った痕があるかな。 掘出ししようかなと近寄って観察していると、突然子ガメの脱出が始まりだした。 まさにベストトタイミングだった。 滅多にないことだ。
 以前には、砂面に数匹の子ガメが露出していても10分以上も動かなかったこともあった。 今回は露出してすぐに渚に向かった。 この巣も獣害に遭い、数回アタックされるも獣害防具で守ってきた。 31匹の子ガメがパワフルに渚に向かった。
  (Photo by Imai Masaru)

2019年9月15日(日)
釣人

 京田海岸が久し振りに釣人で賑わっている。 昨日まで潮のタイミングで一人二人いるぐらいだった。 9月になるとキスが釣れるシーズンらしい。  一投で数匹が連なってあがっている。
 当方は中学生の頃、車竿とよんでいた竹竿の手元に真鍮製の巻車がある投げ竿で釣れなかった思い出がある。

2019年9月10日(火)
振り返った夏

 暑さがぶり返してきた。好天が続きそうだ。
水面を時々跳ねるのはボラだろうか。
穏やかな海と雲をゆったりと楽しむ余裕がでてきた。
 毎朝、浜を楽しめるのも幸福のひとつか。 ウミガメに感謝。

2019年9月7日(土)
掘出し

 まだ子ガメが残っているだろう。 と思いながら掘出してみると2匹しかいない。 写真のごとく子ガメの足跡は数日前に確認していた。 その足跡は移植した数よりかなり少なかった。  毎朝の観察で、子ガメの足跡を見逃したようだ。
原因は雨だ。 脱出前に雨が降ると砂面が固くなり痕が残らない。 脱出後に降ると雨粒で痕が消える。
 子ガメの脱出が始まってから雨が多く、他の巣でも同様な結果が見られる。

2019年8月28日(水)
楽しかった


 砂浜に梯子を置き、竹につるしたプラスチック玉。 半円に埋めた輪の隣には大きな発泡スチロール玉。

アートを楽しんだのかな?

2019年8月24日(土)
キツネ

 2匹のキツネが駆けていく。 毎朝、浜で何かを求めて活動しているのは当方と同じで目的が違うだけだ。
 キツネの足跡に疑問があったが納得した。 書物で見るそれとは限らない。

 今季のキツネによる獣害は、獣害予防具を設置した巣を除いて90パーセントほどになる。
 産卵箇所数が少ないことも関係するが、早くから始まり多くなったように感じる。

2019年8月18日(日)
観察会

 加世田小学校の観察会は185名ほど集まった。 砂中温度の予想外の変化に、子ガメの数を心配したが、精一杯の工夫はまずまずの結果だった。
 相変わらず解説や案内を、うまく伝えるのは難しい。 毎回のことだが、あれもこれも思うのは無理なことかもしれない。

2019年8月16日(金)
台風10号

 台風10号の影響は意外に受けた。 進路が日向灘沖で最大風速30kmではゼロだろうと思っていた。 油断は禁物。 大潮と強い西風で潮位が高くなったようだ。
 移植していた卵が3箇所流失した。 局所的な浜崖の崩落だった。 移植場所の選択は難しい。 内陸に寄りすぎると、猪の獣害を受けるし草根の害がある。 渚に近いと高潮で流失する。 適当な浜は狭い。

2019年8月11日(日)
シャワートラック

 1年振りのきれいなシャワートラック。 観察会の為にデータを照らし合わせ、現場の様子を観察し悶々としていた。 一気にごきげんになる。 今年は獣害が多く、獣害予防具などで守った巣を除いて数えると、90%ほどの巣が獣害を受けた。 そんななか、この巣は自然なままで見事に多くの子ガメが旅立った。 ことさら嬉しい。 

2019年8月2日(金)

 獣害後防具を設置しなかった巣が2回目の獣害に。 発生途中の胚が4個残っていた。 昨年の記録と比較すると発生が遅いようだ。 今年の7月は昨年より砂中温度が低く、遅くなることは予想していた。 しかし、最近は累積温度が持ち直してきた。 孵化日を予想するのは天気次第だ。

2019年7月31日(水)
見逃し

 獣害で卵の殻が散乱している。 データを調べると産卵巣の記録がない。 未産卵で帰海の観察ミスと思ったが写真などで考察すると、10mほど場所が違う。
 結局、雨と風もあった6月30日〜7月3日の間で見逃したと分かった。 雨の日は観察が散漫になり、ウミガメの足跡も見にくい。 そのつもりで気を付けていたが反省。

2019年7月24日(水)
狭い浜

 産卵に適した砂浜が狭い。 砂浜の変化は自然の営みだが、今年は際立って浜崖に突き当たり産卵を諦めたウミガメの足跡が多い。 昨夜のウミガメは浜崖の近くに産卵した。 波に洗われる可能性は高い。
 産卵に適した広い砂浜は砂丘の保全にも通ずる。

2019年7月22日(月)
池出現

 吹上区のオガワの浜で排水路ができて水が流れていた。 内陸まで進むと、池になっている。
吹上浜では、渚に面した前砂丘の後背地は低地になっている。 10年以上前までは松林が繁殖していたが、最近は大雨が降ると帯水するようになり松も枯れた。

2019年7月16日(火)
グンバイヒルガオ

 グンバイヒルガオが咲いた。 万ノ瀬河口の砂地に咲いているのは初めてだと思う。 5km北に位置する京田海岸には毎年咲く。 流れ着いた種子が根付いたのだろう。  開花に気付いたのは昨年より4日遅い。

2019年7月12日(金)
浜崖に

 ウミガメが、10数mほどの高い浜崖の途中まで登っていた。
斜面を器用に広げ、水平な棚地を作り産卵した。
久し振りに、たくましい母ガメの産卵跡を見た。
 この場所は南北(渚線)10m内で3回産卵している。
周期や足跡などのデータをひもとくと、同個体と考えてもいいだろう。

2019年7月7日(日)
道中に巣

 砂浜が少なくなり、浜崖になった京田浜。  浜に出入りし易いように篤志家が砂袋を置いた。 ウミガメはそこを利用して砂丘の上まで上がった。 そして人の踏み跡で砂地になった道中に産卵した。 そこは掘り辛かったようで浅かった。 夜のうちにキツネが掘り返していた。

2019年7月4日(木)
濁水

 大雨洪水警報がでている。 河からの濁った水が海に広がって茶色になった。 通常は万ノ瀬河口近くだけだが、今朝は金峰区5km全域でほとんど透明度がない。
 しかし、昨夜ウミガメは上陸し産卵した。 元々暗い夜に上陸するが、濁水中の視界はゼロに等しい。 視覚以外の高感度な情報とは? 
 過去にはほぼ同地点に周期で3回産卵の個体記録がある。

2019年6月28日(金)

 連日の雨。 天気予報によると、1週間以上続くようだ。  例年7月上旬までは続く。  ウミガメの上陸に雨は無関係だが、人間には大変だ。 ビショビショ ジャリジャリのなかで、カメラや記帳など濡らさないように気遣いながら作業し、獣害防具設置は困難だ。 しかし、今朝は風が弱くなった時に頑張って設置した。

2019年6月20日(木)
イノシシ

  イノシシの摂餌の跡だ。 産卵したウミガメの軌跡(黄色線)以外、昨夜の満潮線(青色線)に連なるイノシシが掘り返した跡が脅威だ。 昨夜はウミガメが上陸する前だった。  今日で3日目、増えなければよいが。 3年前に問題解決と思っていたが、昨年は不意に2巣がやられた。 獣害処理も多忙なのに、イノシシ対策には手が回らない。 それでも観察会用は確保したいが。

2019年6月10日(月)
どうした?
上陸をやめて引きずった跡がある。
誰かが持ち去ろうとしたのか? そんなことも考えてみた。
よく観察すると、ロープの塊が近くにあったことから、ロープが絡まって歩行困難になり引き返したことが考えられた。
その後ロープは、波で解かれ近くに置き去りになった。
2019年6月5日(水)
シロチドリ

 近くにシロチドリの巣があるようだ。 弱ってすぐに捉えられるかのような仕草をしながら、当方を巣から遠ざけようと誘導する。 卵を守ろうとする偽障行動だ。 迷彩色の卵は砂面に3個ほど置いてあるだけだ。 明るい時でも巣を探し当てるのは難しいが、夜に浜を歩くときには不可能だ。 ピロッ ピロツと聞こえたら気を付けたい。 5月から7月まで、シロチドリの繁殖時期で抱卵する。 環境庁の全滅危惧U類(VU)

2019年6月1日(土)
獣害

 今年2巣目の獣害だ。 3日前に産卵された巣で、高い浜崖の下段に、ウミガメがようやく収まる不安定な場所だった。
キツネか犬と思われる。
産卵された半数ほど残された62個の卵は別な砂浜に移植した。 今朝対策をしないと、今夜のうちに全滅する。

2019年5月28日(火)
一安心

 上陸数が少ない。 産卵の割合も。 今年は早くから上陸を待っていたせいか、ネガティブになっていた。
近年は減少傾向なので、今年は少ない年になるのだろう。

と思っていたら今朝は10ヵ所の上陸跡があった。
一気に元気が出てきた。

2019年5月20日(月)
フリル

 砂山の裾に黒いフリルような模様が浮かんだ。
雨の水分で砂鉄の黒色が鮮やかに浮き出たものだ。 砂が乾燥しているときは気付きにくい。
 この斜面の砂は、活発に飛砂の吹き上がりと滑落をしている。  比重の重い砂鉄が低部に層をなした。


 風と雨が作る造形だ。

2019年5月11日(土)
上陸

 昨日のウミガメの初上陸は思ったより時期的に遅かった。 甑島海峡の海水面温度が、例年より高めの情報などを目にし、早くから期待していた。
 昨日は産卵に至らなかった。 今朝の上陸足跡は同個体と思えたので産卵を期待したが、なぜか産卵しなかった。 砂中温度は大丈夫だし、適地に思えるところなのに。 草地まで適地を探した足跡があった。

2019年4月22日(月)
ハマヒルガオ

 ハマヒルガオが咲き始めた。
ここ10年間の開花時期を調べてみると、10日程の差がある。
 今年のソメイヨシノは遅かったが、ハマヒルガオは早めの開花になった。

2019年4月19日(金)
谷が埋まった

 ふと気づいた。 ここは谷だったのでは。
過去の写真を見返してみると、イメージにあった谷のような窪地を、5年以前の写真で確認できた。 いつの間にか、風による堆砂で徐々に谷が埋まった。 さらに15年間の堆砂により、前砂丘が発達していたことも分かった。
 前砂丘は風の影響で風食と堆砂で変化する。

2019年4月11日(木)
ヒジキ

 ヒジキが大量に漂着している。 春になり岩礁から離れたヒジキが、北西の風で流されてきた。 金峰区周辺は沖まで岩礁はないので、北から西の方向にある遠い岩礁海岸からだろう。 ミネラルを多く含む海藻は、浜の微生物の栄養源となる。
 農地の肥料ともなり、諸外国でも利用されているらしい。

2019年4月1日(月)
堆砂の層

 風による前砂丘の変化で、過去の堆砂した層が交差して現れた(黄色線で表現)。  水平な層は古くて150年ほど前。 斜交する層はその後の層で、当方の記録から10数年ほど前から堆砂したと思われる。
 2kmほど内陸にある古砂丘の生成は1000年以上になるが、現在の海に接する前砂丘は,以外と近年のものだ。

2019年3月25日(月)
鉄管

 数日前の一時的に潮位が高くなる副振動の影響は、大潮と重なり大きかったようだ。 枕崎で振幅が110cmだったらしい。 南さつま市の吹上浜でも、高潮で砂浜が少し後退した。

 8カ月前に堆砂で埋没していた鉄管が30cmほど頭を出した。

2019年3月23日(土)
コウボウムギ

 砂浜では、いつの間にやらコウボウムギの穂が目立っている。 春本番の到来だ。
ここ、万ノ瀬河口南部近辺は、ここ10年程で前浜が発達してきた。 新鮮な砂浜は砂丘植生の群落を多く観察できる。


 今冬は暖冬でソメイヨシノは遅く、まだ数か所で開花したばかりだ。

2019年3月9日(土)
草の前砂丘

 前砂丘は標高が高い所は10m以上ある。 北西の強い季節風でも、浜崖の地形や風の強さなどで飛砂が前砂丘の上まで目立つほど上がらない所も多い。
 このエリアは、飛砂が前砂丘の上まで吹き上がらなかった。 以前は見られたお餅のようなふんわりとした砂盛を今年は見られない。
10年前より草が繁殖し、露だった砂地が少なくなったようだ。
 草は飛砂を防ぎ、砂丘の固定に一役担う。

2019年3月1日(金)
前砂丘

 昨日、浜でコウボウムギの穂が出ていた。 天気の週間予報も悪そうで、春の前砂丘記録を少し急がなければ。 芽吹きが目立つと砂丘らしい記録が見劣りする。
砂丘鉢開口部の変化に関心が向いていた。

 写真のように砂丘らしい風景は限られるが、ここのエリアは飛砂の跡がよく観察できる。

2019年2月23日(土)
またクジラ

 2月15日に1頭のマッコウクジラが小湊に漂着。 21日に2頭が小浦に。
2年前にも6頭が漂着している。 20〜30年前は珍しかったが、近年そうでもなくなった。
 殆んどの漂着は、52km程の吹上浜でも、南部になる南さつま市の12km程に限られる(地図の赤いライン)。 南部は遠浅で潮間帯が広い。
 2002年の14頭を最多に、以後16年間に6回延べ15頭以上が漂着した(日置市小野浜1頭は除外)。

 クジラ解体用の古い民具も残っているようで、昔から恩恵を受けていたらしい。

2019年2月15日(金)
オス

 潮の引いた渚近くにオスが伏せている。
アカウミガメのオスは砂浜に上陸することはない。
メスだけが危険を冒して産卵に上陸する。 浜でのウミガメ観察はメスだけなので、生殖器の収まった大きな尾を見ると違和感を感じる。
 数時間前までは動けたようで、頭部前と尾部後には砂を掻いた後がある。 記録を終えてふと見ると、尾の先から鮮血が少しづつ流れ水面に筋を作った。
 左後背甲にはかじられた古い傷があり、曲甲長90cmだった。

2019年2月7日(木)
カタクチイワシ

 渚に出ると小魚がいっぱい漂着している。 カタクチイワシだ。 まだ元気よく跳ねているのもいる。 渚沿いに進むと1.5km以上続いていた。 近くで釣りをしていた青年と話すと、昨日はブリが釣れて、今朝は一投から掛かったらしい。 声が弾んでいる。 波間に30cmほどの魚影も見えることなどから考えると、より大きな魚から逃れた先が渚になったようだ。 ちなみにカタクチイワシの和名は、口が頭の片側に寄っていることが由来らしい。 アオサギなど大型の野鳥も今朝は多い

2019年1月25日(金)
きれいなゴミ

 胡蝶蘭を浜に置いてある。 造花だが意外な置物がきれいだ。 ここは、浜への下り口から1kmほど離れているので、浜まで捨てに来たとは思えない。 漂着していたものを情緒の持ち主が置いたものだろう。 失われた花弁も多いが、波に揉まれたのに、まだきれいな状態は驚きだ。

2019年1月14日(月)
気嵐(けあらし)

 浜の気温は3.5℃。 予想したより低かった。 海水温度は17℃前後と思える。 気嵐(蒸気霧)は風呂の湯気と原理は同じで、比較的に暖かい海水面の空気が冷やされて水蒸気になる。 陽が差すまでしか見られない。 
南の加世田区より北の吹上区が顕著だ。

2019年1月6日(日)
河口
 サンセットブリッジの下に万ノ瀬河口が広がる。 その先は東シナ海で、甑島も見える。
 この地は、ハマボウ群落地への入り口だ。 カニの一種であるハクセンシオマネキも含め、干潟生物群集地として
国の天然記念物になっている。 古い堤防が整備されて歩けるようになっている。
2019年1月1日(火)
両亀石

 金峰町尾下麓に島津家第15代島津貴久を祀る亀ヶ城神社がある。 小さな社の傍らには、石垣で囲い自然石で2匹の亀を表した両亀石がある。 それは貴久誕生にまつわる伝説を今に伝えている。
貴久の父、忠義(日新公)は伊作亀丸城で生誕し、ここで阿多、田布施を統治。 のちに加世田の別府城に進出した。
 島津家は亀を吉兆としていたのだろう

2018年12月22日(土)
浜が発達

 上ノ山海岸の鉄管が埋まった浜(当ページ7月20日)が、さらに漂砂が堆砂して浜が広くなった。 大潮満潮でも写真のように安定を増してきた。 初冬の頃までは浸食するかと思ったが逆に堆砂した。 来年の初夏まではさらに期待できる。

2018年12月14日(金)
羽毛

 砂浜でなにか転がっている。 蚕が作るマユのように見えた。
風はわずかに感じるほどで、他に動いている物はない。
追いかけて手に取ってみると鳥の羽毛だった。
掌に置き観察すると、なぜか丸まってフワッとした感触は心地よい。

2018年12月1日(土)
ウミガメ?

 ウミガメの上陸足跡か?
今の季節にウミガメが上陸するとは、初めてみるトピックスになるかと色めき立って近づいてみると、違った。
貝掘りの人が砂面にお尻を置き、ずり進みながら貝掘りした跡だった。

貝掘りの人は一年を通して浜を楽しんでいる。

2018年11月25日(日)
浜が狭くなった

 万ノ瀬河口から700m以南の砂浜が狭くなった。
2009年頃も狭くなっていたが、それから自然な堆砂で広くなり始め、20〜30mほど広がった。 4年程前をピークに再び狭くなってきた。

2018年11月16日(金)
山太郎ガニ

 山太郎ガ二とは当地の方言で、モクズガニのことだ。
今の季節、繁殖の為に川から海に下ってくる。 川と海を回遊する魚類などは多い。
ここの浜は万ノ瀬河口より2.5kmほど北だ。 河口から遠いように思ったがそれが生態なのだろう。
まだ生きていて泡を少し吹いている。 鳥に脚をついばまれたのか周囲に鳥の足跡がある。

2018年11月12日(月)
埋まった

 井筒は埋まった。 露出していた井筒は漂砂の動きでまったくわからなくなった。 位置は把握しているので分からなくなることはない。
一日で変化するので、浜によく出る多くの人でも知る人は稀だ。

2018年11月3日(土)
井筒

 井筒が現れた。 潮間帯にある、古い井筒が4年振りに露出したものだ。 
2001年に初めて気付き、おおよそ5年毎に露出したのを記録してきた。
 今回は2001年よりも露出は少ない。
 養殖事業に供されたと聞くが、まだ情報が少ない。
 砂浜の変化に興味を持つときに、興味深い対象のひとつだ。

2018年10月30日(火)
カワウ

 カワウの群が南下してきた。 数十羽の群が次々と5群ほど。 越冬に南下してきたと思われる。 大群の越冬飛来は初めて遭遇した。 冬の間は、早朝に万ノ瀬河口奥のねぐらから南に北に採餌に向かって群をなして飛んで行く。
冬の始まりだ。

2018年10月20日(土)
護岸
 永吉河口の北の浜に3年前施工された護岸に堆砂が進んでいた。 (当ページ2015年11月5日に掲載)
割栗石を黒い大きな網袋に入れた護岸は堆砂したが、不織布の護岸は堆砂していない。 
2018年10月16日(火)
アカミミガメ

 久しぶりにアカミミガメと思える足跡が一本あった。 足跡巾17cm。 気付くと砂浜1.5km間に10数本の足跡があった。 複数のそれは初めだ。 一匹か複数かは分からない。
 縁日などで売られているミドリガメの成体がアカミミガメだ。 要注意外来生物になっている。
 (2011月6月9日の記事に写真)

2018年10月12日(金)
蜃気楼

 気温13℃。 さすがにシャツ一枚では寒い。
沖に浮かぶ久多島が浮いて見える。
海面水温は25℃(気象庁)と暖かいので蜃気楼だ。

光は密度の高い冷気の方に進むので 浮島現象が起きた。 温度差が大きいと見られる
2018年10月2日(火)
ゴミの堆砂垣

 台風24号は面白いものを残してくれた。
漂着ゴミの長い丸太が前砂丘の切れ目幅にとどまった。 それに多くのゴミが引っかかり堆砂垣を作った。 写真下の海側からは、少し堆砂しているのを見れる。
 規模が小さいし低すぎるので効果は望めないが、試してみたいと思っていたので経過に興味をそそられる。

 当「浜日記」の本年5月5日の記事にした、砂浜減少対策を台風24号が一日にして具現化してくれた。
 当局者と冗談交じりで、ゴミ堆砂垣の話しをしたたことがあった。 まるで当方の望みを叶えてくれたかのようだ。
 自然は面白い。


     内陸側から     海側から
2018年9月24日(月)
救出

 一匹だけ子ガメが仰向けになっている。
仲間が旅立ったあと、窪みから這い上がろうと頑張ったが体を反せなかったようだ。 疲れたようで動かない。
ひっくり返してあげると、動き出した。 海の方向に惑っている。
暫くすると海に向かって歩き出した。

時々見かける。

2018年9月17日(月)
シャワートラック

 子ガメの足跡の多さと鮮明さで今年一番のシャワートラックだ。 いろんな角度からジックリ見渡してみる。

 今年はシャワートラックが例年に比べて随分多かった。 年によっては珍しい年もある。 気候のせいだろうか。
 脱出の他のメカニズムと関連して新たな興味がわいてくる。

2018年9月6日(木)
正の走光性

 写真の黄色丸印の巣から脱出していた。
巣の海側は少し小高くなっていたので、夜の海のほのかな明るさは見えなかった。 子ガメたちは内陸側の方が明るかったので内陸に向かった。 さ迷ったのち、反転、海に向かった。
 砂面に残る多くの足跡は、子ガメの「正の走光性」を表現していた。 1匹だけ、まださ迷っていたので渚まで運んだ。

2018年9月2日(日)
脱出

 昨日の雨でかなり見分けにくい2匹の子ガメの足跡を探っていくと、これから脱出が始まるタイミングだった。 数少ないチャンスだ。
今朝は時間はあるし、動画を撮るべくシュミレーションをし、待つこと30分。
瞬時に始まり50数匹があっという間に脱出した。 わずか1分30秒ほどだった。
 黄色〇印が、下にいる子ガメから押されるように、ゆっくり上昇する子ガメの一部だ。 全身が露になると一気に渚に向かう。

2018年8月26日(日)
「加世田小学校」観察会

 今年も190人程の多い観察者だった。
台風19号の余波が前日まで大きく、大潮満潮時に浜を安全に歩けるか心配したが、波は収まった。
 昨年は7匹だけだったが、今年は一人一匹づつ子ガメを観察できた。
 

 海には歓迎の虹のアーチがでた。 写真で見づらいのは残念。

2018年8月23日(木)
「南薩少年自然の家」観察会

 昨年は観察するべき子ガメが少なくて申し訳ない思いだった。
今年も母ガメの上陸数は108頭と少なかったので心配したが、まずは一人一匹づつ子ガメを観察できた。  もちろん、自然な子ガメの生態を大事にした上で、今年は理想的な形を妥協して工夫してみた。

2018年8月13日(月)
草払い

 京田海岸に出る浜道は草が茂り歩きづらくなっていた。

昔、お盆明けに帰省客など多くの人が浜に出ていた。  楽しみ方も多様になった現代は、浜に出る人は少なくなった。 通る人が少ないので、浜道は草が生い茂る。 浜に親しむ人が増えるのを願って、お盆前に草刈りをするようになった。 釣り人におだてられたのがまずい。
2018年8月9日(木)

 猪だ。 ガックリ。
3年前に問題になり、2年前に解決したと思っていた。

写真では分りにくいが、強力な鼻で卵室の底から掘り返している。 キツネやタヌキなどは獣害防具で防げるが、猪は手強い。 1回で巣が全滅するし、キツネなどに使う獣害防具が効かない。

2018年8月4日(土)
初脱出

 今年の初脱出は、いきなりシャワートラックだった。
初脱出は1匹とか数匹の子ガメが描いた少ない足跡を見ることが多い。

 今年は気温が高いので、昨年より早いかと思い毎日チェックしていたがそうでもなかった。
早い時期に産卵された卵の脱出日予想は難しい。

2018年7月30日(月)
3個体だった

 母ガメの上陸足跡で、個性的な後脚先欠損の個体を時々見かける。
 例年に比べて今年はよく見かけるので、写真やサイズ、産卵間隔などのデータを調べてみると1頭の個体だけではなく、3頭の個体が複数回上陸しているようだ。

2018年7月20日(金)
鉄管
 2017年12月10日に当ページでお伝えした 、露出していた鉄管が埋まった。 夏になり、南風が卓越風となることで次の冬まで埋まることはないと思っていた。 7月初旬の台風7号の影響は無関係で、6月になってから急に堆砂が始まった。
北からの沿岸流の影響だろうか。 自然の営みを理解するのは難しい。
 大潮満潮でも、歩けるようになった。

2018年7月14日(土)
タフ

 タフなウミガメの足跡だ。 砂丘谷の急峻な壁面を登っている。 ひっくり返りそうだ。
砂丘谷の奥まで進み、そこでも壁面に数回挑戦している。

 思い出した。 2014年7月4日の当ページに記載した、ウミガメと同じ場所で似たような状況だ。 同個体の可能性は考えられる。 

2018年7月12日(木)
グンバイヒルガオ

 グンバイヒルガオが咲いている。 昨年は7月10日で早い時期だった。 今年は昨年よりも暑いのでもっと早くに咲いていたかもしれないが意識していなかった。

 数年前、気温低下のせいか繁殖地がかなり限られた。
最近気温が高いので広くなるかと思っているが、まだまだ以前ほどには繁殖していない。
南西諸島では普遍的に見られるらしい。

2018年7月1日(日)
手伝い

 タートルトラックをたどると下りがない。 ボディピットに近づくと居た。 産卵のために掘り出した砂盛で見えなかった。
 帰海の時、ゴミは問題ないと思っていたが、右後脚先欠損では困難のようで右往左往している。 右後から押してやると、すんなり越えた。

2018年6月24日(日)
忌避トラック

 産卵を終えて前進ではなく、逆に回転した足跡のボディピットがあった。 陸上は苦手のウミガメは産卵を終えると最短距離で海に向かうのが通常だ。 帰海の足跡を見ると、途中で北に屈折して海に入っている。
 周囲には人の靴跡しかない。 いずれも人を忌避した足跡だ。

2018年6月22日(金)
ゴミ越え

 一昨日は雨と風が強かった。 風が弱ければ、上流から流れ出たゴミが河口に山積する。 今回は南風が強かったので、ゴミは北のエリアまで吹き寄せられていた。
中型の母ガメはゴミをなんなく乗り越えて産卵し、帰海していた。

2018年6月13日(水)
個性的タートルトラック

 初めて見る母ガメの足跡だ。  脚力が弱いのか歩幅が狭く、腹甲を砂面に引きずっている。 漂着ゴミの竹も乗り越えなかった。 産卵適地を試掘したと見られる小さなボディピットが5か所もある。 時々見かけるお馴染みの足跡は大型だが、これは小ぶりだ。

2018年6月8日(金)

 しまった。 傘を持ってこなかった。 雨雲が迫ってくる。
毎朝出かけ前に気象をチェックするが甘かった。 邪魔なので、つい手抜きの同じ過ちを繰り返す。
 傘がなければ、濡れるのもだが記録と作業が困る。

2018年6月4日(月)
植生帯

 植生帯が茂ってきた。 数年前には砂地が多かったことを思い出した。 堆砂と崩落した砂が、なだらかな斜面を作り植生が後浜を固定した。 このまま前砂丘が発達すればよいのだが。

 ふと昔の風景を思い出した。
貝掘りシーズンの5月頃が浜に出る機会が多かった。

2018年5月29日(火)
獣害防具成功

 全滅獣害のあったエリアで活動している、キツネと思われる獣は、摂餌に強い執着のある個体に思える。  被獣害は複数だが、害獣は一匹の個体のようだ。  他のエリアではまだ獣害はない。   獣害のプロセスは理解しているつもりだが、疑問も湧いてきた。 自然は奥深い。

 当方の獣害防具は効果があるが、しばらくは毎日様子を見て補修することもある。

2018年5月21日(月)
獣害

 連日の獣害に驚いた。 今朝は全滅だ。
20年前は7月下旬からだったが徐々に早くなった。
 昨年の獣害は118巣の68%が被害を受けた。 すべての卵がダメになったわけではなく、毎朝の保護活動で海に旅立った子ガメは多い。
 68%は多くなったなと思ったが、始まりの頃から50%弱だったので、早く始まるようになったことを考慮すると納得だ。

2018年5月15日(火)
シロチドリ

 シロチドリの卵が一個ふ化していた。  ほっこり。
巣は砂地に少しの窪みを作り特別な繕いはなく、卵は補色なので見つけるのは難しい。 ウミガメの産卵期と場所が重なるのはつらい。
2012年に環境庁の絶滅危惧U類に指定された。

 今年のウミガメ初上陸は5月7日だった。 飛砂で足跡が見づらく見逃すところだった。

2018年5月5日(土)
砂浜の減少

 万ノ瀬河口北岸の季節風による堆砂が少ないことが気になっていた。 前砂丘が途切れたところがあり、飛砂が内陸に飛んでいた。 前浜の砂が減少する原因のひとつに思える。
 堆砂垣などの対策で、砂浜の再生を促し減少を防げないかと思う。

2018年4月27日(金)
クロツラヘラサギ

 万ノ瀬川にクロツラヘラサギがまだいる。
上ノ山橋から100mほど下流の岸辺で10羽ほど摂餌していた。
 北上するときも近いだろう。

2018年4月22日(日)
浜昼顔

 浜昼顔が咲き始めた。 日本全国の砂浜海岸で見られるらしい。 砂浜に根差しているが、高潮などで塩水を直接に被るような所にはない。
浜昼顔が咲き出すと、いよいよウミガメのシーズンになる。
砂の中の温度も産卵可能な温度まで上がってきた。 そろそろウミガメの上陸が始まってもよい頃だ 。

2018年4月19日(木)
サンドクラフト

 「吹上浜砂の祭典」の準備が進んでいる。
第1回が始まったころ制作に少し関わった。 はや31年、長い年月が経った。
 今はイベントのひとつの星空の観察会で関わっている。 明るい会場の中でも10台ほどの望遠鏡などで結構楽しめる。 昨年からコリノ天文台が建設され40cm鏡も楽しめる。 花火ショーと共にお楽しみいただければ嬉しい。

2018年4月14日(土)
飯椀

 飯椀が渚にあった。 古い単色で描かれた陶器はよく見かけるが、ピンク色を含む4色の陶器は珍しい。
 17世紀の頃、東インド会社が肥前から陶器を船で運ぶときに吹上浜の沖で沈没したらしい。 その時の積荷の陶器が、今から40年ほど前に渚で発見されて値打ものもあったようだ。 渚を歩いて陶器を探すちょっとしたブームになったとか。
 当方にとっては珍しい飯椀だったので、その縁のものと思うことにした。

2018年4月9日(月)
ボランティア

 崩落した松の木数本が枝を切り払い除去していた。 満潮時には松の木が妨げになり歩くのは困難だった。 昨日、日曜日に釣り人か貝掘りの人だろうか。 お陰様で助かる。
 ここは浸食が目立つが、以前も堆砂で浜が復活した。 数年で復活する可能性は高い。 今冬の飛砂で北部より浜が復活している。

2018年4月3日(火)
堆砂

 1月7日の浜日記に書いた同じ浜の堆砂を撮って比較してみた。
写真中央から右寄りの浜崖がほぼ埋まった所が分かりやすい。 1m程だった堆砂が、さらに1m程増えて2m程になった。 写真左の斜面は砂丘の奥のほうに砂が風に飛ばされたことが分かる。
 もう少し多くの堆砂を期待したが、昨年よりは多かった。

2018年3月28日(水)
貝掘り

 ソメイヨシノは満開。
珍しく、快晴で風のない穏やかな
日が続く。

 浜では、時期にしては初夏のように早い暖かさだ。 寒い頃から貝掘り人はいたが、いかにも寒そうだった。
今の時期の貝は身が貝殻いっぱいに詰まり美味しい。 初夏までが旬だ。

2018年3月23日(金)
コウボウムギ

 砂浜に緑が復活してきた。
穂の出たコウボウムギの群生が広がっている。
筆みたいだからフデクサとも。
全国で見られる砂浜の代表的な植物のひとつだ。

 近隣のソメイヨシノは5分咲き。
今年の開花は3月17日と早かった。

2018年3月10日(土)
前砂丘

 今朝は無風の日本晴れ。 雲がないので道中の車中から、遠くの霧島新燃岳の噴煙が見えた。

 前砂丘の観察記録はあと1日で終える。
季節風による堆砂が今年は多かったので、飛砂による造形も変化が大きいかと思ったがそうでもなかった。

2018年3月2日(金)
排水口

 昨秋から着工した排水菅が竣工していた。 松林内に建設するメガソーラ施設に付随する工事と思われる。
 取水口は前砂丘の底部に径2m程のパイプを貫通した。排水口は小径のパイプ3本の周りに割栗石を金網で囲い、周囲をシートで覆って砂が侵入しにくくしている。 面が7 x 2m程で長さ20m程の排水口だ。

 数年前から前砂丘の後背低地で水はけが悪く、長期間雨水が溜まった。 排水効果に期待したい。

 
2018年2月28日(水)
砂の色

 ここの浜は、砂の色が際立って違いを見せる。
白っぽい砂の中間ほどまでが潮間帯で、満潮時には海水に浸る。

 濃色の砂は古い海砂で、淡色の海砂は内陸土壌のシラス由来の新しい海砂と思える。
色の要因もだが、漂砂のプロセスなどにも興味をそそる。

飛砂なども含めて砂丘の変化にも影響する。

2018年2月18日(日)
堆砂

 弓なりに連なる吹上浜の南端に小湊漁港がある。
漁港堤防の外洋側に、15年ほど前から堆砂が始まった。次第に漂砂が溜まり、自然に木も生え立派な陸地になった。 毎年、現場で写真記録していて成長ぶりに感じ入っていた。
 久しぶりに対岸の同じ場所から撮影してみると思ったよりも小さく見えた。 グーグルアースで調べてみると、ここ5〜6年の変化は少ないように感じる。

2018年2月9日(金)
残雪

 亀ヶ丘に雪が残っている。 吹上浜から北や東の山々を眺めても雪は見当たらない。

 薩摩半島のほぼ南端に位置する亀ヶ丘のある大浦町、笠沙町は無霜地帯とも聞いてきた。
しかし、両町で先月1月12日の平地で10cmの積雪に驚いた。 さらに今朝は、3日前の残雪は以外だった。
少し北になる吹上浜沿いの山地でも、積もった雪は昼までには溶けることが多い。

 

2018年1月27日(土)
先客

 浜へ下る道に先客の足跡がある。
写真の左より、キツネ、小型の鳥、カラス、人間の足跡だ。

 強い季節風が吹き止んだ後、砂面がきれいになる。
穏やかな日の早朝は風が止むので、きれいな砂面には小動物などの鮮明な足跡を観察することができる。
未明から摂餌に活動しているのだろう。

2018年1月12日(金)

 雪が積もった。
吹上浜に雪が積もるのは年に1,2回あるかどうかである。
 雪の予報がでると、ワクワクと期待しながら朝を迎えている。
浜の積雪は気温だけでなく、風向きなどで微妙に違いがあり、松林は積もるのに浜はそうでなかったりと、いつも同じではない。
 今日は波の寄せる渚以外は真っ白で、写真を撮っても伝えにくい様相になった。

2018年1月7日(日)
堆砂

 堆砂が進んでいる。
数年溜まっていた漂着ゴミと堆砂は、晩秋までの高潮位と大波で一掃されて、浜崖になっていた。

 北西の強い季節風が砂を飛ばし、砂が浜崖の下に溜まり始めた。 すでに1m程になる。
 場所によっては、浜崖を埋めて前砂丘の植生帯まで砂を飛ばしている。
 ウミガメ産卵帯の砂は冬から春の飛砂により更新される

2018年1月1日(月)
野間神社

 吹上浜から南西にいつも見る野間岳がある。
八合目にある野間神社に参拝した。 久し振りだ。

野間岳の山頂にも登山する予定だったが、陽が暮れてきそうなので断念した。

 野間岳と金峰山は吹上浜を間に対面している。
伝説で野間岳の神様が石を金峰山に投じ、金峰山の神様はススキを野間岳に投じて争った、との話がある。

2017年12月23日(土)
釣り人

 気温の低い早朝から水に入り釣りをしている。
霧も流れて寒そうだが、趣味人なればこそ。

 シーバス(スズキ)などが釣れるらしい。

2017年12月10日(日)
鉄管
 昨年4月に7年振りに露出した鉄管が120cm程のままになっている。  8年前までと同じような高さだ。
 万ノ瀬河口北岸の砂が南西からの風と波により流失したことを意味する。
ここ2年ほど、南風が卓越風となったようだ。
吹上浜の多くの河口で南岸に堆砂し、北岸の方に川の流れが変化している。
 当「浜日記」11月21日の、万ノ瀬河口南岸の砂浜が発達している話も一連の話題である。

 3年前までは万ノ瀬河口北岸が堆砂し、発達する砂浜を楽しみにしていた。残念な気もする。 しかし漂砂は移動するのが自然だ。
2017年12月2日(土)
気嵐

 今冬一番の寒さ、気温2度。

海水温度は、まだ20度ほどだ。
気温と海水温の差が気嵐を発生させる。
陽が差してくると、気温が上昇し消失する。
太陽の陽が陸地の影になり、海上に差さない短い一時の風景だ。

2017年11月21日(火)
浜発達?

 万ノ瀬河口南岸の砂浜だ。
20年前には広かったここの砂浜が10年前には細くなった。
潮間帯だった10年前のこの場所は、今、大潮満潮でも海水が進出しない。

 1年ほど前から安定してきたのか、植生の塊が多く散在している。
砂浜の発達となれば嬉しいが。

2017年11月11日(土)
永吉河口

 永吉河口は、毎年変化するので興味深い。
人工的な変化も加わるが、自然の影響が大きい。

 今年は渚に並列に2列の砂州になっている。
形成のプロセスを想像するが、秋にしか観察していないので難しい。

 昨年の秋の写真から推察すると、砂嘴が細くなった後、砂嘴が新たに発生していると思える。

2017年11月6日(月)
シロチドリ

 シロチドリの群れの羽数が多い。
万ノ瀬河口南岸のほうが多く見掛けるが、今日は北岸で多く見かけた。
羽数の多い群れを見かけると豊かな気持ちになる。
 全国的に砂浜の減少でシロチドリの生息数が減少しているという話もあるようだ。

 今年のウミガメ上陸数は189箇所(金峰区5km)。
産卵は118箇所だった。
最近、産卵成功率が低いのが気になる。

2017年10月23日(月)
台風でゴミ清掃

 1年以上前から、万ノ瀬河口南岸に大量の漂着ゴミが残ったままだった。 意味を思索していたが、納得した。

 日向灘の遠い東を通過した台風21号の影響はないと思っていたが、低気圧の吸上げと風の吹寄せのせいで少し潮位が高くなり、ゴミを流したようだ。

 1年以上前から高潮がなく、ゴミが高潮位帯に留まていたと結論した。 海が穏やかだったことを表している。

2017年10月12日(木)
日本晴

 雲ひとつない日本晴れ
♪ 今はもう秋 誰もいない海 〜 ♪

久し振りにゆったりと、気分爽快で心地よい。
ウミガメのシーズン中は、毎日慌ただしく景色を楽しむ余裕はない。
目はいつも砂浜の隅から隅まで探し物をしている。

 田舎暮らしで贅沢な至福のひと時を実感。

2017年10月4日(水)

 猪の問題は解決した。
と思っていたが、そうではなかった。
加世田区の多くの漂着帯で、猪が掘り返した痕がある。
金峰区の植生帯では見られたものの、漂着帯では見られなかった。

 猪の問題が始まったのは、加世田区からだった。
来年はどうなるものやら。

2017年9月28日(木)
深かった

 子ガメたちが旅立った後、可能なすべてを堀出し調査している。
例年になく今年は早く済みそうだ。

 今日掘った巣は結構深くなっていた。
腹這いになっても手が届かないので、体全体を沈められるように周囲を掘り下げた。
 産卵した時も卵塊上層が45cmと深かった。
台風18号で20cmほど堆砂し、底は85cmだった。

見事なシャワートラックだったので、脱出率が高いのは分かっていたが約96%のふ化率は気持ちの良い堀出し調査だった。

2017年9月26日(火)
救出

 気になる巣があった。
掘ってみると巣に空洞ができていた。
ふ化した子ガメたちの上層に空洞ができると砂の中から砂面上に出られない。

 砂面上に出してあげると元気一杯。
良いタイミングだったようだ。

2017年9月18日(月)
台風18号

 台風18号は南九州市に上陸した。
当地より東に台風が進んでくれると、風が弱い。

予想進路の中心が当地だったので心配したが、たいしたことはなかった。

 浜の状況を見ると、波と潮位は通常と変わりはなかった。
ウミガメの巣も大丈夫だ。

 ただ、吹き返しの北西の風が強かったようで、低地の植生帯には雪のように飛砂が積り、草を伏せていた。

2017年9月14日(木)
救出

 子ガメがカニ穴に引き込まれている。
久し振りに現場を写真に収めた。

渚に向かう子ガメを、カニ穴まで屈折しながら引き戻した足跡が砂面に残っていた。

子ガメは、甲より少し大きい穴に引き込まれないように前脚でもがき抵抗している。 首には血痕も。

穴から出してやると、活発な動きでに渚に向かった。
大丈夫だろう。

2017年9月6日(水)
精霊船

 数日前から精霊船かと思われる全長140cmの船が漂着していた。
例年、お盆を過ぎて暫くすると渚に見掛ける。
長崎や熊本などでお盆に流されるらしい。

東シナ海を北上する対馬海流の一部が、五島列島の南付近で反転し、九州西岸を南下する還流に流されたのだろう。

2017年8月30日(水)
台湾から?

 大雨は降らなかったのに漂着ゴミが多い。 小潮の汀線(渚)にゴミのラインが浮かぶ。 ほとんど中国か台湾からだ。

 台風13号が上陸した中国南部からの流失ゴミかと思ったが、日数が早すぎる。 中国南部に上陸したのは8月23日。 2週間ほどを要すると認識している。
13号が22日に近海を通過した台湾南部まで1400kmほどとして、黒潮の流速を7.4km/hで概算すると8日ほどになる。
単純だが台湾由来のゴミの可能性が高い。

2017年8月26日(土)
観察会

 残念な子ガメの観察会だった。24日と26日の早朝に「南薩少年自然の家」と「加世田小学校」の子ガメ観察会が開催された。
いずれも7匹ほどの少ない子ガメしか観察できず失敗に終わった。
移植に問題はない。 初夏は低気温だったが、脱出期にかけて砂中温度が高くなったことが脱出を早めた。 予定していた複数の巣から旅立っていた
特に例年と違い、お盆から連日暑かったことが誤算だった。

 子ガメは自由に旅立てるようにしている。

沖合に向かわなければならない活発なフレンジー期を弱めないために。

2017年8月20日(日)
シャワートラック
 子ガメの旅立ちが賑やかになってきた。

 少数の旅立ちが多かったが、ここ数日続く晴天のせいか、今朝は多くの子ガメが残した足跡で描かれるシャワートラックが3カ所もあった。
これを見るといつも豊かな心地よさを感じる。
2017年8月12日(土)
大波のあと

 長寿台風5号の影響はなかった。
多くの卵が流失するのを心配したがよかった。
1996年の台風で9割の卵が流失したことがある。そのことを台風予報の度に思いだす。

枕崎より東に進むと吹上浜への影響は小さい。

 8月1日に案内した、連日の小波で発達していた沿岸砂州が、最近の大波で平らに均された。
砂の色が黒っぽく見えるのは、湿りと光の作用だ。
今日は中潮、明日から小潮。

2017年8月4日(金)
タートルトラック

 しばしばトラックの意味を問われることがある。
特にシャワートラックなど伝わりにくいようだ。

英語のTracksであり、英和辞典に詳しいが、当方では連続した足跡の意味で表現している。 したがって、タートルトラック(Turtle Tracks)はカメの足跡となる。

 毎日の記録する際に、利便性の為に多くの略語を作っている。
タートルトラックはTT(母ガメ)とし、 子ガメの足跡はBT(Babe Tracks)としている。


 今朝のタートルトラックは久々に絵になった。

2017年8月1日(火)
砂州

小潮の頃、早朝の潮の引いた浜は広い。
前回の大潮は土用でもあるし、大波かと思っていたが、波は小さかった。

大波は砂州を消失する。
しばらく
大波がないので砂州が発達している。
渚付近で浸食された砂は、砂洲付近にあり波により往き来している。

広い浜は気持ちが良い。

2017年7月26日(水)
初脱出

 思いがけず早い脱出だ。
昨年に比べて、今初夏は砂中温度が低かった。
7月中旬に入ってから高くなり、累積砂中温度は昨年に迫ってきた。

今年の脱出は遅くなるかと思っていたが、予想に反して早かった。
計画の変更が必要かもしれない。

2017年7月21日(金)
ゴミの多い漂着帯に

 木切れや竹などのゴミが多い汀線付近に産卵している。

ボディピットには竹切れなどが多く重なり、卵を探すのも大変だ。

 ゴミを乗り越えたその先には、大波に洗われない適地と思われる砂の斜面が広がっているのに。


 意外に、汀線付近を産卵地に選ぶ個体も少なくない。

2017年7月15日(土)
どちらに産卵

 二つのボディピットがある。

どちらに産卵しているでしょう。

写真が小さいですが、当てられるかな?

2017年7月10日(月)
グンバイヒルガオ

 グンバイヒルガオが10輪ほど咲いている。
早い時期に思える。

寒冷で、一時生息地が減少したグンバイヒルガオが拡がってきたようだ。

今年の梅雨は雨が少ない。
例年、河口付近に見られる上流からの刈草など大量の漂流ゴミは見られない。

2017年7月3日(月)
手助け

 足跡が一本しか見当たらない。
下りはと、
よく見ると浜崖下に動くウミガメが見えた。
今回は、休んでいる時もカメラを回して産卵上陸の頑張りを表現しようと回し続けた。

 少し変だ。元気に脚を踏ん張るが前に進まない。
カメラを止めてよく見ると、左前脚根に太いハマゴウの草根が絡んで前進を阻んでいた。 ウミガメは後進はできない。
食い込んだ草根を外してやると、すぐに海に向かった。

2017年6月25日(日)
潮位

 潮位が次第に高くなってきた
5月は潮位が低いが、海水温の上昇と高潮などで満潮の汀線が後退してきた。

 昨夜の産卵巣は卵塊上層が浅かった。
良い機会に移植しなければ流失するだろう。
今朝は強風と雨、さらに大潮満潮で漂着物の多い地帯を歩くので精いっぱいだった。

2017年6月20日(火)
クラゲ

 クラゲがたくさん漂着している。
8月盆過ぎにはクラゲが多くなると話に聞くがまだ6月だ。

 水族館でクラゲの展示が人気だそうだ。
ゆらゆらと気楽そうな生態に癒しを感じるのか。

2017年6月12日(月)
緑のシミ

 9日前に産卵された巣が獣害に遭った。 移植する為に卵を取り出すと4個の卵の表面に緑色のシミがある。 以前にも見たがなんだろう。
数個だけという割合と、色調も同じだ。
体内の器官内で付着したか、産卵後か。


 今日は10カ所と特に多い上陸と、2カ所の獣害後移植で時間が掛かった。
焦るときもあるが、今日は穏やかな気持ちで作業ができた。

2017年6月6日(火)
獣害防具

 4日5日と二日連続の獣害で7カ所の巣がやられた。
少し時期が早くて多いように思える。

 半数ほど残った卵を獣害後防具などを設置していた。

油断はできないが、まずは効果があった。

 昨年は猪による絶望的被害が心配されたが、今年は前浜で猪の足跡は見かけない。 キツネや狸などによる獣害は防げる。

2017年6月1日(木)
渚に卵

 潮が引いた干潮帯に70mほど母ガメの足跡が残されていた。
足跡から察すると、左後足先が欠けているのか丸みのある足跡だ。 記憶にある個性的な個体かと思いながら渚までたどった。

 ふと、白いものが目にはいった。 卵だ。
入海前に漏れ落ちたのだろう
少し波に洗われている。

孵化の確立は低いが、産卵巣とは別に1個だけ砂の中に埋めた。

2017年5月25日(木)
やっとこさ産卵

 初上陸した弱々しいウミガメの産卵がやっとこさ成った。
初上陸した翌日には産卵するかと思ったが、4日後、2日後、3日後と再上陸を繰り返し、やっとこさの産卵になった。

これまでの産卵間隔などの認識からは、再上陸の間隔と3回は新たな疑問が出てきた。

2017年5月24日(水)
狸は掘る

 昨日、初産卵を確認した巣が翌朝にはキツネにやられた。
一個だけ残してほぼ全滅だったが、埋め戻していた。
その巣を今朝は狸が再び掘っていた。

 数年前、あるウミガメの会合での発表で、狸は掘らないと断言した方がいらした。 狸はウミガメの巣を掘る。

 それにしても、いきなりの獣害には厳しい現実だ。

2017年5月16日(火)
初上陸

 やっと初上陸した。
産卵場所を決めかけたが、なぜか諦めたようだ。
初上陸記録の中で遅いほうになる。

 足跡と上陸の軌跡を見ると、時々見掛ける馴染のある個体だ。
高齢なのか、ピッチが狭く弱々しい足跡だ。

2017年5月15日(月)
ピンクフロート

 フロートだろうか、細る先端にはロープがついている。
長さは60cmほどでプラスチック製だ。
黒色や灰色の球体のフロートは良く見かけるが、ピンクとは珍しい。
形もだが、ピンクの色にどんな意味があるのだろう。

 ピンクフロイドは知っていたが、ピンクフロートとは思いがけない。

2017年5月4日(木)
ハマヒルガオ

 ハマヒルガオが咲き始めた。

内陸のサクラは遅かったが、海岸のハマヒルガオは例年通りだ。

咲き始めのせいか、まだ少ないようだ。
これから暫く続く。

2017年5月1日(月)
堆砂

 1〜2年間で150cmほど前砂丘の斜面が堆砂している。

海岸に設置している、100m毎に竹を2本刺した目印を再生しながら気付いた。 表現に使えると。
写真の黄色い丸印(ペットボトル)を比較すると分かりやすい。
埋まってペットボトルの先だけを残す前回設置した目印と、今日設置したペットボトルの高さの差が大まかだが堆砂の量を表す

 斜面の植生帯が、吹き上げられる飛砂を捉え前砂丘が発達する。
そして、新たな砂面から上に植物が芽を伸ばす。
その繰り返しで前砂丘が成長する過程を目にできる。

2017年4月27日(木)
堆砂

 半年前に150cmほどの浜崖になったところが、冬から春の飛砂が堆砂して斜面が復活した。
写真中央付近の植生帯下端のラインだ。

 万ノ瀬河口北岸をはじめ浜崖が目立つところも多いが、来年以降、冬から春の飛砂と漂砂による堆砂で浜の斜面が復活することを期待したい。
秋には浸食が目立ち、初夏には浜が広くなるのが毎年のサイクルだ。
 侵食の報道は、よく知られるが堆砂のことはあまり知られないようだ。

2017年4月19日(水)
ヒジキ漂着

 ヒジキが大量に漂着している。 春の風物詩だ。
昨日はなかった。
 一昨年より2カ月ほど遅い。

 今年のソメイヨシノも遅かった。
関東は記録的に早く開花したが、鹿児島は西日本でも過去の記録でも最も遅く4月5日だった。
満開のサクラを堪能し終えたのは17日。

 昨日から今期のウミガメが始まった。 毎朝、浜に出勤となる。

2017年4月10日(月)
旧万ノ瀬河口

 以前から旧万ノ瀬河口の川筋に関心があった。
時代によっても違うだろうし、と思いながらマウンテンバイクで巡った。

 南さつま市報 2016年11月号に興味深い記事が載っていた。
江戸時代の地誌『加世田再撰帳』の写真を見ると、旧万ノ瀬河口ふきんが「寄木浦」と記載されている。

 1802年以降に描かれたと思われるもので、旧河口となったこの頃が浦であったことは確認できた。
それ以前も浦だったのか、河口までの川筋はどうだったのだろう。
 
大まかには解っているが、興味がふくらむ。

2017年4月2日(日)
砂の祭典

 第30回砂の祭典の準備作業が始まった。
世界各地で砂像の大会があるらしいが、長年継続している砂像の大会は少ないらしく、誇らしい。
 当方も初期に微力ながら楽しく関わった。
30年の長さに時代の変化と、齢を悟る。

 今年のテーマは童話の世界だ。
毎年砂像を見ているが、毎回テーマが違うので何回見ても感動させられる。

2016年3月17日(木)
その後

 上ノ山海岸の静かさが戻った。

座礁していたマッコウクジラ6頭は野間池沖に沈められた
可愛そうの声が多い中、自然の恵みとして活用を望む話しも聞かれた。
肉、油、骨など捨てる部位がないほど活用できることは良く知られている。

40年ほど前に同海岸に寄せた時には、経済的に引き取られて、恩恵に与かった集落の人達がいたらしい。

2017年3月11日(土)
マッコウクジラ

 昨日、マッコウクジラが6頭座礁した。
万ノ瀬河口から北に600mほどの上ノ山海岸だ。
ウミガメの時期には毎朝通っている馴染の浜。

 予定していた、砂丘観察を始めた満潮時には尾しか見えなかったが、引返した頃にはかなり見えていた。 干潮時には身近で見られる。

 報道で知った人々の関心は相当高く、車両の規制も行われていた。

多数の座礁は珍しく、15年前の大浦町に座礁した14頭以来。

2017年3月4日(土)

 吹上浜は南北に長い砂浜である。

砂は粒径の分類で中粒砂になるが、北に行くほど粒径が少し大きくなる。
日置市小野川付近より北の浜では礫が目立つ渚もある。

 写真は小野川から少し南の浜だ。
礫をクローズアップしたので大きく見えるが、礫のサイズは1〜2cmだ。
限られたエリアなので広く眺めているには気付かない。

2017年2月24日(金)
飛砂

飛砂が作るモノトーンの風景だ。

湿った砂浜に強風が吹き、表面の微細な砂が吹き飛ばされて乾くと白っぽくなる。
湿って表面に固着した砂は黒っぽく見える。

天候次第で、たまに見受けられる

2017年2月11日(土)
苔道

 砂防の碑の案内板が再生されていた。
碑までの道も手を入れたようだ。
松の木にピンンクのテープが巻かれ、道しるべとなっている。
訪れる人が少ないせいか、フカフカに厚くなった苔と落ち葉を踏んで歩を進める。

子供の頃からフカフカの苔は心地よかった。
強風の冷たい冬も松林のなかは風がなく、歩くせいで温かみさえ感じた。

 

2017年2月7日(火)
カワウ

 吹上浜海浜公園の海岸に臨む一部にボードウオークがある。
それは、標高10メートルほどの小高い前砂丘の頂に設けられた展望所だ。

 カワウの群れが眼下で採餌していた。
浜を歩いているとき、水平方向
から黒い塊のカワウを見掛けることが多いが、見下ろす機会はなかった。

2017年1月29日(日)
前砂丘の再生

 冬の北西風による堆砂が少ないなりにも進んでいる。

ここの前砂丘は、15年ほど前に風化により消失した。 その頃、高潮で数十メートル内陸まで漂着物が散乱するほど、低かった。
年数が経ち、飛砂による堆砂で再び前砂丘が発達してきた。
まだ標高は前砂丘としては低いが、今は、高潮の大波も前砂丘の斜面で止めている。

2017年1月17日(火)
甑島

 今朝は甑島の島影がくっきり見える。
万ノ瀬河口から甑島までは60km弱の距離である


 浜での気温はマイナス1.5℃で今冬一番の寒さだ。
風がないので内陸の冷気がゆっくりと海に流れている。

朝日が海上に差しだしたので、気嵐は少しだけ残っている。

2017年1月8日(日)
寄木八幡神社

 小湊寄木八幡神社に参拝した。
浜に流れ着いた流木(または宇佐八幡からの霊木)に八幡像を刻んで祀ってある。

 これまで印象に残る手にした漂着物として、ハワイからの漂流瓶、フィリッピン近海からと思えるオーム貝の殻などがある。
霜朝に大きなクロマグロもあったが、手に余った。
3〜4日でカラスやトビなどの大群が見事な骨格見本を残した。

今年も良い出会いを願って頭を垂れた。

2017年1月1日(日)
山影

日本晴れの元日。
金峰山で初日の出を拝んだ。

暫くして西に視線を転じると、松林の先の吹上浜の海上に金峰山の影が見られた。
金峰山は3峰がはっきりとした円錐形の山ではないが、富士山の影のように見えるのは意外だった。

眼下直下に見えるのは、市境の農業大学付近で、中央に見える海岸線の右には伊作川の突堤が見える。

2016年12月24日(土)
紅葉

 常緑樹の松林で紅葉が目立つ。
うるし科のハゼの木だ。
大木は見掛けないが、若いハゼの木は多く見かける。
紅葉の時期は存在感がある。

今日はクリスマスイブ。
遅い紅葉に思えるが、記録していない。
2016年12月19日(月)
蜃気楼


蜃気楼で陸地が水平線より浮いて見える。

串木野より少し北になる、羽島崎とその沖にある沖ノ島だ。

12月も冬至を迎えようとする頃に気候がよく、秋のような風情である。

2016年12月2日(金)
カワウ

カワウの群れが干潟に休息している

ねぐらは河口から少し上流の松林にある。

カワウの群れは冬の始まりを告げる。

2016年11月16日(水)
お気に入りの水辺

 通行止めになっていた岸辺が通行可になっていたので、長年ぶりに行った。
30年前と変わっていない。
 そこは、吹上浜に流入する他の河川と同様に、昔、相星川河口の北岸に伸びた砂嘴の内陸側と思える水辺だ。
満潮の時、道まで浸る自然なままの気水域の雰囲気が心地よい。

 ここは、200年ほど前まで古い万ノ瀬川河口だった所で、地理的にも興味深い。

2016年11月6日(日)
漂砂

 今年も南は小湊から、北は神之川まで浜を歩いた。

 昨年に比較して、吹上浜の全体で強い南風が砂を北に移動していた。

吹上浜に注ぐほとんどの河川の南側の浜が堆砂している。

所によっては100cmから150cmほどだ。
写真の永吉川の南の浜も堆砂が顕著だった。

2016年11月2日(水)
グンバイヒルガオ

 吹上浜の南部になる小湊の海岸にグンバイヒルガオの群落があった。
昨年は見落としたようだ。
今年は今の時期ではまだ暖かいのか、花が咲いていたので気付いたかもしれない
昨年、すぐ近くの相星川の北部でも群落が広がっていたのを思い出した。

 北になる金峰区では数年前に寒冷で少しだけ残っている。
グンバイヒルガオは南の花だ。
温暖化の進行を表しているかもしれない。

2016年10月17日(月)
猪害

 ウミガメ産卵巣の猪による獣害問題は解消した。
6月の巣一カ所だけだった。
2年前から突然始まった大きな懸案だっただけに安堵した。
キツネなどによる獣害は相変わらず続いている。

 今年の金峰区5kmのウミガメ上陸数は201ヶ所で、そのうち産卵巣数は123ヶ所だった。
思っていたより昨年比で増加したことは嬉しい。

2016年10月10日(月)
秋空

 秋空が広がる
久し振りにゆったりと浜の景観を楽しむ。
.
 巣の掘出し調査も残り少なくなってきた。今年は8月の産卵が少なかったので早じまいできそうだ。

 台風18号は大波があったものの浸食は少なく、昨年から溜まっていた沢山の漂着ゴミを海に戻した。
一部では一掃した所もある。
ゴミ払い台風だったといえるかも。

2016年10月2日(日)
漂砂

孵化調査のために巣を掘ってみると深い。
腕を一杯伸ばしても届かない。
穴の周囲まで掘り下げてようやくだった。
途中には上昇中に息絶えた子ガメが10匹いた。
産卵時より30pほど堆砂していた。

 沿岸洲と渚の間での砂の移動が活発のような気がする。

元来、渚で浸食された砂は沖に流れず沿岸洲の付近と行き来している。

2016年9月29日(木)
ドーム状巣

 キツネが小さな穴を掘っていた。
キツネは空洞になったのを異変に感じたようだ。
それ以上掘っていなかった。
キツネは賢い。 少し不自然な状況だと避ける。

 子ガメが脱出できない状態になっていたので、105匹を巣から出した。
多くの元気な子ガメを見るとシャワートラックと同様に豊かな気持ちになる。

2016年9月20日(火)
台風16号

 台風16号は心配した。
南さつま市の西南西から進み台風の目に入るかと思われたが、枕崎市の南の海上を指宿をかすめて大隅半島に上陸した。

 砂浜の産卵巣が流されるのを心配したが、幸いに大潮干潮の低潮位の時間だったため、長い砂浜の浸食は、金峰区南部に限られた。

 写真は台風の強風が収まってから5時間ほど経過した漂着帯の浜だ。
強風で砂が飛び、竹木切れなど重いゴミが浮き出ている。

2016年9月9日(金)
シャワートラック

 今朝はシャワートラックが3本もあった。
昨日までも記録はしたが広がりがなかった。
今朝は潮のタイミングもよく、日差しの明るさ加減も相まって気持ちがいい。 昨日、子ガメが旅立てるようにガレキを除いた所だったのでことさらだった。

 シャワートラックは多くの子ガメが旅立った足跡がシャワーの飛沫のように見えるところから当方のよんでいる造語である。
獣害や悪環境を越えて大海原に旅立ったのだ。

2016年9月4日(日)
カメ盆

 子ガメが砂の中で孵化し、砂浜の表面に脱出すると窪みができる。

 今夏は晴天続きだった。 
砂はさらさらで子ガメが脱出した跡は、すり鉢状になった。 写真で表現するのは難しい。
 
 数日前から雨が降り、脱出跡が盆状になった。 今年は初めてだ。
当方は、カメ盆とよんでいる。
深いと子ガメが、カメ盆から出られない時もある。
トップページ左の小さな写真がそれである。

2016年8月30日(火)
チュウシャクシギ

 鳥が波に流されそうによろめいている。
引き波から救うべく手を伸ばすと、抵抗もせずたやすく手中に収まった。
休めるように草むらに置くとしっかり立っている。
外傷
はない。 逃げようともしない。
それだけ弱っているのだろう。
気になりながら、その場を離れた。

チュウシャクシギだった。

下に曲がった長い嘴をもつ大型のシギだ。
 

2016年8月28日(日)
子ガメの足跡

 子ガメの足跡を便宜上、ベビートラックとよんでいる。
記録では30匹以下をそうよび、毎日旅立った足跡の数を巣ごとに記録している。

遠目にはカニの足跡と一見まぎわらしいのもあるが、足の形を想像すれば見分けがつく。
 きれいな子ガメの足跡は今日で2カ所目で、少し淋しい気もする。 
30匹以上の足跡のシャワートラックもあったが、写真では分かりにくいほど淋しい子ガメの足跡だ。

2016年8月22日(月)
少年自然の家の観察会

 昨年は少ない子ガメしか観れなかったが今年はたっぷりと子ガメを観察できた。
毎回ではあるが当方がバタバタと不安定な進行で、なかなか納得はいかない。もっと良い形の観察会があるかもしれない。

 今年4月に着任された女性の所長さんは十数年前に「自然の家」でウミガメの活動に関われていた。 当方は分からなかったが、懐かしさで親しく話されたのには嬉しさと少しの驚きだった。
過ぎた年数を思うとウミガメとの関わりの進化はノロいかもしれない。 

2016年8月21日(日)
加世田小学校の観察会

 今年の観察会申し込み者は200名を超えたらしい。  早朝の設定にも関わらずよく参加されるなと思う。
多くの人がウミガメに関心を寄せていただくのは嬉しい。
 今年は平年並みの砂中温度を予想して移植していたが、発生中期から晴天が続いた。 そのせいで砂中温度の高温が続き、孵化が早くなりそうになった。
 今年は産卵巣が多かったので、観察する予定の巣は変更することができた。
 孵化は積算温度に関係すると言われている。

2016年8月14日(日)
行けるよ京田海岸

 一昨日、京田海岸で遇った釣り人の足元が濡れていなかった。 それまで膝まで浸かりながらも浜に出ていた。
800m北の大塚海岸での排水効果が京田海岸にも及んだ。
確認すると浜道の溜り水は少しだけになっている。
溜り水を迂回する道が左側(南側)に開いていた

 浜に出る道が草に覆われていたので今朝草払いをした。
吹上浜に親しむ人のためになれば嬉しい。
お盆明けに多くの人が浜に出ていた風景を思い出す

2016年8月6日(土)
土用明け

 今日は土用明け。
夏の土用の大波はなかった。
お蔭で沿岸砂州が保たれている。

 大塚の浜道からホースをひき内陸に溜まった水をポンプで排水している。 その排水でできた段差は一日で変化する。
漂砂の動きは大きい。

2016年8月5日(金)
キツネ

 今年はキツネを見掛けるのが4回目だ。
今年の遭遇はキツネに余裕が見える。
これまでは素早い反応で必死に逃走したが、人に慣れたのか振り返りながら余裕のある走りだ。

 年々キツネが増えている。
砂丘地で作物を作っている農家の話では、作物の芽を食べる野ウサギが減少したらしい。
浜でも狸よりキツネによるウミガメの卵の被害が増えた。

2016年7月27日(水)
初脱出

 気になっていた早い時期の産卵を記録更新した初産卵の巣から子ガメの足跡が渚に伸びている。
足跡から巣をたどると、喜びも束の間、巣は獣に掘られていた。

 早すぎた産卵で地温も低いかと心配していたが、孵化率は低いものの安堵した。
自然に帰海して足跡を残したのが10匹、掘られた穴から出られない子ガメを渚まで運んだのが15匹だった。


 今日は獣害が6カ所で防具設置、移植1カ所も獣害予防具設置で体力的に無理したようだ。反省。

2016年7月23日(土)
段差を上がらない

 ときどき高潮帯に段差が発生する。
ウミガメにとって30cmを超えると挑戦をするが、諦める個体が多い。
この個体は違った。
20cm弱の低い段差を挑戦もせず、20mほど段差と並行に這っている。 産卵もしていない。
足跡の幅が110cmあり、大型と思えたが、老体なのか?

2016年7月19日(火)
慎重でタフ

 産卵のために穴を掘る前の行動である、ボデイピットが4カ所もある。 普通は1カ所の場合が多い。
産卵適地を迷いながら探す慎重さとタフさを感じる

 産卵後のカムフラージュ動作もあるので、慎重に交錯したウミガメが這った跡を一筆書きにたどると、産卵場所の見当が付く。

2016年7月10日(日)
滲出

 京田海岸に出る道が、秋には車で通行可能になっていたが再び大雨で池のようになった。 浜に出るには膝上まで浸からなければならない。

 写真は、内陸の松林に降った雨が前砂丘の底部を透水して滲出している様子だ。 中潮の今日の高潮位よりも少し高い位置から滲出している。
舐めてみると、塩っぱさは感じない。

浜全体で見られるが、所により顕著に現れる時がある

2016年7月2日(土)
なんとなく



 椅子の近くを這い、波を被らない斜面まで上がり産卵した。

 帰海は椅子のすぐ側に足跡を残した。

 椅子があるだけで、なんとなく情緒を感じる

2016年6月24日(金)
一路に

 ほとんどのウミガメが上陸するとき、産卵適地を探して屈折した足跡を残す。 産卵適地を探すのに迷っているのがよく分かる。

 今朝見た個体の上陸足跡は、見事に一直線に描かれていた。
まず、大型ではなかったが、上がり易いところを探すまでもなく35cmの段差を正面から一気に上っていた。
草地まで
上り、まっすぐ引き返している。
産卵前後に砂堀をするボディピットも一直線上にある。

 迷いのない一徹な足跡は見事だ。

2016年6月19日(日)
雷雨

 今日は雷雨のなかでの調査となった。

 雨の時、昔は雨合羽も使ったが傘の方がいい。
近年は透明のビニ傘が大型になり、重宝している。

 雨が降り出すと、急に強風が吹いてくる。
そんな時、砂浜は水溜りはできないし、浜にしゃがんで傘の骨先を砂浜に刺して強風をやり過ごす。 慣れると非日常が無邪気になれる。
 雷が近くなったら、前砂丘の近くを歩いたり、窪地でやり過ごす。

2016年6月15日(水)
跳ね砂

 大相撲で塩まきの豪快さは旭日松。

ウミガメの砂まきは産卵跡でよく見かける。
浜で一番の豪快な候補は、今朝見た産卵跡を残した個体だろう。

 ウミガメが産卵を終えたあと、巣が見つからないように埋めた跡をカムフラージュする。
前脚で砂を跳ねて分からなくした産卵跡は、巣の位置を特定するのに苦労させられている。

2016年6月10日(金)
人を警戒

 昨夜、産卵適地には遠い、中潮で後退した渚の近くに上陸してすぐに引き返したウミガメの足跡があった。
産卵適地には近くても10m以上は上がらなければならない、大潮で冠水してしまう所だ。
 さらに上がるには障害になるものはなく問題はない。
足跡などの状況を考えると、獣の影響は考えにくい。
人を察知して引き返したと考えるのが妥当だろう。

 ウミガメが安心して上陸できる浜にしたい。

2016年6月6日(月)
浜崖に挑戦

 高い浜崖に挑戦したタフなウミガメの足跡があった。
浜崖の砂が落下した斜度30数度の斜面を、胴体がひっくり返りそうな角度で這っていた。

浜崖を登ろうとした跡があったが、すぐにあきらめて浜崖の裾に産卵していた。

2016年5月30日(月)
朝帰り

 潮が引いて遠くなった河口に向かうアカウミガメがいた。
2時頃に上陸して産卵している。
河口近くで帰海するウミガメの多くは、早く泳げる近い渚には向かわず、渚と並行になり遠い方の河口に向かう。
こんな時、ウミガメの視野に立つだけで方向をコントロールできる。
今回も素直に休みながら渚に向かった。

2016年5月25日(水)
必死

 この個体は3日連続で上陸しているが、産卵していない。
足跡に特徴があり識別できた。
時々見掛けるベタ子さんとは違う個体のようだ。
上りは、ピッチが狭く弱いながらも
一般的な足跡に近いが、産卵を諦めて帰海するときの下りの足跡は、ピッチがさらに狭く胴体を引きずりながら、ようやく這ったようだ。 
 ここまで上り下りで足跡が違うのは珍しい。産卵もしていないのに。
元々弱い個体のようだが、3日連続の上陸でことさらに疲れているのか?
一見、ゴミのせいで引返したように見えるが、一般的にはまったく問題ない。

2016年5月18日(水)
太ったコイ

 二日連続で大きなコイが漂着していた。
尾を除いた体長が70cmほどで丸々と太っている。

 子供のころ、父親が大きなコイを捕ったことがあり、自慢げに話を聞かされた。
昔は近所の川でウナギやコイを捕り食卓に載った。

 今、毎日覗く水路には数十匹の大きなコイが加世田川から流入して泳いでいる。
捕って食しようと思う人はいないようだ。

2016年5月12日(木)
未産卵

 産卵のために穴を掘ろうとしたが、竹や木切れなどのガレキが多く埋まっていて、穴掘りを諦めたようだ。

 昨秋に竹や木切れなどの漂着が例年より多かった。
飛砂である程度は埋まり砂面では目立たない所もあるが、漂着帯は多く今年は同様の未産卵が増えるかもしれない。

2016年5月7日(土)
ハマヒルガオ

 ハマヒルガオが目立つようになってきた。

 ほぼ国内全域で見られるようだが、要注意外来生物のコマツヨイグサの影響で減少しているとの話題があるようだ。

2016年5月1日(日)
クジラの調査

 2日前の早朝に3頭の小型クジラが漂着したのを記録していた。
今朝は、調査員とタイミングよく浜で遇ったので1頭の調査作業を見学させていただいた。
 漂着体は3カ所の浜に離れていたので、3体を調査するためには砂浜だけでも7kmほどを歩かなければならなかった。
 遠来の宮崎大学、長崎大学と鹿児島水族館の5人からなる調査チームによる真摯な働きぶりを見ていると、なぜか元気が出てきた。

 種はオガワコマッコウと聞いた。

2016年4月23日(土)
初産卵

 昨夜、初上陸し産卵した。
21時半頃、600mほど北に初上陸したが、適地ではなかったようで、海に引き返していた。
南に再上陸し、砂浜を数回上り下りして念入りに産卵場所を決めていた。
夜半前に産卵したようだ。

 20年間で最も早い時期の初産卵になった。

2016年4月15日(金)
7年ぶり

 7年ぶりに鉄管が頭を出した。
万ノ瀬河口北岸がもっとも後退したその頃は、1メートル以上出ていた。
 ここ半年ほどで北岸の変化を感じていたが、意外に変化が早かった。

 堆砂する所がある一方、砂が減少する所もある。
砂浜の砂の移動は活発だ。

2016年4月11日(月)
コウボウムギ

 コウボウムギの穂が目立ってきた。
内陸では桜をはじめとして、春は百花繚乱で華やぐが、浜で目にする春は少ない。

 染井吉野は気候のせいで、例年のような花びらがひしめく満開とはならなかった。
5分咲きのような、花びらが少ないままでピークになってしまった。

2016年4月2日(土)
染井吉野が変

 今年の染井吉野は変だ。
加世田の各地で、3月23日に5輪以上の開花を確認した。
もう見頃かと各地を回るがどこも1〜2分咲きだ。

 気分を変えて浜に出ると、中潮の浜は乾いた砂が広がり春うららか。

上着も脱いだ。

2016年3月22日(火)
砂嘴

 7年ほど前、万ノ瀬河口の南岸に河口を横断するかのような砂嘴が発生した。(参考記事、当浜日記2009年 10/22  11/25)
その砂嘴は河口上流側に折り曲げるように、年々変化し4年ほどで接岸した。

 今、大潮満潮時にはラグーン様の風景を造る。

2016年3月12日(土)
パドルボード

 早朝の気温の数字は冬。 まだ寒い
しかし、砂丘のハマゴウの芽吹きが目立ってきたのを見ると、浜の春を実感する。

 ボードの上に立ってオール1本でも操るパドルボードが普及してきた。
少し高い前砂丘から、気付いてズームアップした。
少々マリンスポーツを嗜む身にすれば春を増感する風景だ。

 今日で前砂丘の観察が終わった。

2016年3月7日(月)
飛砂が少ない

 今冬の季節風は弱かったのだろう。
前砂丘の上に吹き上げた飛砂が少ない。
毎春に写真記録している前砂丘の観察から感じる。

 飛砂が造る、滑らかな曲線の堆砂が少ない。
きれいな風紋を見られる所も少ない。

 北西の季節風が強くなく、穏やかな冬だったといえる。

2016年3月1日(火)
キツネの穴

 キツネが掘ったと思える穴がある。
昨年は見掛けなかった前砂丘の所だ。

加世田万世区の前砂丘ではこれまで見掛けなかったが、キツネが増えたことを意味するのだろう。

 昨年はキツネによるウミガメの産卵巣の被害が急増したが、今年はさらに増えるかもしれない。

 

2016年2月28日(日)
天然の景観

広い砂丘の上に展開する広大な松原は美しい。 広さは日本屈指といえる。
写真の金峰山などの山容より下はクロマツが占める。

 この風景に煙突が立つかもしれない。
南薩地区4市の新広域ごみ処理施設の建設候補地のひとつになった。
今年の8月に決定らしい。
2016年2月19日(金)
モクズガニ

 浜に親しむ以前は浜辺でモクズガニを見たとき違和感を感じた。
子供のころ川でよく見かけていたからだ。

 多くのモクズガニは夏から秋は川に、秋から春は海に生活している。
通し回遊とよぶ習性のようで、ウナギやアユなどはよく知られているが、同様の川に生息する魚類は他にもいるようだ。

2016年2月14日(日)
飛砂と草

 ここの砂浜はなだらかで、草が飛砂を捉える様子が連なっているのを観察できる。
来年は飛砂が盛られた砂地の上に、草が成長して砂浜を成長させるだろう。

 砂浜の保全は草の存在が大きく影響する。

 草をよく見ると、新芽が出始めている。
いよいよ春がきた。

2016年2月4日(木)
立春

 今日は立春。

内陸では梅が咲き、早咲き桜の伊豆の踊子も開き始めた。

浜では、まだ春は見えない。

ハマゴウの茎が寒々しく春を待っている。

2016年1月25日(月)
雪景色

 昨日から雪だった。
天気予報を見て大雪を楽しみにしていたが、積雪は5cmほどで期待はずれだった。

 今回は砂浜の気温が低かったようで、砂浜まで白く化粧していた。
 海水温度が17℃ほどなので、条件によっては松林までは積雪しても、砂浜は積雪しないこともある。

2016年1月23日(土)
堆砂進まず

 堆砂が進んでいるかと期待していたが、そうでもなかった。
12月5日にお伝えした所を確認してみると、むしろ堆砂していた砂が減少したようで、漂着物が露出したように見える。

2016年1月15日(金)
漂着物と飛砂

 漂着した多くの竹や木切れなどが埋まった。

下の写真は70日前の11月6日の写真だ。
北西の季節風による飛砂で漂着物が埋まり、今日の写真になった。

 竹や木切れのゴミは厄介者だが、砂浜の植生が飛砂を捉えて砂浜を育てるように、同様な作用の一面があるようだ。

2016年1月1日(金)
2016年元旦

 天気の良い元旦だ。

昨日31日は、感謝をこめて西方に向かい手を合わせた。

元旦の今日は、健康を願って初日に向かい手を合わせる。

ウミガメと関わるようになり、毎年の簡単な儀式になった。

2015年12月20日(日)
砂中温度

 今日の南日本新聞の記事に、徳之島で12月17日にアオウミガメの子ガメが脱出したとの記事だった。
自然な状況でのようだ。

 今年は時々だが12月まで砂中温度を測っている。
11月末には15℃前後に急に下がり、最近は11℃前後だ。
温暖な今冬だが、吹上浜では冬の自然な脱出は想像できない。
以前から子ガメの旅立ち可能な温度には興味があり、記録を取っている。

2015年12月18日(金)
万ノ瀬河口

 15年ほど前は万ノ瀬河口は北に蛇行していた。
風と大雨など自然の作用で砂が移動して南北に変化しながら、今はストレートに東シナ海に流れる。

 少し上流ではハマボウ群落やハクセンシオマネキの日本最大級の生息地など、国指定天然記念物になっている。  自然なままの河口は少ない。
自然なままの河口が守られることを願う。

2015年12月5日(土)
堆砂



 ここ2日の季節風で堆砂が始まったか。

秋の浸食で段差になり直角になった段差の下部に、強い北西の季節風で砂が吹き寄せられた。

初夏に向って堆砂を期待しよう。

2015年12月1日(火)
冬の使者

 

万ノ瀬河口に今年もやってきた、冬の使者
クロツラヘラサギ。
干潮時には、サンセットブリッジ付近で摂食に忙しい。

 18年ほど前から毎年欠かさずに訪れる。

2015年11月25日(水)
獣害

 今年の獣害についてまとめてみた。
産卵巣総数74巣のうち、78%が獣害に遭った。
獣害に遭った58巣の内、猪による巣が44%、キツネと狸による巣が75%になる。(重複する)

 獣害に遭った巣は毎朝の活動で救出した卵も多くあり78%の巣の卵が全滅したわけではない。
獣害に遭った多くの巣が、一晩で全滅することは稀である。

2015年11月15日(日)
津波

 昨日の早朝に地震があった。
震源は南西沖、
震度4でマグニチュード7は、この地域では珍しく大きい。

 1mの津波予報がでた。
到達予報時刻は満潮より2時間ほど前で中潮。

 浜の高潮位を観察すると、通常と変わりはなかった。
写真の小さな段差は直近の大潮満潮線だ。

2015年11月5日(木)
護岸工事

 昨年、永吉川河口の北の浜で、工事現場などで見かける高さ1.5m程のコンテナバッグを延長350m程並べていたが、北端に10個ほどしか見当たらない。その手前には砂と同色の厚いフェルト様の人工布で覆われたと思われる堤防状のものが30m程ある。

 同じ浜に、昨年はなかった石を入れた合成繊維製の網が浜崖の下に延長300m程置かれている。

2015年10月31日(土)
シーズンオフ

 今期で一番遅い産卵巣を、猪が底まで掘り返した。
8月18日に産卵されてまもなく、一部の卵が獣害に遭ったがまだ残っていた巣だ。
獣害直後の台風で巣の上に漂着した大量のガレキを巣の保護策としてそのままにした。 そのままでは子ガメが脱出できないので、2週間ほど前にガレキを除去していた。

 この巣で今期のウミガメ保護観察は一段落。

2015年10月21日(水)
秋晴れ



 晴天が続いている。

9月以前は雨が多かった。
一転、連日の晴天で気持ちがいい。
毎朝、リフレッシュできることは小さな幸せを思う。

 ウミガメの巣はあと3カ所となった。

2015年10月12日(月)
キツネが増えた

 足跡と堀痕から考察すると、キツネによるウミガメの巣荒しが増えてきた。 最近は、ほぼ猪とキツネと言える。
1998年から始まった獣害の多くは狸の仕業がほとんどで、キツネは少なかった。
今年は猪が加わり、その他はキツネに変化した。
 本ページの今年3月14日に記載した、キツネの巣が増えていることの表れかもしれない。
猪と共にキツネが増えて、生態系が変化したことが考えられる。

2015年10月11日(日)
カイトボード

 万ノ瀬河口でカイトボードを楽しんでいる。
今朝は珍しく風が強い。 好条件なのだろう。
広いとも思えない河口で、5人が結構なスピードで宙に飛んだり楽しそうだ。
 ギャラリーは対岸に数人、こちらには一人だけ。 もっと多いほうがプレイヤーも気分が良さそうに。


 京田道の冠水が引き、京田海岸から4ヵ月ほど振りに通行できた。

2015年10月8日(木)
オオソリハシシギ



 別種のシギかと思い撮ったが、写真をよく観察するとオオソリハシシギのようだ。
夏は北極圏で繁殖し、冬は東南アジアなどに移動する渡り鳥だ。
春と秋に日本に渡来するらしい。

5羽いた。

2015年9月30日(水)
高潮

 昨夜はスーパームーンが話題になった。
月が地球に最接近になれば、引力による天文潮位は?

潮見表を調べてみると、錦江湾の鹿児島で319cmだった。
今年の最高天文潮位だ。
過去5年間の秋で最低の最高潮位と比較すると、11cm高かった

 梅雨から浜全域に広がっていた多くの漂着ゴミが、高潮により一部の浜で一掃された。
東シナ海の台風などの気象潮の影響もあり高潮になった。

2015年9月22日(火)
産卵していた

見事なシャワートラックだ。 70匹ほどの子ガメが零時以前に旅立った

 アレッ、ここに巣があったっけ?
調べると、未産卵の記録になっていた。
その時、内陸まで複雑に続いた上陸の足跡を念入りに探索し、通過地
とみた草地に産卵していた。

まいった。

2015年9月14日(月)
シラス漁

 漁船がたくさん出てきた。
たぶんシラス(イワシの稚魚)漁だろう。
一年中行われている。


 今年は京田道が水溜りで通行に使えないので、大潮の期間は長命堀海岸の道を使っている。
唯一、水溜りがなく通行できる。

2015年9月10日(木)
シャワートラック

 出た! シャワートラックだ。

今年は雨が多いせいで、砂面に子ガメが残す足跡を見る機会が少ない。 まだ数カ所しか観察されていない。

今年はシャワートラックは見られないかもしれないと思っていた矢先だった。

 これを見ると素直に嬉しくなる。
いつまでも眺めていたい気持ちだ。
2日前から、そろそろかと思いガレキを除去していたので、ことさら気持ちが良かったかもしれない。

2015年9月7日(月)
脱出

 子ガメが一昨夜に窪みを残して旅立った。

 昨日は田布施小学校の観察会だった。
大雨雷注意報が発令されたなか、心配したがはたして。

人数は10人ほどと少なかった。
少なければ緊張も少ないせいか会話も増えて楽しかった。

 残念ながら余裕はあったはずなのに、写真を忘れた。

2015年8月24日(月)
無念の観察会

 今年で12回目の県立少年自然の家の観察会。
前々日、旨くいったことで少し安心していた。

獣害に遭い、被害を免れた卵を移植していた数カ所を移動しながら観察すると、数匹しか観れなかった。

 今年は上陸数大幅減少、猪害初年度、砂中温度低下などの言い訳が言えるが、工夫の余地はある。
反省。

2015年8月22日(土)
観察会

 今日は加世田小学校の観察会だ。
はたして子ガメを観てもらえるか。

 天気予報にはなかった未明の雨で、参加予定者は減ったものの100名ほどの参加者が集まった。
 唯一の予定された巣で子供たちの歓声が上がった。

 今回は危機感もあってか、PTAのお母さん方の協力と共感のお蔭で心地良い喜びを感じることができた。

2015年8月15日(土)
遅い発生

 獣害で破られた卵の胚を観察すると発生が遅い。
6月6日に産卵されたので、70日目にしてこのステージとは意外だった。
産卵シーズン早期
の卵は発生が遅いのは承知している。
予定された巣の卵は観察会に間に合うのか、これまでに経験のない心配がでてきた。

 日照が少ないことで砂中温度が低いようだ。
7月中頃から天気予報の週間予報で、連日の晴が雨に修正され、次々に孵化予定日の修正が必要になった。

2015年8月11日(火)
再獣害

 やられた。
猪とノイヌによる獣害対策として、3案目が一月ほど被害を受けなかったので少し安心していた。
 4案目を試し始めたら、3案4案ともやられ始めた。
 産卵晩期になってからガックリだ。

 観察会で子供たちに子ガメを見せられるかどうか。
今年は産卵巣の数が大幅に減少したし、より自然な状態で観察してもらうのは厳しくなってきた。

2015年8月5日(水)
遅い上陸

 ようやく、明るくなり視界が開けてきた。
ふと遠い干潟を見ると、ウミガメが小さくゴミみたいにも見えたので近寄ってみた。

 夜明けの近い4時頃に広い干潟に上陸したようだ。 迷ったのか海に引き返したが、また砂浜を目指し100mほど這った挙句、上陸をあきらめて海に向かっていた。 西に向かえば近いものを、なぜか南に向かっている。
 結局干潟を300mほど這った。

2015年7月27日(月)
獣害

 前砂丘の急斜面をノイヌがあわてて駆け上がって逃げていく。
カメラを構える間もなく草間に消えた。 残念。

 逃走する姿はキツネかと思ったが少し違った。
足跡がキツネより大きかったのでノイヌだろう。
犬とキツネの交雑種でドクスと呼ばれる種もあるようだ。
それも調べてみたが、キツネより大型のドクスは生まれないようなのでノイヌと記録した。
昨日産卵した巣がやられた。

2015年7月23日(木)
グンバイヒルガオ

  グンバイヒルガオが3輪咲いている。

 
3年前に積雪した厳しい冬に多くの株が駄目になった。
以前は年々増殖していて、南の島で繁殖する花なので、温暖化の影響もあるかと少し不安も感じたが、今年も増殖は見られない。

 開花に気付いたのは早いように思う。

2015年7月16日(木)
まだまだ冠水が

 京田海岸への道は冠水したままだ。
人が通れるようになるには暫くかかりそう。
今年の梅雨の降水量の多さは再認識させられた


 砂丘上の松林のなかにも多くの池ができた。
知る人ぞ知る、雨季の砂丘上の松林に出現する池は知っていたが、砂丘の水の浸透力が低いのは意外だ。

2015年7月12日(日)
クリーン作戦

 今年もクリーン作戦が行われた
子供会を主に各地域で実施されている
例年海岸は2か所行われるが、京田海岸は通行不能のため実施できなくて、万ノ瀬河口付近だけで実施された。

 ぺットボトルなどの人工ゴミが多く集められた。

2015年7月3日(金)
川は地域の宝物

 標柱が漂着していた。
「川は地域の宝物 大事にね」
設置者の長屋元気むらは、吹上浜に流れる、万ノ瀬川上流の支流域にある。

2015年6月26日(金)
段差

 満潮の頃、上陸したようだ。
波が作る段差が増える時期になった。
段差が30cm前後より高くなると、ウミガメが越えるのは難しくなる。

 アカウミガメの上陸数が少ない。
6月25日で44ヶ所の上陸数は、昨年の3分の一でしかない。

 予想を大きく下回る数字だ。

2015年6月19日(金)
砂丘に水溜

 雨が多い。 南さつま市の雨量は例年の3倍ほどとか。

前砂丘の窪地が水溜りになっている。
渚も近いので、念のため指を濡らして舐めてみると、塩気は全くない。 水溜りができるのは知っていたが、目にするのは初めてのような。

 京田海岸への道はかなり水没し、車は通れない。
人も難しいだろう。
昔、車で無理をしてエンストし、悔いたことがある。

2015年6月7日(日)
救出

 当方が砂丘鉢と呼ぶ砂丘の窪地に大型のアカウミガメがいた。
『海と反対方向だけど、傾斜が緩いからこちらに押し上げるぞ』
『助っ人は何回も見たけど誰もいないし、もう少し頑張れ』
あちらにこちらに尻を押すが少ししか動かない。
「2日前から頑張ったけど無理だって」

 閃いて、海側にスロープを作り始めると、
「それなら登れるかもね。頑張って」
いつのまにかスロープの方に向かってきた。

路肩に落ちないように、やっとこさ押し上げると、
「ご苦労さん。 またよろしく」

弱そうに見えたが、意外と元気よく渚に向かった。

2015年6月2日(火)

 今日は潮汐の関係でサイクリングロードを利用した。

少し離れた先の道を猪が横断した。
あわててカメラを取り出し、ズーム一杯に捉えた。
カメラを収めた途端、幼い猪が数匹とことこと現れた。
慌てて写真は上手く収まらなかった。

 ここ暫く、浜で猪の足跡を見掛けない。
子育て時期と関係があるのか?。

2015年5月29日(金)
獣害

 昨日、キツネが掘った巣は卵まで達しなかったと思った。
今朝も卵の殻は見当たらないし、実害はないと思った。
しかし、巣の状況を観察すると変だ。
周辺を見渡すと、少し離れたガレキ帯に多数の割れた殻がある。
昨日も実害があったようだ。
摂餌マナーを心得たキツネだ。

 昨日が今年最初の獣害になる。

2015年5月18日(月)
抱卵

 雨の中、シロチドリが卵を抱いている。

人影がなく雨の浜は淋しい。
濡れないよう行動が抑制され不自由でもある。
警戒しながら健気に抱卵するシロチドリに共感か、親しみが湧く。

2015年5月14日(木)
朝帰り

 遠目に大きめのゴミかと思っていたらウミガメだった。
ウミガメの方が先に当方に気付いたようだった。
産卵を終えて、巣が分からないように前脚で砂を跳ねカムフラージュの動作をしていたようだ。
 当方に気付いたせいか、動作を止めて帰海を始めた。

 産卵を終えたウミガメは、たいそう疲れるようだ。
人間から早く遠ざかりたいのだろうが、体が重そうに休みながら渚に向
かって這っていく。

2015年5月5日(火)
シロチドリの卵

 シロチドリの卵が3個あった。
実に無防備な巣だ。
卵は砂色と黒色の迷彩柄で気付きにくい。

 環境庁では絶滅危惧2種に指定している。
大潮満潮線から植生帯の抱卵帯は狭い。
浜で気付いたら、手を触れず速やかに離れることをお勧めしたい。

近くで親鳥が心配そうに見ています。

2015年5月1日(金)
開聞岳

 万ノ瀬河口の一部から開聞岳が見える。(写真の左中央に小さく)
今朝は久しぶりに視界が澄み、さすが薩摩富士の名も持つ秀麗な一部が清々しい。

 小さな山容だが、北斎の富士も脳裏をよぎり掲載することにした。

2015年4月24日(金)
初産卵

 今年のウミガメ初上陸は4月22日と早かった。
3日連続で上陸し、24日に
初産卵。
いずれの上陸も同個体と思われる。

 まだ先と思っていたが、思ったより早いウミガメのシーズン入りになった。

2015年4月18日(土)

 猪が多くの採餌痕を残している。
よい餌場を認識し、生活の場となったようだ。

 昨年の9月から始まった、猪による産卵巣への被害には愕然とした。
狸とキツネの獣害対策は解決していたが、猪への対策を講じなければならない。

今年の子ガメ観察会は応じられるか問題だ。

2015年4月14日(火)
砂の祭典

 吹上浜 砂の祭典の砂像制作が本格的に始まった。
5月1日から開催される。
31日まで砂像は見られるが、1〜6日までのゴールデンステージはお祭りの雰囲気が楽しい。

 水で固められた砂山から掘出される砂像には、毎年見ても感動する。

 会場の周囲は広大な松林に囲まれているが、吹上砂丘の表面が黒松で覆われた砂丘だ。

2015年4月5日(日)
緑が増えてきた

 ソメイヨシノの花吹雪も見た。

桜の追っかけが終わると、
いよいよウミガメのシーズンを迎える準備を始める。

 前砂丘のコウボウムギが緑を濃くしてきた。
浜昼顔なども遅れて葉が目立ってきた。

2015年3月22日(日)
小野川

 吹上町の小野川河口が変化した。
4か月ほど前には河口の砂嘴が南に伸びていた。
 夏には南からの風が強い時もあり、河口の砂嘴が北に伸びることがある。
しかし、冬には北西の季節風が強いことが良く知られており、砂嘴は南に伸びると思っていた。 

2015年3月14日(土)
キツネの巣

 キツネの巣のようだ。
昨年の春に、獣の巣と思われる穴に気付いていた。
今春は、すぐ近くに5カ所となっていた。
穴のサイズは20x23cm前後。
数時間以内に砂を掃き出した砂盛りがあり、足跡が鮮明だ。
ある穴の入り口には鳥の羽が2本見える。
奥をのぞくと暗くて見えない。 フラッシュ撮影してみたが暗いまま効果はない。
 穴を離れ数分すると、大きめのキツネが穴から飛び出していった。

2015年3月5日(木)
噴火

 桜島の噴煙がもくもくと上昇してきた。
今回の噴煙は横にも広がりを感じる。
もしかして大爆発か、少し気になりながら見ていると噴煙の高さから察すると大丈夫のようだ。
数分後の噴煙は風に流されてモクモク感がボケるが、今回はあまり感じなかった。

 気象庁の記録を見ると、噴煙は標高3150mだった。
思いのほか毎年記録報道されるカウントには計上されてなく、
20分前に爆発した100m低い噴煙が今年155回目になっていた

2015年2月28日(土)
前砂丘

 この地区付近の前砂丘が、強い季節風による飛砂で変化が顕著だ。
10年ほど前までは他の地区で顕著だったが、数年前からこの地区の方が顕著になった。

 前浜からの飛砂が浜崖の上部に吹き上げられて前砂丘が少し高くなりつつあるようだ。

2015年2月20日(金)
芽吹き



 芽吹きが始まった

砂浜ではコウボウムギから芽吹きが始まる。
まだ、砂浜の植生帯は砂と枯葉のベージュで一色だ。
気を付けないと芽吹きは目立たないが、春の訪れを教えてくれる。

 今日は久々に快晴で穏やかな風が心地よい

2015年2月14日(土)
ヒジキ



 ヒジキが漂着している。

緑っぽいということは、離床して間もないということなのか?
漂着を見掛ける時期としては少し早いような気もするが、冬は週一ほどしか浜に出ないので定かではない。

 有効利用できれば良さそうと、いつも思うのだが無知な者の思いか。

2015年2月3日(火)
気嵐

 浜の気温は氷点下1度。

 気嵐が河口周辺だけに、雲のように白く広がっている。
その奥に青い海原が広がり、陽に照らされた気嵐の水蒸気がコントラストよく見やすい。

 砂丘の砂面は霜で淡くうす化粧。

2015年1月20日(火)
カワウ

 カワウが採食に出勤だ。
夜明けて充分明るくなったころ、コロニーを飛び立ってくる。
万ノ瀬
河口から2kmほど奥まった河岸の松林がねぐらだ。
毎年同じ場所をねぐらにしているコロニーは、数百羽の糞で立木は枯れている。

 冬の渡り鳥だが、どこから飛んでくるのだろうか。

2015年1月13日(火)
クロツラヘラサギ

 クロツラヘラサギが寒そうに一本足で立っている
東アジアのみに生息し絶滅危惧種だ。
 17年ほど前に、初めて万ノ瀬河口で気付いた頃は世界で350羽ほどと報道された。
2014年1月の「日本野鳥の会」による調査によると、世界で2726羽、日本(九州)で350羽、鹿児島県で62羽が記録された。

 朝鮮半島北部の離島で繁殖し、台湾、ベトナム、日本(九州)などで越冬するらしい。

2015年1月3日(土)
初浜歩き

 正月二日は強風と雨で荒れた。
今朝は風もなく良い天気だ。
初浜歩きは今朝になった。
往路は意識した区間はきれいな直線の足跡を残したが、復路は意識したが曲線になった。
渚のラインに惑わされたようだ。

 舗装された路では足跡は残らないが、砂浜ではきれいに残る。
いい足跡が残るような年になるよう心掛けたい。

2014年12月26日(金)
セグロカモメ

 1羽のセグロカモメが波に漂っている。
飛び立たないうちに、望遠ズーム一杯に撮りながら歩いていると、意外と近くになっても平気なようだ。
むしろ、歩いていく渚に近づいてくる。
気のせいか、カメラ目線のようにも見える。

10m程まで近づいてきた。
可愛いいセグロカモメだ。

2014年12月19日(金)
万ノ瀬河口

 南北の海岸線に並ぶ位置に万ノ瀬河口の砂州が目立ってきた。
5年前に発生した砂嘴が発生した所だ。
まだ、大潮の満潮時には冠水するが発達するかもしれない。

 今朝は強い霜の朝で寒かった。
天気予報では暖冬らしいが。

2014年12月8日(月)
ボール遊び

 浜にはサッカーボールや野球ボールなどが漂着している。
ウミガメと関わり始めた頃、久しぶりにソフトボールを拾い投げたところ若い頃の半分の距離しか飛ばなかった。
運動をしていないと、こんなにも運動能力が落ちるとは驚いたものだ。
久しぶりに蹴ってみると、
まっいいか。

2014年11月26日(水)
堆砂

 今年は高潮の影響で前浜が後退したようだ。

例年ではあるが、前砂丘の前面に発生していた段差が飛砂で埋まり始めた。
1mほどだった段差は、春には埋まって目立たなくなるだろう。

 大量の漂着物で堆砂垣を試みようと思ったが埋まってしまい時期を逸した。

2014年11月15日(土)
永吉河口

 永吉河口は、一年前と大きく変わった。
昨年はコンクリート製の突堤南岸が露出していたが再び埋まり、南北にS字を描き3回も流れを変えている。
 強風と波が南北から時期を変えて砂を移動したのか。





 永吉河口から600m程北の前浜に護岸工事をしていた。
砂を詰めた高さ1.5m程の大きな合成繊維製の袋を埋めるようだ。

来年以降の経過に興味をそそられる。

2014年11月6日(木)
掘出調査

 昨日、一昨日から2日間、早朝の気温が5℃以下と連日冷える中で、地表の下に3匹の子ガメがいた。
巣の中の砂中温度は不十分ながらまだ暖かい。 しかし地表近くは低温で動きが止まったようだった。
少し温めてから動きが出てきたので放流した。

 今日は低温度の問題もあり、孵化状況を調査するために掘ってみると、まだ5匹の子ガメが底近くにいた。

 

2014年10月31日(金)
厳しい旅立ち

 今日は掘出し調査をしようと思っていた巣から二匹の子ガメが旅立っていた。
満潮線から少し海側まで残された子ガメの足跡から察すると、夜半過ぎに海に入ったようだ。
一匹の足跡は低温で弱っていたのか彷徨っていた。

2014年10月25日(土)
そろそろ収束

 巣の中の温度が下がってきた。
早朝の気温も随分低い。

 数日前は地表まで脱出したものの、気温が低く動きの弱い子ガメを渚まで運んだ。 弱っていたせいか、なかなか波を乗り越えられなかった。
 今日は居合わせた父子の釣り人に、子ガメを見送ってもらうよう頼んだ。
海水の温度は気温より高い。

 そろそろ子ガメの旅立ちは収束だ。

2014年10月14日(火)
台風19号の目に

 昨日は台風19号の目に入った。
吹き返しの風が強いか、と待つが風は収まったままだ。
台風の目は幼いころから多く経験してきた。
強風が収まったままの台風の目は記憶にない。

 直撃だったので浜の浸食が心配だったが何のことはなかった。
予報が今回も大型との報道だったので、心配し台風の進路を気にかけていた。


2014年10月6日(月)
台風18号

 台風18号の影響は少しあった。
浜崖が再現したところもある。
太平洋から中部日本へ向かった台風18号の影響はないと思ったが以外と北西の強風が波を大きくした。

 写真の場所は60cmほどの段差になった。
段差の中層ほどに草根が層をなして暖簾状に垂れている。
1年前の砂面に生えていたハマゴウを、冬から春の堆砂が覆った。
1年間の砂浜の浸食と堆砂を見せる。

2014年9月30日(火)
子ガメの救出

 猪による獣害が目立っていたが、相変わらず狸などによる獣害もある。

 20匹の子ガメが渚に向かった足跡をたどっていくと、砂の中から這い出た跡を少し掘っていた。 15cmほどの深鍋状の穴になっている。
 その後、砂の中から這い上がってきた12匹の子ガメが穴から出られずにもがいていた。
まだ活発だったので、長い時間は経っていないようだ。

2014年9月27日(土)
北上した猪

 猪の活動域が北上している。
南部から始まった猪による獣害は、次第に北部へと移行してきた。
 今日の足跡から察すると夜半から薄明の頃に浜に出たようだ。
潮の引いた干潮帯を走り回り、カニを追ったのか多数の浅い窪みが残されている。
写真で色濃く見えるのは、窪みと足跡である。

 子ガメだけではなく、猪のトラッカーにもなった。
 

2014年9月20日(土)
こんな風景も

 浜に21年も通って初めて気づいた風景。
 いつも波があり、水面に映る風景に気を留めることはなかった。
新鮮な風景だ。

 潮が引き沿岸洲と砂浜の間に海水が閉じ込められている。 もう暫くすると海水が浸みて見えなくなる。

2014年9月15日(月)
猪が連日

 猪が連日ウミガメが産卵した複数の巣を掘り返す。
狸の掘り返しには獣害防具で防ぐことができたが、猪には通用しない。

 食性は草食が多く肉食は少ない雑食らしい。
こんなにも連日続くとことを考えると、味覚を知り好餌のひとつになったかもしれない。
 来年は多くのウミガメの巣が荒される懸念がでてきた。
子ガメの観察会は危ぶまれる。

2014年9月11日(木)
ハート形

 多くの子ガメ脱出した後にできた窪みがハート形に。
22cmx16cmのサイズは大きいほうだ。
 シャワートラックも残っていたが、砂面が締まって子ガメの足跡は鮮明ではなかった。

 今年は雨と曇天が多く、砂浜が締まり気味で鮮明なシャワートラックを見る機会が少ない。

2014年9月7日(日)

 猪がウミガメの巣を荒らすようになった。
3〜4年前から浜で猪の足跡を見かけるようになっていた。
初めて荒らされた巣が、観察会に利用した巣だったので驚きだった。 1週間も早く始まっていたら子ガメを見せることはできなかった。
 猪は掘り返す力が強い。 狸のそれが可愛いものに思えてくる。

 1997年から急に狸の食害が始まり、狸による獣害が保護活動の大きな負担になっている。 猪も生活習慣になることが予想される。
来年から、猪の獣害も加わると思うと気が重くなる。
猪の掘り返しには対策がない。

2014年8月30日(土)
ガレキの下から

 今朝は田布施小学校の親子が集まってウミガメ観察会。
雨の心配がある中で早朝から集まってくれた。

昨夜までの雨の跡が多くて子ガメの足跡は観察できない。

昨日の観察から、微妙ながらシャワートラックも予定していたが残念。

 台風8号の高潮で打ち寄せたガレキが、6月に産卵された巣を覆ってしまい、脱出が遅くなっている巣があった。 前から気になっていたので、今日はその巣から子ガメを助け出す「お助けマン」をしてもらった。

2014年8月25日(月)
南薩少年自然の家

 すっかり定着した、南薩少年自然の家のウミガメ観察会。
 30匹以上の多数の子ガメが残した足跡で、当方が一番に感動するシャワートラックを、今回は久しぶりに見ていただけた。
暗いうちに60匹ほどの子ガメが元気に旅立っていた。

 今年は低温度と雨で子ガメの足跡が観察しにくいなか、今朝は今年初めて4個所のシャワートラックを観察した。
自分だけ気分が高揚していたせいか、大事なコメントは締まりがなかった。
いつもではあるが。

2014年8月23日(土)
観察会

 今朝は、加世田小学校と勝目小学校の合同でウミガメ観察会だ。
2カ月前から予定していた移植巣は、台風や8月の曇天の日照不足で脱出の予想を2回も修正した。
昨年は砂中温度の高温度で早くなったが、今年は低温度と連続で記録的な体験だった。
 結果的には160名ほどに子ガメを触れていただき、楽しんでいただいたようだ。

 多人数なので暗いうちから駐車場の整理など、係りの方の協力のお蔭で無事に開催いただけた。
早朝に関わらずイベントに参加いただいた家族には共感していただいて嬉しい。

2014年8月19日(火)
セーフ

 今回の巣は台風の大波から逃れた。
小さな段差の上に径18pの脱出した窪みがある。
残念な巣が割と多い中で、旅立った子ガメの数がまずまずの割合でも少しホッとした気持ちになる。

 獣害や浸食、堆砂などの巣が多く目に留まり、まったく無害の巣を確認できると嬉しい。

2014年8月12日(火)
浸食

 台風8号と11号の浸食で巣が浅くなっていた。
砂面から30cmほどの深さにあった巣の上層が露出したようだ。
段差の下に卵塊があった。 底が20pだった。

過酷な環境だったと思われるが、8匹の子ガメが足跡を残していた。 ふ化して早い時期に脱出したようで、なかには大丈夫かなと思われるのもある。
69日目の脱出だった。

2014年7月28日(月)
カニの脱皮

 干潮帯でふと気付くと、 珍しいカニだ。
と思ったら、脱皮した殻だった。
胴の側面が割れて抜け出ている。
ハサミの部分だけが抜けない状態で息絶えたようだ。

手に取ろうとするとパリパリッと簡単に壊れた。

2014年7月24日(木)
ベタ足さん

 明るくなった浜で穴堀中のウミガメが。
足跡を見ると10数年前から馴染みのベタ足さんだ。 驚いた。
頭部を確認し、気付かれないように近づいて観察すると、後脚が胴部から失われていた。 右後脚だけで掘っている。
左後脚もあるかのように、胴体が左右交互に動く。

 2日前にも上陸した時、障害物もない中断された3ヵ所の穴を疑問に思った。
右だけの脚で納得できる穴を掘れる砂浜は少ないのかもしれない。
いや、ごく浅い産卵も見かけるので、疑問はまだ解けない。
遅い上陸ですっかり明るくなったせいか、今回も穴堀を中断して海に向かってしまった。

2014年7月16日(水)
梅雨明け

 梅雨明けだ。
浜に出た途端、そう感じた。 空が明るい。 雲が高い。 空気が爽やかだ。
気象庁が何と言おうと確信した。

 今年の梅雨は例年になく大変さを感じなかった。
例年、梅雨の時期はきつく思うのだが楽だった。
雨模様の予測が、当方なりに進化したのも気持ちが違うかもしれない。 メディアの予報と違うと余計に気持ちが萎えていた。
実際に雨も少なかったように感じている。

2014年7月13日(日)
台風一過

 台風8号はたいしたことはなかった。
気象庁の予報が大型台風とのことから、吹上浜に産卵されたウミガメの卵の多くが流失するかと思った。
 詳細は分らないが被害は甚大ではなさそうだ。
数か所掘ってみると、産卵巣の上層は10cmほど増減している。

 例年の今頃は産卵の多い時期だが、台風後3日間で15カ所上陸して産卵したと思えるのは1カ所だけだった。
砂浜の地形が変化したのを、ウミガメが戸惑っているのだろう。

2014年7月4日(金)
救出

 ウミガメの足跡が一本しかない。 ということは、まだいるか?
いた。 当方が砂丘鉢とよぶ、風が造形した大きな鉢状の低い斜面に大型がいる。 当方に気付いて動き出したがずり落ちる。

 23時以前に上陸してから8時間以上、底地から斜面を歩き回った重なる足跡が痛ましかった。
ウエストポーチを外し、ウミガメのお尻を押し上げた。 30秒程毎に休みながら、思わず言葉がでる。 20分ほどで前砂丘のフロントまで頑張れた。
渚を見下ろすフロントまでくると、途端に引き返す。
 急斜面を落ちるのが怖いのだろう。 お尻を持ち上げ強引に急斜面に落した。
幸いひっくり返ることもなく、滑り落ちてくれた。

2014年7月1日(火)
輪くぐり
 ウミガメは適地と思われる斜面まで上がったが、満潮線まで下り
満潮線を並行移動していた。 そこにプラスチックの輪がたまたま刺さっていた。
ウミガメはその輪を見事にくぐり抜けていた。

ウミガメの足跡巾は95cm、輪の巾は75cmで輪の巾の方が狭い。 
 月齢2.8で月明りもない暗い浜で輪も暗い青色だった。
前脚は大きく脚力も強い。
輪は壊れもせずに立っていた。 

その後、2回も適地と思われる斜面に上ったが産まずに帰海していた。
2014年6月25日(水)
産卵のち内陸へ

 ウミガメの足跡を写真で記録するのに、まず上り側から撮るようにしている。
 何も疑わずに撮っていくと下りだった。
 惑わされてしまった。
50cmほどの段差下を10mほど挑戦した後、諦めて段差下に産卵していた。 それからが意外な行動で、海に向かったが再び段差に向かって上ってから帰海していた。
産卵跡をカムフラージュするのは常だが、帰海の足跡もカムフラージュしたのだろうか。
頬が緩むとともに興味が湧いてくる。

2014年6月20日(金)
ワレカラ

何これ! イメージを持ち合わせないものに遭遇すると不気味だ。

 産卵に疲れ、潮が引き広くなった干潟をようやくの態で重い体を引きずっている朝帰りの母ガメがいた。
甲羅の海藻が風に揺らいでいるかと思ったら違った。100匹ほどの小動物だ。
調べてみると、ワレカラだった。 甲殻類のエビなどの仲間で端脚目らしい。 2cmほどの体長の両端に脚がある。

古来から知られ、「ワレカラ食わぬ上人なし」と諺があり、殺生を避ける高僧でも海藻などに付着しているのを気付かないままに食しているだろうの意味らしい。

2014年6月16日(月)
中断穴

 この個体はデリケートなのか。
産卵のために3個所も穴を掘ったが、産まなかった。
3個所とも深さ30cmほどで完成したかに見える。
ちなみに、穴を掘る前に体の周囲を掘り下げるボディピットの深さを足すと50cmほどになる。
埋没ゴミ、湿度、砂質、植生など障害と思えるものは思い当たらない。 満潮で冠水するなど、不適当な砂地に産卵する個体もよく見かけるが、ここは理想的な産卵場所に思える。

何故?

2014年6月8日(日)
初夏の浜

 乾いた沿岸洲が発達している。
初夏になると見られる、広くなった浜を今年は見られないな、と思っていた。
小潮前後で潮位が低く、波が弱い日が続くと乾いた沿岸洲が見られる。そして浜が広くなる。
写真の奥に細く見えるウミガメの足跡を観察できれば、沿岸洲の高低を分かっていただけるだろうか。

2014年5月30日(金)
獣害

 昨年から早い時期の獣害が始まっている。
昨日まで産卵された22巣の内、7巣が一気に獣害を受けた。
昨年は初めての早い時期で驚いたが、今年もいきなり多数の始まりは驚きだ。

 各巣の被害は少数で、多くの卵は残っている。
そのままではダメになるので処置しなければならないが、大きな負担だ。
獣害がなければ、ウミガメとの付き合いも少し楽になるのだが。

2014年5月24日(土)
段差下に産卵

 波で作られた段差の下に産卵している。
段差は最大70cmほどで、70mほどの区域だった。
ウミガメは、段差の広がる70mほどを端から端まで、上陸できる斜面を探して南下した。
 もう少しで段差がない所だったが、諦めて大潮で冠水する所に産卵した。 卵は155個と多かった。

今日で2回目の移植作業だ。

2014年5月16日(金)
初産卵

 今年の初上陸は5月14日だった。
過去の記録を見ると時期が遅い初上陸だ。

海水温の情報を見ると例年と、大きな相違はなさそうだ。
しかし、農作物の生育が遅い話を聞いた。 又、河口で釣り人から聞いた話では、スズキの幼魚であるセイゴの魚影が一週間ほど遅いという話を聞いた。

今日は初産卵

2014年5月11日(日)
海藻のシート

 一昨日前に漂着していた海藻がシートに折り重なっている。
潮位の変化と穏やかな波の造形で、まるでシートが重なっているようだ。

もっと厚く層をなして漂着した海藻は
布団を折り重ねたような造形になる。

2014年5月4日(日)
カツオノカンムリ

 カツオノカンムリ(鰹の冠)が、数kmの満潮線に大量に漂着している。 これほどの大量を見るのは初めてだ。

 
5cmほどの小さなクラゲの一種で、ヨットのような形をしており三角形の帆に風を受けて移動する。
外洋性で黒潮に乗ってくるらしく、カツオの群れと一緒に見つかるのでこの名があるらしい。 似た形態で、カツオノエボシ(鰹の烏帽子)、という種もある。

本体周縁部にある触手の刺胞に刺されると痛い。

2014年4月28日(月)
砂嘴とハマヒルガオ

 万ノ瀬川北岸の河口から上流に伸びる砂嘴が発達している。
砂嘴の砂は、河口より北の浜から波と冬の強い季節風に吹き飛ばされて移動した。
 観察用の100m毎に立てるナンバースティックを一本増やした。

 5年ほど前は潮間帯だった砂地にハマヒルガオが群生し、賑やかに咲いている。

2014年4月23日(水)
海藻

 海藻が大量に漂着している。 数センチほどの層をなして広がる。
秋に成熟する地上の植物と反対に、海藻は秋に芽吹き春に成熟する種が多いそうだ。
毎年、今の季節に見られる。

 美観的には腐臭もあり問題になる所もあるようだ。
ここらでは人里から遠く、観光地でもないので自然のままだ。
 漂着した海藻は砂浜の生物にとって栄養源になっている。
 

2014年4月12日(土)
ナンバーステック

 桜は終わった。
いよいよウミガメのシーズンが始まる。
 ウミガメの上陸は、まだ先のことだが、まずは浜に51カ所ある100m毎の印を点検や再生する作業から始まる。
ウミガメの上陸地や産卵巣など、記録のために大事な印だ。 ナンバーステックと名付けている。

 前年の位置と同じになることを優先しているが、微妙に誤差が出る。 調整には毎年迷う。 

2014年4月2日(水)
コウボウムギ

 コウボウムギの穂が成長した。
ここの浜では群生が一面に広がっている。
写真の手前には、濃い緑のハマヒルガオの若葉も目立ってきた。

2014年3月22日(土)
前砂丘の影
 砂浜から吹き上げられた砂が前砂丘列を造っている。
毎年少しづつ変化しながら、谷を造り小山を造る。
今朝は、その影が砂浜に描き出されている。

干潮時でないと、浜が狭いので見られない。
2014年3月12日(水)
ナミノコガイ

ふと足元に目をやると、まだ生きていると思えるナミノコガイがいっぱいだ。
砂に潜ろうと、殻を立てた姿勢のままも多い。
海水に満ちていないと、砂の中に潜るのは難しいようだ。

 広い浜に帯状に展開している。
少量はよく見かけるが、多量となると見かける機会は少ない。
 波に乗って移動し、海水のあるときに砂に潜るタイミングは、波と共に生活しているナミノコガイにとって命綱と思えるが。
何があったのか。

2014年3月6日(木)
副振動か?

 昨夏から漂着している竹根の塊が今もある。
季節風に飛ばされた砂が竹根の風下に堆砂していた。
いつかアップロードしようと思っていたが、波に洗われて堆砂がなくなった。
20cmほどの段差も発生した。

 低気圧も影響したか、潮位が高くなったようだ。
3月前後の冬から春は、潮位が急に高くなる副振動の発生もあるようだ。

2014年3月1日(土)
藪漕ぎ

 前砂丘の変化を写真で記録している。
春になり草や葉が茂ると、砂丘の素顔が観察しにくくなる。
その前の毎年恒例の
活動だ。
 海面から高度10m前後の前砂丘のフロントを歩いてゆくが藪漕ぎのところもある。 始めの頃は無理をして踏破したが、最近は無理をせず浜に降りるようにしている。

 
今冬の季節風も強くなかったようで、前砂丘に舞い上がった飛砂は多くない。

2014年2月20日(木)
新芽

 大雪の報道で大寒を感じていた。
今年は南薩地方では雪は降らなかった。
期待したのに。

 浜に出るとコウボウムギの新しい芽が出始めている。
まだ目立たないが、春が始まろうとするのを気付かせてくれる。
 そろそろ、春の砂丘の観察を始める時期が来た。 

2014年2月11日(火)
ミユビシギ

 ミユビシギは波が引くと同時に、引き波で露出した餌をついばむ。
そして、波が寄せてくると一斉に小走りで波から逃げる。写真はその時を撮った。
無邪気に何回も繰り返す姿も、また可愛い。  

 一人で浜を歩くと近くで観察できるが、多人数だとミユビシギは警戒して飛び去るので近くでは観察できないようだ。

2014年2月2日(日)

 昨日大きなコタマガイが一個満潮線に打ち上がっていた。
殻長6cmはあまり見かけない大きさだったので、久し振りに一個だけでも食を楽しもうと持ち帰った。
拾ったペットボトルに海水も持ち帰り、貝を一日
浸して砂を吐かした。
調味料はゼロで、金網にのせ焼き貝にする。
一個だけだったせいか、身もたっぷっり入っていて実に美味しかった。

2014年1月29日(水)
消えた砂嘴

 万ノ瀬河口南岸の北に伸びていた砂嘴は消えた。
2009年の夏に突然発生した砂嘴は、一年ほど前には消失した。 4年間ほどの事だった。
 砂嘴の砂は北西の風に吹き寄せられて、万ノ瀬河口南岸の浜へ移動したようだ。
 満潮時に海水に満ちていた砂嘴根部の浜が満潮でも満ちなくなった

2014年1月22日(水)
-2℃

 今朝は寒い。 内陸と浜の気温は同じマイナス2℃。 ここらでは最低レベルだ。
空気が緩やかに内陸から海に移動している。
 氣嵐の水蒸気は期待ほどではなかった。 すぐ近くの海上に目をやると微かな水蒸気だが、4kmほど遠くの浜に目を移すと、水蒸気の層を厚く見ることになり雲状に見える。

2014年1月13日(月)
カワウ

 そういえば、今冬はカワウの群れを見ていないな。
ねぐらにしている森を確認すると木々は糞で白く薄化粧している。冬の使者は来ているようだ。

 と思っていると数百羽の群れに出合った。
 今朝は時間がないし、せっかく羽を休めているので、浜歩きはここまでにしょう。


 連日の曇天で、写真を撮るのに明るさが不足がちになり思うように行かない。 今日こそは晴天を期待したがだめだった。

2014年1月5日(日)
初浜歩き

 穏やかな浜だ。
快晴で風もなく寒さを感じない。
中国から風が運んできた粒子状物質のせいか山影は霞んでいる。

 初浜歩きは、正月5日目の今日になってしまった。

 社寺の著名な庭園を見るのが好きでこれまで多く見てきた。
海をイメージする庭園は多い。
庭園の海も素晴らしいが、
元になっている本物の自然が創る砂浜も心地よい。

 ウミガメと関わりを持ち、健康や生活の張りなど多くの幸運をいただいている。
今年もウミガメへの恩返しの為に精進を誓うと共に、安全を祈り手を合わせた。
長い足の影は構図の都合により、かなりカットしている。

2013年12月21日(土)
気温

 今朝も北西の風が強い。
浜歩きは厳しいかなと思いながら出てみると、飛砂も時々ある。
 しかし、気温は10℃で低くはない。
強風で体感温度は低く感じるが、海水の温度は18℃ほどより低くはならないので、海から吹き付ける風は内陸からより比較的に温度は高い。

 感覚で気温を察知するのは難しい。

2013年12月8日(日)
氣嵐

 今朝は寒かった。 内陸で気温1℃。

 砂丘の上から海を見下ろすと、氣嵐が広がっている。
内陸の冷たい空気が、比較的に温度の高い海水面で蒸気になり霧状に立ち上っている。

 水平線が見えるので、渚から数百メートルの範囲だけのようだ。
渚に立つと渚から先は白い世界が広がる。

 陽が射すようになると次第に消える。

2013年12月3日(火)
シギか

 浜を歩くたびに見かける3羽のシギかチドリ。
随分昔から見慣れた鳥だが、まだ同定できていない。
シロチドリより少し大きく、飛ぶときに尾に白い帯がある。
 この種の鳥はシロチドリの群れと一緒の時もあるが、数匹のグループで見かけることが多い。 ファミリーなのか。
今日見た3羽の鳥はいつも見かける群れのようだ。

 浜の広い所は鳥は多いが、狭い浜は少ないように感じる。

2013年11月21日(木)
思ったより

 すっかり冬になった。 さびしい浜だ。

 移植や獣害などのデータを整理してグラフなどを作ってみた。
今年のウミガメ産卵初期には、蓄積疲労で加齢が気になっていた。 しかし、移植数や獣害防具など過去のデータも見てみると、実施数が増えて内容も進化している。
加齢を補うものを学習できたかもしれない。
データが思いがけない自信をもたらした。

2013年11月14日(木)
植生帯

  ここの浜では 強い北西の風が砂を吹き飛ばして、草地で飛砂を留める堆砂の様子が見やすい。 この作用は砂浜が発達する要素のひとつになる。
ここは10年ほど前に比べて、植生帯の密度が増し海側に広がったようだ。


 例年秋には浸食が多いが、今秋は少なかったように感じる。

2013年11月5日(火)
千鳥柄

 チドリが群れ飛びながら一斉にターンする時に、一瞬だけ白い腹面を見せる美しい瞬間がある。 なんとか撮ろうと幾度か挑戦したが、掲載するほどの写真は撮れなかった。

 着物や家紋などの伝統的に使われる千鳥柄は、この瞬間をイメージしたのだろう。 昔からの美を共感する。

 千鳥格子の模様と
なると、英語ではHound'stooth(猟犬の歯)checkとなるらしい。 だんぜん千鳥がいい。

2013年10月27日(日)
犬猿の仲
  ・・・と、・・・
2013年10月22日(火)
気球

 中国からと思われる気球が浜に落下している。
文字らしきものを探すが見当たらない。
吊り具らしい金具には何もついていない。
真っ赤な目立つ色で径が2mほど。 まだ残留ガスで膨らんでいる。

 グーグルアースで測ると、吹上浜から真西になる上海は、東京よりも近い。

2013年10月20日(日)
永吉河口

 今年は、いつもより早く子ガメの旅立ちと、卵の堀出し調査が終った。
 連動して毎年恒例の金峰区以外の、秋の吹上浜の記録観察が早く始まった。
 当ページで毎年報告している、永吉河口は河口南岸の突堤が露出していた。
吹上浜全体で感じたが、9月初旬の台風で北西の強風が影響したようだ。

2013年10月15日(火)
グンバイヒルガオ

 グンバイヒルガオが、まだ10輪ほど咲いている。
記憶では、もう少し早い時期に終わったように感じている。 今年の暑かった夏を象徴する事象かもしれない。

 グンバイヒルガオは南方性の花なので、ここ数年の雪が多かった寒い冬で絶えたかと
思っていた。
新しく茎を伸ばし始めた新しい株も数か所見かけた。

2013年10月9日(水)
台風24号

 大型台風24号は、甑島の西を進んだ。 心配したが浜への影響は軽微だった。
所によって差はあるが、写真の所は浜の傾斜が大波をなだらかに吸収した。
なだらかな前浜が大波から浜を守る理想の形を見せた。
 少し高低があった前浜は大波で均された。

 巣のいくつかは、堀出し調査をできなくなった。

2013年10月5日(土)
古い道

 卵の堀出し調査を効率化するために、久し振りに5kmの浜の中間部に出る道を利用した。

 昔は貝堀などで利用する人も多く、歩きやすい道だったが、近年は利用する人が少なくなった。
草で
覆われて、かろうじて踏みしめた跡が分る。 (写真)

 以前、別な道を一人で草払いをして歩きやすいようにしたこともあるが、無駄な抵抗だった気もする。


 雑草が茂る前砂丘からは、広大な松原と金峰山を望む。

2013年9月28日(土)
青の同化

 空の青色と、海の青色が溶け合って境が分りにくい。
いつもある波と雲がないことが、遠近感がない。
穏やかな気持ちになるのは確かだ。

 よく見ると、海に接する低い空は、活発な桜島の噴煙がうっすらと流れているのが見られる。

 秋本番と涼しくなり、浜での活動もやりやすくなった。
浜の風景を楽しむゆとりもでてきた。
いつも、記録と保護の作業に追われるように疲れていた。

2013年9月25日(水)
卵が少ない

 いつもながら、卵の堀出し調査は気合を入れないと億劫になる。
獣害や問題のあった、気になる巣は楽しみに掘出すが、すべての巣の結果は保護活動の成績表みたいなものなので手抜きはしたくない。

 7日前に旅立ちを記録した、今朝、掘出した巣の殻はカラカラに乾いて良い状態で孵化したようだ。  しかし、17個と少なすぎる。 状況から考察すると人の持ち出しも考えられる。
 

2013年9月16日(月)
ゴムボート

 昨日から台風18号の影響で北北西の風が強い。 東海地方に台風の進路が向かったので影響はないと思っていた。
飛砂で子ガメの足跡と獣害の跡も観察できないので、切り上げようかと思いながら浜の観察をしていると、ひっくり返ったゴムボートが漂着していた。
起こしてみると意外に新品同様の船外機付きだった。

 ゴムボートの50m周辺の渚に署名いりの救命胴衣や装備品が点々と漂着していた。 ビニール袋入りの書類もあったので携帯に連絡すると御本人がでた。

 持ち物には名前を書きましょう。

2013年9月8日(日)
朝のウミガメ観察会

 今朝は田布施小学校の観察会。
7月の観察会で移植してもらった冠水しそうな2巣を、一緒に堀出し調査をした。1カ所は白アリの食害があり、殻から察すると孵化率は悪かった。
2カ所目は、全卵が無精卵だったのか発生していなかった。

 子ガメを見られず気落ちするなか、狸に昨夜のうち掘られた巣で子ガメの救出と観察をすることができた。
渚の近くだったので、子ガメに浜を歩かせるため、少し広い浜に運び、旅立たせた。

2013年9月5日(木)
救出

 狸が掘った穴が、子ガメが這い回り底が平らに均され、少し深いカメ盆 ( 8月29日の日記を参照 ) になっていた。
17匹の子ガメが夜中に旅立った後から、狸が少し掘ったようだ。
そのあとに砂の中から這い上がってきた3匹の子ガメが、穴を出ることができず、仰向けになったり疲れてか動きがなかった。
早朝に時々見掛けるシーンだ。
 このままでは陽が高くなると、高温死するので穴から出してやった。 すると意外に活発な動きで渚に向かった。

 写真の左下には狸の足跡と、右隅には爪でひっかいた跡が見られる。

2013年8月29日(木)
パーフェクトの旅立ち

 70匹ほどの子ガメが描いた、大型のシャワートラックを今季では初めて見た。   数の少ないのは度々見たが、大きなのを見るとやっぱり嬉しくなる。

 さらに、多くの子ガメが一斉に脱出したあとの窪みも、自然で完璧なものだった。  窪みの径は23cmで、夜中の2時前後に障害もなく旅立ったようだ。
パーフェクトの旅立ちを見つけると、せっかちな足が止まってしまう。

 カメ盆 ( 多くの子ガメの脱出した窪みの私的仮称 ) の多くは、砂中の障害物やカニ穴などで、多数の穴から脱出するなど変形したものが多い。  パーフェクトなカメ盆は、底の深さが10cm弱に均されて、径は最大のもので30cm程ある。 
ちなみにトップページに、多くの子ガメが、カメ盆から旅立とうとしている写真を見られる。

 ここの巣は、今は堆砂して想像しにくいが、産卵当時は竹などの漂着物が多く心配をしていた。

2013年8月24日(土)
朝のウミガメ観察会

 今朝は6時から「朝のウミガメ観察会」だ。
本町東区子供会と加世田小学校家庭教育学級の共催で、200名ほどが集まった。  早朝からのイベントに多くの参加者は嬉しい誤算だった。 浜に大勢の人影を見るのも嬉しい。 昔より浜と親しむ人は減っている。

 今年は発生が早く進み脱出も早くなった。 今日の為に移植の巣と場所を選んだが、早く旅立ってしまった。 子ガメは自然に旅立てるようにしてある。 脱出予定を修正した第3案の巣で子ガメの観察となった。

 明日は、南薩少年自然の家の主催だ。 この2日の為に脱出の予想と準備は力が入った

2013年8月19日(月)
草地救出

 3匹の子ガメの足跡を追っていくと、コウボウムギの密生した植生帯に迷える子ガメいた。
産卵された巣は、渚から30mほどの、少しだけ砂地がある所だ。
植生帯が密生して広がっているため、歩みが阻まれて渚の方向が混乱しているようだ。  通常は扇状に広がりながら渚にむかうが、バラバラな方向の草陰に、多くの子ガメが点在している。
 動いてくれると発見しやすいが、静止していると分りにくい。
子ガメは草地で時間を費やすと、日が高くなり高温で干乾びるので時間をかけて探した。
 結局、81匹の子ガメを救出
した。

2013年8月13日(火)
クラゲ

 盆になるとクラゲが多くなる。
と古来から言われてきた。 ゆえに海水浴は気を付けろと。

吹上浜のほとんどは遊泳禁止になっている。
離岸流などの潮流と深さに気を付けたら、遠浅で快適なビーチだと思うのだが。

危険な自然を遠ざけてきた時代の流れもあるが、自然の営みを知ることで、うまく付き合うことも良いような気もする。
吹上浜は癒しと元気も恵んでくれる。

2013年8月7日(水)
北桜ばりの砂跳ね

 大相撲の北桜ばりの豪快な砂跳ねだ。

ウミガメは産卵を終えると、前脚を使って砂を掻き又跳ねて、巣が分らないようにカムフラージュをする。

結果、多様な形がある中で、今日のタイプは最大級の跳ねと言えるだろう。
 湿った黒っぽい砂の広がりが跳ねた砂で、乾いた白っぽい砂と見分けがつく。

 産卵上陸は少なくなってきた。
そろそろ、おしまいか。

2013年8月3日(土)
中国からのゴミ

 ゴミの列が、直前の満潮線に沿って伸びている。
容器などを手に取って見ると、福建省などの文字が読み取れ、プラスチック製の身回り品などもほとんどが中国由来に見える。
中国から大きな塊になったゴミが、海流にのって流されてきたようだ。


 今日のような低潮位の満潮線に大量のゴミが漂着するのは、大雨などで河川から海に流れ出たときに見られるが、鹿児島は晴天が続いている。

 中潮や小潮など潮位が低いときの満潮線は、比較的に浜がきれいなので、今日のゴミは目立った。 中国からの大量のゴミは時々気付く。

2013年7月28日(日)
殻が割れた胚

 6日前に獣害に遭った巣が気になっていた。
脱出の頃でもあったし、手が回らず埋め戻したままだった。
 掘ってみると、獣害の時に割れた胚のひとつが鼓動している。

 浜にでる道だったので、たまたま通りかかった貝堀りにきた家族と奈良からの高校生たちが興味を示した。
動物極と植物極の話をすると、「あ、生物で習った」と強い反応が返ってきた。

 獣害で殻が割れた、後期ステージまで発生が進んだ胚が旅立った例もある。 (写真は別の巣)

2013年7月18日(木)
初の旅立ち

 昨夜一匹の旅立った子ガメの足跡があった。
5月1日に、河に産卵した卵を浜に移植した卵が、昨夜旅立ちした。
 
 早い頃の産卵巣は低温度などで孵化が困難だが、この巣は移植したときの砂温から期待をしていた。
雨季も雨が少なかった。
 17年間のデータを見ると最速の旅立ちだ。

 朝焼けに染まる、きれいな雲につい、シャッターを押した。

2013年7月16日(火)
2頭に遭遇

 今朝は2頭のウミガメに遭遇。
2頭目は海に入るタイミングだった。

 足跡を観察すると、24時以前に上陸したが、産卵せずに帰海した個体が再上陸した同個体だった。

 かなり潮が引いており、沿岸洲が露出した海水に浸るところに、巣を掘る前段階のボディピットを掘っていたのには驚いた。 満潮で1m以上は海水に没する所だ。
よほど、お腹の張り具合に窮していたのだろうか。
結局、産卵せずに帰海するところだった。

 後姿がいたわしい。

2013年7月10日(水)
逃避トラック

 ウミガメは産卵を終えて、帰海するときは苦手な陸上から海に急ぐ。

 昨夜の写真の個体は、付きまとう人と遭った。
逃避のために、海にジグザグと向うことになった足跡が、ウミガメの不安を物語る。

 吹上浜は安心して上陸できると、ウミガメに伝えたいが・・・・。

2013年7月6日(土)
飛砂

 今日も風が強く、飛砂が悩ましい。
今日で4日目だが、今の時期で4日も続くのは記録にはあるかも知れないが思い浮かばない。

 産卵した5箇所のトラックは、すべて飛砂で消えた。
ウミガメが掘り返したボディピットだけが分る。
産まずに帰海したトラックがあったかもしれない。
巣の堀り調査は、砂が顔に吹き付け不快指数が上がる。

 4日も続くと前浜が少し変化した。
写真のボディピットの後方にある小さな砂山は、南側斜面の砂が風に飛ばされて北側に移動した。 冬の季節風が強い時の風景に似る。

 段差は埋まった所もあり、巣も浅くなったり深くなったりした。

2013年6月30日(日)
苦労の再上陸

 上陸したが適地ではなかったのか、あるいは人間と遇ったのか、23時以前に引き返した足跡があった。
その個体は、3時間以上経過してから、4kmほど南に再上陸し産卵した。
個性的な、後足先が丸く足跡幅の中央に残るトラックから
分る。

 不完全な後脚で陸上の歩行は難儀のようだ。
巣を掘るのも苦労のようで、底は28cmと浅い。
巣からあふれんばかりの卵は、巣を埋め戻す際の砂を固める動作で19個の卵がつぶれていた。
 その個体は上陸し直し、一夜かかって産卵を果たした。

 夜半以前に上陸したものの、産卵をあきらめて引き返し、明け方近くまでに再上陸するウミガメの足跡を時々見掛ける。
 ウミガメは上陸しても、産卵を始めるまでに人の気配を感じたら引き返すことは良く知られているが、それも一因である。
ウミガメが安心して上陸、産卵できる吹上浜を保全したい

2013年6月26日(水)
大雨と濁る大波

 今朝は大雨。  風が強く、波も高い。
レインウエアの中はぐっしょり。
小型でも傘をささないと写真が撮れないが、強風で傘骨が折れそうにしなる。  濡れ手で手帳も濡れないようにしないと。
身の安全も気にしながらの作業は気苦労だが、快適な生活の日々からは、非日常の世界は刺激的でもある。

 雨の日でもウミガメは上陸する。 しかも、河川からの濁流で海中の視界が遮られても。 今日は7箇所上陸し、3箇所で産卵した。 多い方だ。  雨の日は上がらないと思う人は多い。


 ウミガメは人間の感覚を超えた能力を持っている

2013年6月19日(水)
段差が発生

 昨夜、夜半から後に段差が発生した。
ウミガメの足跡が消えていたことから分る。

波風も強いように感じなかったが、意外に段差は70cm前後と大きかった。
今夜は、このエリアの上陸は難しいだろう。

 今の時期は海面が徐々に高くなり始めるので、毎年見られる現象だ。
春頃から発達した乾いた砂州が秋に向かって消えていく。

2013年6月12日(水)
早い獣害

 獣害が始まった。
早すぎる。
 これまで獣害は、7月下旬から多くなると思っていたが、今年は違うようだ。
 5月31日に、いきなり4箇所から始まった。
今日現在、産卵された61巣の26%になる16巣がやられた。

 今年も多数の上陸が見込まれるなか、浜での仕事が増えて多忙になりそうだ。
上陸数が多くなったら、自然の摂理ととらえ許容範囲かとも思うが、全巣に対して被害巣の割合が多くなってくると問題かとも思う。
老体の能力と相談しながら、怠惰と無理のバランスを観察してみたい。

2013年6月5日(水)
大型が多い

 昨年の今日と上陸数を比較してみると、たまたま同数の76だった。

 今年は大型の上陸が多い。
上陸足跡の幅は80cm〜110cmほどなので、昨年の記録と比較してみると、明らかに大型が多い。
意味があるのか興味を惹かれる。

 写真の上陸跡も、足跡幅が110cmで大型だ。
手前の一段と高く草が密生していない産卵可能地とも思える所まで這い上がったが、引き返し際の満潮線から6mほどの斜面に産卵している。
昨日は草が密生している、高いところに産卵した。

2013年5月30日(木)
朝帰り

 まだ干潟にいた。 ベタ足かと思ったが違った。
上陸産卵で疲れたウミガメにとって、潮の引いた遠い渚が大変なようで、1〜2分刻みで休みながら重い体を引きずった跡がベタ足に見えた。

 下げ潮の夜中1時頃に上陸して産卵した。 同じ頃、すぐ近くに産卵したウミガメもいたが少し早くに帰海していた。


 産卵したウミガメは精一杯の体力を使っている。

2013年5月20日(月)
堆砂帯に産卵

 昨秋の高潮による段差は全域で大きかった。
例年、冬から春の飛砂などで段差が解消するが、今冬の堆砂は、段差を埋めるまでには至らなかった。

 春までに新しく堆砂した所に産卵した。
秋までは不安だが、子ガメのふ化の頃までは冠水しないだろう。

2013年5月15日(水)
個性的足跡

 ベタ足が上がった。
足跡が他と比べて、歩幅が短くベタッとしているから「ベタ足」と呼んでいる。
元気な足跡は、グイッ グイッ と、歩幅も長くたくましさを感じるが、この個体の足跡は弱々しい。
「頑張ったな」と、つい心でつぶやく。

 毎回ではないが、今回は満潮線の近くを平行に50mほど南下している。 途中で一回転し、さらに南下。 結局、産卵せずに帰海していた。
前浜の斜面に、全く向かっていないのは何故だろう。

 毎年ではないが、時々見掛ける同じ個体と思える足跡だ。 近年では2011年と2008年に記録している。
 印象深い足跡なので、毎年見ている気がするが二年以上の間隔がある。

2013年5月12日(日)
トロ箱


 漁具の漂着物は多い。

今朝は、プラスチックのトロ箱が渚に目立つ。
南北500mほどの渚に集中し、30〜40個が点在して波に揉まれている。
一群の塊が同時に漂流を始めたのだろうか?
エボシ貝が着生しているし新しくはない。
かなりの日数を経て漂った雰囲気だ

 ふっと、2年前の東日本大震災に起因する漂着物の話題も思い出した。

2013年5月1日(水)
初上陸

 5月1日、初上陸した。
いよいよウミガメシーズンの幕開けだ。

今年の初上陸、産卵は上ノ山橋の下になった。
海岸から2.3kmほど河を遡上した橋の下は、大潮や雨による増水で冠水する砂地だった。
産卵適地を迷ったらしく、行ったり来たりの曲線を描いた足跡だった。
足跡幅から察すると大型で、産み落とされた卵は153個と多かった。


海岸の砂浜に移植した。

2013年4月29日(月)
ままごと




 竹で2間に分け、蛍光管とテレビの前にシート。
ボトル 皿 スプーンが整然と。


ゴミでも、楽しかった様子が伝わる。

2013年4月27日(土)
クロツラヘラサギ

 越冬していたクロツラヘラサギ2羽がまだいる。
晩秋から十数羽ほどの群れを良く見かけていた。
15年ほど前から、万ノ瀬川の名物のひとつになっている。

 今日は珍しく、セイタカシギと仲良く食餌中だ。
両種とも多くはいない鳥で、美しい種だ。

セイタカシギに気付く機会は少ない。
あらためて、美しさに見惚れた。

2013年4月18日(木)
ハマヒルガオ

 ハマヒルガオが咲き始めた。
全国の砂浜などで見られるらしい。

 英語で、sea bells、とも言うらしい。
記憶力は弱いが、辞書で一回見ただけで記憶に残っている。
解りやすい表現だ。


 もうすぐウミガメの季節が始まる。
今年の浜の状態は、ウミガメの産卵にとって厳しいかもしれない。

2013年4月11日(木)
ナンバーステック

 金峰区5kmの浜に、100m毎の印を付けている。
保護と調査活動の大事な基本になる。

印をナンバーステックと呼んでいるが、失われたり埋まったりと調整が必要だ。
毎年、ソメイヨシノを堪能したころから作業を始める。
以前は、何回も歩いて数週間かけて作業したものだが、作業も進化して期間も短くなった。

 足場が変化する砂浜を一直線に歩かなければならないが、写真のところは往復でうまくいった。

2013年3月30日(土)
ハマゴウ

 ハマゴウの若葉が目立ってきた。
伸びあがった高い枝より、地表に芽吹くような若葉の方が目立つようにも感じる。

 ハマゴウの名を漢字で調べてみると、曼荊(広辞苑など)、浜栲(ウキペディアなど)、浜香(古い呼称)、浜這ともあった。
 
 古くは香として用いられたため、浜香と呼ばれたらしい。
浜香の字は、見た目に風情を感じる。

2013年3月22日(金)
砂嘴

 2012年12月9日に当「浜日記」ページでお伝えした、万ノ瀬河口の砂嘴がさらに南岸寄りに近づいてしてきた。
昨秋には、すでに似たような位置を観察していた。
近いうちに、岸と同化するものと思える。

 干潮時に観察すると、砂嘴本体から岸と直角に突き出る枝状の分岐が、写真で確認できる砂嘴以外にも数本見られる。
砂嘴の今後の変化は興味深い。

2013年3月16日(土)
小さな砂丘

 上ノ山海岸へ出る道が、10年ほど前までは下るだけの道だった。
浜から風に飛ばされた砂が小さな砂丘を作り、今では路面から4mほどの高さになった。

 真直ぐには登りづらく、斜めに登らなければならない。
登りのない回り道をする人もいる。

2013年3月9日(土)
砂防垣

 吹上区に、割った竹を利用した新しいタイプの砂防垣が設置された。
内陸側の草地には小さな松の苗が植えられている。

以前に設置された、間伐材を利用した高くて間隙の大きなタイプから小型に変化した。

 10数年前までは、細い竹や藁などを使って間隙の少ないタイプだった。 また設置場所は植生帯より海側だった。

2013年3月2日(土)
砂丘

 冬の強い北風は、浜の砂を内陸側に運び広大な吹上砂丘を発達させた。

 砂丘の海側先端になる浜崖フロントに吹き上がった砂は、小さな砂盛りを作る。
今年は砂盛りが少ないようにも感じる。

 浜の地形、気象、植生などが影響するのだろう。

2013年2月20日(水)
浜に春が

 ふと足元を見ると、コウボウムギが芽生えていた。
浜に春の訪れを教えてくれる。

 晩冬に前砂丘の記録写真を撮っている。
春が本格的になる前に作業を終えたい。
コウボウムギの芽生えは気付かせてくれた。

枯草で覆われた前砂丘のベージュ色が少しづつグリーン色に変わり始める。

2013年2月16日(土)
春節

 今年も中国から飛来した風船を浜で見かけるようになった。
今年の旧暦1月1日は2月10日だ。
中国で、旧暦の正月を祝う春節でにぎわう街中で、中国の子供達の手から離れた風船だろうか。
 ガンダムのような絵と共に、○甲勇士、炎○侠、黒○侠、ARMOR HERO(
装甲ヒーロー)などの文字が印刷されている。

 昨年は当『浜日記』の風船の記事を目にした、鳥取県の日本海新聞の方から電話取材を受けたが、中国の黄砂と汚染大気が舞う日本全国で観察できるかもしれない。


吹上浜は上海と、ほぼ同じ緯度に位置する。

2013年2月9日(土)
桜島の噴火

 今朝8時20分、桜島の噴煙が見えた。
今年124回目の噴煙は火口上2400m、標高3500程まで上昇する少し大きめの爆発だった。
今年は1914年の大爆発から100年目になり、鹿児島のマスコミは警鐘も含めて話題にしている。

 吹上浜の砂は、2万5千年ほど昔の桜島を南端とする錦江湾北部の姶良カルデラの巨大噴火など由来のシラス土壌の影響が大きい。

2013年1月31日(木)
カメフジツボ



 ウミガメの甲羅に着生するカメフジツボを24個も背負ったアカウミガメが漂着。 曲最少甲長88cmの大型だった。
数個までのカメフジツボはこれまで目にしたが、数十個は初めてだった。 少し異様な感じもする。

 カメフジツボは甲羅に固着していると考えられていたが、2008年に、甲羅の上を少しづつ移動しているとの論文が発表されたらしい。

2013年1月24日(木)
堆砂


 堆砂が進みつつある
晩秋に前砂丘の斜面に発生した、2メートルほどだった段差が、強い北西の季節風に運ばれた飛砂で埋まりつつある。
写真中央にきれいな砂が帯状に斜面をなし堆砂しているのが解ればいいが。

 毎年営まれる冬の風物だ。

2013年1月16日(水)
蒸気霧
 蒸気霧が発生している。
気温が低い風のない日はよく見られる。
海面均等ではなく特定の海面に発生している。
画像左は万ノ瀬川河口だ。 川から流入する水の温度差が影響しているのか。

 北海道の方言で氣嵐(けあらし)と呼ぶらしいが、それ以外の地域でも氣嵐と表現されることもあるようだ。 ニュース番組でも耳にした。
気象用語の蒸気霧より、氣嵐のほうが情緒がある。
2013年1月5日(土)
寄木八幡神社

 2011年1月15日に当日記に記載した、漂着した流木がご神体になった話に付記する話題。

 前出の小松原の寄木八幡神社は、加世田小湊地区の小湊寄木八幡神社から分霊された神社だった。
小松原より179年も早く、1514年に宇佐から流れ着いた霊木を八幡像に刻んで祀ったと伝えられている。
小湊地区は漁業が営まれているので、航海安全、大漁を祈願する海の神様と碑に記されている。

 平成19年に地区内外の芳志で再建されて整備の行き届いた境内になった。

2013年1月2日(水)
砂簾(されん) 


 年末の雨で湿った浜崖の斜面が、グレイ色を呈している。
元旦の晴天で乾燥した浜崖上部の白っぽい砂が舌状に流下した。
ここまでコントラストの鮮明な砂廉を見る機会は少ない。

浜崖で砂の流下は日常的に発生しているが、乾燥した白っぽい砂だけのときは認識しにくい。


 初浜なのについ、海への年始の挨拶を忘れてしまい、松林から浜に引き返して海に向かって手を合わせた。

2012年12月29日(土)
トビ



 浜でもトビとカラスは、年中いつも見かける。

 型の良い流木に止まったトビに、思わずカメラを向けた。
2012年12月23日(日)
波とシロチドリ



 冬は北東の強い季節風で波立っている日が多い。

吹上浜は、大陸から東シナ海を吹き抜ける季節風に面する薩摩半島西岸になる。

 ウミガメのシーズン中には、渚で見かけるシロチドリが少ないかと思っていたが、ウミガメ以外に目が行くようになるとそうでもなかった。
以前と同じように渚で数十羽の群れが採食に勤しんでいた。
群れで素早く波に反応し、一心についばむ姿は可愛い。

2012年12月15日(土)
ウズラミヤシロガイ



 見慣れない、きれいな貝が渚に。
 欠けていない。
無造作に転がっていると、見たような気もするが記憶はない。

ネットで調べてみると、ヤツシロガイ科のウズラミヤシロガイのようだ。 食べられるが、美味ではないらしい。 殻長は65mmだった。

2012年12月7日(金)
堆砂




 堆砂が始まった。

秋の台風で発生した段差が埋まりはじめている。

 冬から春にかけて北西の強い季節風が、秋に浸食した砂を浜の斜面から内陸に吹き戻す。 砂丘の営みだ。

 ここの1mほどの段差はいち早く変化が始まった。

2012年11月28日(水)
ゴミの砂採取船




 漂着したゴミを集めて船を模している
細長く置いたゴミの中央部に、マネキンの頭部が海を見ている。
長い竹に垂らしたポリ容器は、沖に停泊する砂採取船を連想させた。

2012年11月24日(土)
日吉町海岸の堆砂

 今年は台風の影響で所々浸食が見られたが、日吉の大川から東市来の神ノ川まで4.6kmほどは浸食はないようだ。 むしろ堆砂が進んだように感じる。

 14年前の殿尻地区の人工護岸は、高さ2mほどの垂直な基礎部のコンクリートが目立ったったが、年々堆砂が進み2年前から堆砂で覆われて基礎部は見えなくなった。 砂浜は発達した。


 あと一日で海岸観察も終わる。

2012年11月13日(火)
永吉河口

 今年も秋の吹上浜の変化を観察している。
日置市の永吉川河口は、小野川の北岸と似たような形になってきた。 相変わらず小舟の出入りの為にパワーショベルで水路を開いている。


 推算だが、今年は最多の産卵数の割に子ガメの旅立ちが少なかったことを数値化してみた。
2010年の旅立ち数は全卵対43%の約11,500匹。
2012年は25%の約7,600匹。

2012年11月4日(日)
砂浜清掃

 砂浜清掃作業にボランティアで参加してくれたのは市役所の3人と(有)南薩東京社の3人だけだった。
飛砂に埋もれ始めたペットボトルを3週間前から集めていた分とあわせて130袋ほどになった。 8割ほどがペットボトルで、軽四トラックで3回運び出した。
多くのゴミは残っているがウミガメの産卵を大きく阻害する部分は排除できた。
 個人の発想に、せっかくの休日を潰してボランティアで協力していただい方々、車を出していただいた(有)南薩東京社に感謝いたします。

2012年10月26日(金)
旅立ち最終便

 子ガメの旅立ち最終便は10月22日に足跡を残した22匹だった。
今朝、堀出し調査をすると一匹の子ガメが残っていた。
残された卵の殻から推察すると、2度の獣害を受けた巣から旅立った子ガメは26匹のようだ。

 今年の吹上浜金峰区5kmの上陸数は459カ所、産卵巣数288カ所だった。
19年間の記録上は最大数となったが、子ガメの旅立ちから考察すると、まだ集計中だが最大数とは言えなそうだ。
原因は9月中旬の台風16号の影響だ。
砂浜が変化し多くの巣が流失した。

2012年10月11日(木)
ゴミ清掃ボランティア募集

 台風16号で京田海岸にペットボトルなどのゴミが集中的に集まった。 ウミガメの産卵場所だ。
毎年、冬になると強い季節風で砂が飛びゴミを覆って堆砂する。
砂浜はきれいになるが、来夏のウミガメの産卵のときに巣穴が掘りにくいことが予想される。

 時間の都合できる方は、11月4日の朝8時から1時間ゴミ拾いの作業をご協力いただけると有難いです。
詳細はトップページからリンクしていただけます。

2012年10月6日(土)
渚のキツネ

 ついにスクープ。
潮の引いた渚で、カラスを疎ましく払いながら食べ物を探すキツネに遭遇。
浜でキツネを見かけたのは2回目だが、警戒心が強く写真は無理だろうと思っていたが動画まで撮れた。
カラスと絡みながら30mほどまで近くなったが、当方に気付いた瞬間、飛ぶように逃げた。

 キツネがウミガメの卵を掘り返すことは11年前から足跡で確認できている。 数日前に獣害防具の脇から斜めに掘ったのはこのキツネかもしれない。 狸より賢い。


                画像をクリックすると動画

2012年10月4日(木)
カルキス

 キス釣り名人に珍しい話を教わった。
2〜3年前からカルキ臭のキスが数パーセントの割合で釣れるようになったそうな。
 頴娃ではゼロだが錦江湾と吹上浜で釣れるらしい。
通称カルキスとよび、ヨードホルム(消毒液)臭を放ちクーラー内の魚まで影響を受けるらしい。
原因はキスがギボシムシを摂取することとか。
人工的環境の影響ではなく、自然の営みらしい。
人体には害はなく、食しても問題はないそうだ。
ただし、まずいとも。


釣り名人のHPはこちら

2012年10月1日(月)
モグラ塚

なにこれ?
潮間帯の20cmほどの段差に、なにやら砂盛が。
しばらく行くと少し違う形でにたような造形が。
ここで判明したのがモグラ塚だった。
潮間帯でモグラを追ったし、前浜の斜面でモグラが地表近くを通過した砂盛りはよく見かけているが、今回のモグラ塚は???だった。

2012年9月25日(火)
冠水

 狸は台風の大波で均された砂浜でウミガメの巣を掘りかえす。
高潮の後は、巣の位置が分らなくなるので情報源になる。

写真の巣は産卵のときより25cmほど浅くなっていた。
8月下旬の15号台風のときにダメージを受けたようだ。
孵化前に水分過多で発生が止まっていた。

多くの巣が流されて、これから旅立ちの可能性がある巣は一桁になった。
子ガメが旅立った後の巣の堀出し調査は楽になったが寂しさも。

 

2012年9月18日(火)
台風16号

 台風16号は河口の砂浜をきれいにした。
大潮と年間で潮位が高い9月の高潮などが重なり、多くの流木などのガレキを一掃した。 上流側に押しやった感もある。
本ページ7月15日「クリーン作戦」と8月14日の「造形」の写真と比較するときれいさが分るかもしれない。

 ここ4〜5年の年輪のような堆砂の列も均して平らになった。
砂の流失は少なそうだ。 

 まだ脱出してない巣もあるが、今回の台風でかなりダメージを受けた。

2012年9月14日(金)
セイタカシギ

 見慣れないシギが一羽。
10mほどに近づいても飛んで行かない。
潮が引いた、沿岸洲と陸地の間のラネルで餌をついばんでいる。
浜で遇う多くの鳥は警戒心が強くすぐ飛んで行ってしまうが、近くまで寄れると愛着が湧いてくる。

調べるとセイタカシギの若鳥だった。
「水辺の貴婦人」と呼ぶ人もいるらしい。 納得する。
日本各地で見られるが多くはないようだ。 絶滅危惧種(EN)になっている。

2012年9月9日(日)
田布施小学校の観察会

 田布施小学校は、7月の産卵編に次いで2回目の子ガメ編の観察会となった。
 親子50名ほどが、初めての体験を親子で共有いただけたようだ。
幸いに、昨夜、多くの子ガメが旅立った足跡のシャワートラックを観察していただけてよかった。
 獣害で全滅した巣や、水分過多だった移植した卵の厳しい現実も紹介した。

2012年9月1日(土)
リピーター

 昨年、朝のウミガメ観察会を体験されたFさん家族が、お友達のご家族もお誘いしてリピーターになった。

 波の先を見つめるまなざしは、子ガメが波にもまれながら乗り切ったことを安堵し、息継ぎのために頭を水面に突き出すのを見守っている。


Fさんとの会話から、子ガメへの気遣いとゴミ拾いなどボランティアの気持ちも感じたが、当方に手が回らないことを課題に思う。
思いやりと奉仕の気持ちが嬉しい。

2012年8月25日(土)
「南薩少年自然の家」観察会

 3泊4日の「チャレンジ南薩探検隊」は、登山、サイクリング、カヌーのほか、自然や歴史など多くのプログラムにチャレンジする。
たくましくチャレンジした最終日に、子ガメの観察会が行われた。

 子ガメは砂の中から出してしばらくすると一気に渚に向かう。
ゴミや波などで仰向けになると懸命に反転し、ふたたび渚に向かって急ぐ。
波に何度ももまれながら海原に旅立った子ガメのたくましい姿を感じてくれたら嬉しい。

2012年8月19日(日)
加世田小学校の観察会

 今日は加世田小学校の朝のウミガメ観察会。
今年は親子で100名ほどが参加した。
意外とリピーターも多いのには嬉しく思うと共に、やりがいも感じる。

よくあることで、解説と進行に夢中になり写真を撮るのを忘れてしまった。
年のせいではない。
せっかちで落ち着きのない性分が直せない。

 観察会が終わって、陽が高くなってからの日常の調査活動になった。 多数の子ガメが旅立った跡のシャワートラックの写真は、雨跡のせいもあるが早朝の雰囲気とは少し違う。

 

2012年8月14日(火)
造形

 漂着した竹などを砂浜に挿して砦のような空間を作っている。
直径が3mほどの中央に、流木の上に緑色の瓶を乗せている。
子供の時もそうだったし、高齢になった今も作った人の気持ちが分かるような気がする。

 この場所は5年前は、100m程奥に見える植生帯まで河口の一部だったが、風と波が砂を運び広い砂浜が回復した所だ。

2012年8月7日(火)
遅い子ガメの旅立ち
 ここの巣は、8月4日に今年初の旅立ちだった。
今朝は3匹が旅立った足跡がある。
たどっていくと狸に掘り返されていた。
割られた卵を観察すると、獣害よりも発生不良の卵が多い。
4日の足跡とあわせて10匹ほどが旅立った。

今年は、昨年より子ガメの旅立ちが遅い。
砂中温度が昨年より低いことが原因のようだ。
観察会用の巣の個所を変更する必要が出てきた。
2012年8月2日(木)
台風10号

 台風10号は屋久島を東から西へと、珍しいコースをとった。
東シナ海を通過するとき、大潮と重なる大波で砂浜が浸食されることを心配したが大丈夫だった。

 漂竹木を引き波で沖に流したり、寄せ波が砂を運び覆ったりと、大潮満潮線の漂竹木が減った。
 これから、子ガメの旅立ちが始まるときに、漂竹木は障害になるので都合が良い。

2012年7月28日(土)
今年初めての母ガメ遭遇

 今年初めて母ガメと遭遇した。 今年は、遇ってないなと思っていた矢先。
産卵を終えた巣の近くで、疲れているのか正面で目を合わせても動かなかった。 自然に任せ、復路には帰海していると思っていたが、まだ干潟にいた。

 たまたま貝殻採集に来た、心優しい塘さん親子3人が力水を掛けながら、遠浅の干潟を休み休み精一杯に帰海する母ガメを見守っていた。

 産卵の為の上陸は、母ガメ自身と卵の安全のために、暗い夜のうちに慎重に行われる。 人と遇ったり都合の悪いとき、翌日に再上陸することもあるし、その夜の内に場所を変えて再上陸もしている。 その時は帰海が朝になることもある。

 2年前は最多の388カ所の上陸個所で、5回母ガメに遭遇した。
今年は今日で420カ所とさらに多い中、1回目で少ない。

2012年7月22日(日)
慎重でたくましい

 右後脚の先が欠けたと思われるウミガメが、多くの漂竹木を乗り越えて植生帯に沿い100mも移動していた。 産卵適地を探しながら斜面も上がったが、帰海途中の漂竹木帯で産卵していた。
適地は多数あったように思えるが、慎重でたくましい母ガメだった。
 後脚が不自由なためか、巣が浅かった。

 この分りやすい足跡の個体は前日に段差を諦めていた。 1か月前にも浜崖を諦めて2日後に産卵した。

2012年7月15日(日)
クリーン作戦

 今朝は、毎年恒例の「金峰クリーン作戦」
海岸もゴミ拾いをしている。
以前は5カ所ほどの海岸で行われていたが、最近は2カ所だけだ。 児童の数が減少したことが関係するのか?


 空き缶などの人工ゴミを集め、竹木などの自然ゴミはそのままにする。
古老の口伝で、「薪はなくても、ヨイ(流竹木)は使うな」と聞いた。 飛砂防止の効果を伝承する意味があるようだ。
母ガメの上陸には大きな問題ではない。

2012年7月8日(日)
朝のウミガメ観察会

 今朝は田布施小学校の家庭教育学級事業として「親子で朝のウミガメ観察」となった。
PTA有志の発案で、急な呼びかけだったが早朝の京田海岸に40人ほどが集まった。
質問を促すと、活発な発言があり語り部には楽しい会になった。

 昨日は、久々に2カ所だけの上陸で少し心配もしたが、今朝は昨夜に9頭が上陸した足跡があり、胸をなでおろした。
提案者の有志も、天気も含め心配したようで顔がほころんでいた。

 昨日までの湿った空気と違って、今日はカラッと爽やかな晴天だ。

2012年7月1日(日)
中断穴

 草地に産卵することも少なからずある。
昨夜は草地で産卵するために穴掘りをしたが、草の根が邪魔したようで30cmほど掘ったところで中断していた。
 たくましい個体で、少し砂の露出が多い別な草地の適地を探し、無事産卵していた。

 穴掘りを中断する原因の多くは、砂の中に埋まったゴミやガレキだ。
何の障害がないのに穴掘りを中断した穴を今年も見かけたが、何者かと遭遇し、あるいは察知し中断したと考えるのが妥当だろう。

2012年6月26日(火)
まっ いいか

 わずか15cmの段差で産卵を諦めて、「まっ いいか」とばかりに海に引き返した小型のウミガメの足跡があった。
今朝は他にも大型のウミガメも18cmの段差の所で引き返していた。
稀に見かけるが多くはない。

25cm以下の段差は大きな障害とは思えないが、昨夜の2頭のウミガメは軟弱だったのか。 それとも段差以外の問題があったのか?

2012年6月21日(木)
早い獣害

 例年7月下旬からと思っていた獣害が、ひと月ほど早く始まった。
今年は上陸数が多いのでデータ作成で精一杯だ。
ここ数年にも増して獣害対策までは手が届かないかも。
今日も大潮で雨続き。 カメラと手帳が濡れないよう手間取り、記録にも時間がかかる。 一応、埋戻した。

 全域に発生した段差は、思ったより早く17日には大潮でなだらかになり段差問題は解消した。

2012年6月15日(金)
段差が阻む

 40cm弱の段差を乗り越えようと、挑戦しながら100m南下したのち40mほど引き返し、ようやく段差を乗り越え適地に産卵していた。

 潮と波の関係で、5日前に突然発生した段差は、ウミガメの上陸に試練を与えている。 一般的に段差が30cmを超すと諦める個体も多い。

 このさき一週間の大潮で解消すればと願っている。
心優しい方がいらしたら、段差を足で崩してくれるとウミガメが喜ぶと思います。

2012年6月9日(土)
たくましさ
 浜崖に挑戦した、たくましい足跡が。
浜崖の斜面は45度ほどの傾斜だ。
人が歩くのも大変な傾斜を、手前から滑り落ちるのを堪えながら、這ったのを想像いただけるだろうか。 オールのような脚で掻いた砂が斜面から落下している。

 結局、上端で穴掘りを迷った跡を残し、少し下段の草地の上で、大きく掻き散らして産卵していた。
2012年6月2日(土)
舌平目

 ふと干潮帯の潮だまりを見ると、ウシノシタ(舌平目)がバタついている。
30cmほどのサイズが3尾。
潮が引き、海から隔離された広さ10畳ほどの潮だまりから干潟に跳ね、不可能な脱出に挑戦している。

 今朝は時間が遅くなって、捕獲に戯れる余裕がないのが残念。

2012年5月29日(火)
優柔不断

 写真の右から上陸、左まで大きく回転しながら海に引き返すが、思い返して内陸に向かった足跡があった。
 産卵巣の場所は、回転した足跡から近く、漂着した竹切れなどが重なる海側で、大潮の満潮で冠水する所だった。

 帰海の足跡の多くは、海に近いコースをたどるが、この個体は、渚に平行な足跡を残した。

2012年5月24日(木)
砂の入替

 産卵する砂浜は、漂着した多数の木や竹切れなどが埋まっているところもある。
そんな巣の卵を探すときは、調査作業に手間取る。

 今日の巣も掘ってみると、竹切れや軽石など漂着物が多く埋まっていた。 人の手で掘るのも大変な漂着層を掘った、ウミガメのたくましい一面を感じる。

 子ガメが砂の中から脱出するときに障害になるので、埋め戻すときに、きれいな砂で埋め戻している。
韓国から流れ着いたゴミのバケツが役に立った。

2012年5月18日(金)
上陸数

 今日は5カ所の上陸跡があった。
時期的には多い数字だ。

例年5月18日頃は、まだパラパラの上陸数だった感覚だが、記録をひも解いてみると、今年は速いペースで上がっている。
近年で上陸数の多かった2010年よりも上陸数が多そうな感じだ。

 今の時期に疲れを感じるのは、年のせいかと思ったが、運動量が多いせいのようだ。

2012年5月10日(木)
ハマヒルガオの群生

 ハマヒルガオの群生がすばらしい。
この場所は、ここ数年の季節風により、堆砂が発達した砂浜だ。
みごとな広がりで咲いている。
私の観察する浜で一番の広がりを見せる。

ただ、いつも早朝の観察なので、多くの花びらが半開きなのが惜しい。

2012年5月5日(土)
初産卵

 今シーズン初の産卵があった。
昨日の朝に見た、初上陸と同個体と思える足跡だ。

卵塊の最上層は10cmと浅く、ふ化までには海水に浸ってしまう場所だった。
シーズン初産卵から、いきなり移植になった。

2012年5月1日(火)
アリの行列

 黒っぽい紐のゴミか?
よく見ると、アリの行列だった。
乾いた砂地から、まだ湿っている干潟まで続いている。
群れの塊が、2カ所に見られる。

2012年4月25日(水)
一人で清掃

 今日も一人で河原の清掃をしている。
一週間前ほどから、明け方からゴミを集めて焼却していた。
雨で流れてきた大量のゴミがあったが、ハマボウの周りなどきれいになっている。
 一週間後には砂の祭典が始まる。 意識しているかも。

 様子からして自主的に作業をしているようだ。
パフオーマンスをする人が目立つが、人知れずコツコツと働く姿を見ると心が温かくなる。

2012年4月20日(金)
ハマヒルガオ

 ハマヒルガオが咲き始めた。
花言葉が、絆、賢くやさしい愛情らしい。

この花が咲き始めると、いよいよウミガメの時期が始まる。

 あと数日でナンバーステックと名付けた100m毎の印の再生が完成する。

2012年4月9日(月)
発達した砂嘴

 久し振りに万ノ瀬川河口の北岸を歩いてみると砂嘴が発達していた。
河口から上流に向かって、今冬だけで100m程伸びている。
20年ほど前までは砂浜が広かった所で、40年ほど前までは近くで砂採取が行われていた。
再び砂浜が広くなるかもしれない。

2012年3月29日(木)
ヒジキ



 地上の植物の多くは春から新芽が伸びる。
 そして、秋に収穫となる。
海の中で海藻の多くは、晩秋に新芽が伸び始める。 そして、春に収穫期となるらしい。
海の中の海藻の収穫期は、地上とは逆の春。
ウミガメに関心を持つまでは知らなかった。

 今日はヒジキがたくさん漂着していた。 浜の春の風景だ。

2012年3月22日(木)
飛砂が少ない

 2年前(10年2月24日の浜日記)に紹介した堆砂した場所が、今冬は堆砂しなかった。
春には堆砂でなだらかな斜面になるものだが、一時は堆砂したものの初冬の浸食と同じ状態だ。

 毎年繰り返さる、初冬までの浸食と春までの堆砂だが今冬は全域的に堆砂が少い。
 前砂丘の観察からも、飛砂に覆われた草地が昨春より少ないように感じた。

 今冬は季節風が例年に比べて弱かったことが考えられる。

2012年3月14日(水)
クジラ?


 クジラとイルカの呼称の違いは?。
Webサイトで調べてみると、体長が3〜4mより大きいか小さいかも、要素のようだ。

 今朝、見た体長3mほどの漂着体は?
小型の鯨、コマッコウか、マイルカ科のハナゴンドウに似ている。
吹上町キャンプ場海岸から北200m程の所に漂着していた。
昨年1月にマッコウクジラが漂着して埋めた浜から南へ2kmほどの浜だ。

2012年3月11日(日)
姫砂丘

 冬の強い風に吹き飛ばされた砂は、こんもりした小さな砂丘を多く作る。
粒子の小さな砂が作るなだらかな曲線は、ビーナスのラインを連想させて安らぎを感じさせる美しさが心地よい。
強い風と柔らかな砂が作る春の風物詩として、楽しみながら記録している。

 写真の双丘は、枯草の中で砂の白さが際だって美しく見える。
「姫砂丘」と名付けてみた。
2008年には、もっときれいなラインをした双丘だったが次第に変化してきた。

2012年3月3日(土)
砂丘鉢



 6年前には小さな丘だった前砂丘が、今は幅が20mほどの大きな窪みになった。
 以前は写真右の稜線と中央の稜線が山なりに連なっていた。
強風が砂を吹き飛ばして造形したものだ。
 当方はこんな窪みを「砂丘鉢」と名付けて継続観察している。

2012年2月24日(金)


 数年前から
浜で猪の足跡を見かけるようになった。

干潟で見た今日の痕跡は、漂着海藻をひっくり返して食物を探したようだ。
ほぼ草食性だが、動物質も採餌するらしい。
 以前に草の生えていない砂浜を掘り返して食物を探した跡も見掛けた。

 数年前までは、猪の足跡を浜で見掛けることはなかった。

2012年2月18日(土)
波と飛砂のアート



 波が引いたあとに、横方向から強い北風に飛ばされた砂が、引き波の痕を浮きだたせている。
波と飛砂が創る渚の瞬間アート。

2012年2月10日(金)
貝拾い

 渚を歩いている知人は、貝拾いだった。
冬の北風が強いとき、台風の後など大波が貝を渚に運ぶ。
若い人は貝拾いの楽しみを知っているのだろうか。
 15年ほど昔、渚で7cmほどのハマグリを拾った。 同行していた中学生においしいよ、とあげたら気持ち悪がった。
食べ物は店で買うもので、渚で拾った食べ物は不潔と思っているようだった。
 知人は貝の食し方などの知識が豊富だ。
知識を後世に伝えるべく教えてもらいたいと思っているが、食に執心が薄いせいか実践が伴わない

2012年2月1日(水)
家畜の毒草

 寒い砂丘で咲いている花もあるんだ。
キク類に似た黄色い花が、前砂丘の植生帯の薮のなかに咲いていた。
 写真を調べると、2006年に特定外来生物に指定されたナルトサワギクのようだ。

 それは、日本では1976年に鳴門市で発見されて1996年に同定された。
マダガスカル原産で南アメリカ、ハワイで問題視され、オーストラリアでは多数の家畜が中毒死したことで駆除しているらしい。
 又、ほかの在来植物を駆逐するアレロパシー作用もあることで、繁殖力が強いらしく環境庁も駆除を喚起している。

2012年1月22日(日)
野鳥の異変?

 今冬は野鳥に異変が?
熊本でも聞いたが、南日本新聞の世論欄で、木の実をついばむ野鳥が少ないと複数の投稿を読んだ。
そういえば、あちらこちらの赤い木の実が鈴生りで、いつもの落葉樹の風景も違って見えるような気もする。

 渚では、シロチドリが寒い冬も問題はなさそうで、波が洗い出す餌をついばむのに寄せる波と追いかけっこをしている。
渚で見かけるシロチドリの羽数が10年前より少し減少したかに感じるが、気のせいだろう。

2012年1月7日(土)
噴煙

 桜島が日の出とともに噴火した。
浜に出る、前砂丘から日の出を撮っていると、金峰山系ごしに噴煙があがってきた。
 50年前の小学生の頃、頻繁な噴煙が印象に残っている。 数年前まで、鳴りをひそめていたので、ランクAからBへと静かになっていく可能性も思っていた。
 2011年の噴火は記録史上最高の996回。
自然のサイクルは人間の感覚では知りえない長さだ。

2012年1月2日(月)
2012年 Own tracks

 2012年初の浜歩きは2日になった。
足跡を振り返ると、フラフラした足跡だ。
どこでも楽に歩ける広い浜は蛇行してしまう。
強く意識しないと直線の足跡にはならない。

 今年は、ステップアップした活動が期待できそうだ。
社会性の力量を試される機会にもなりそう。
楽しみだ。

2011年12月31日(土)
カワウ

 カワウが渚に羽を休めている。
数百羽で群れているカワウは、冬の景色のひとつだ。

 今日は大晦日。
吹上浜は、2011年も健康と楽しみを与えてくれた。
沖に向かい、感謝の気持ちを込めて手を合わせた。

2011年12月20日(火)
霜朝

 今朝の浜の気温はマイナス2℃。
南さつま市の吹上浜では、最低レベルの温度だ。

砂丘の風紋に、またハマゴウにも、霜がうっすらと白いパウダーをふりかけたように優しい白の風景が美しかった。

 写真奥に見える野間半島の裾野には、気嵐が見える。

2011年12月15日(木)
椅子



 潮騒を聴きながら・・・・・
2011年12月9日(金)
砂嘴

 万ノ瀬河口の砂嘴は、ここ1年で岸側に寄ったように見える。。
河口の上流側に延びた砂嘴は、特に中央部が岸の方に近づいた。
 以前からすると、小型船が出入りする河口が広くなった。

2011年11月25日(金)
堆砂

 吹上浜の南部に小湊漁港がある。
港の防波堤の外海に、10年前には小さな砂の吹き溜まりだったが、堆砂して広くなり植生が発達してきた。

 小さな松の木を数十本植樹してある。
今後の変化に興味が湧く。

2011年11月16日(水)
永吉河口

 永吉河口はどうなったか。
秋の海岸観察の一番の興味だった。
北向きに蛇行した河口に砂で堤を造り、海に真直ぐに川の水が流れるように浚渫していた。
 自然に由来する大きな河口の変化はなかったようだ。

2011年11月9日(水)
砂中温度の限界

 天気予報によると、今日からは雨の日が続くようだ。
子ガメが育つ砂中温度は期待できないので、最終のつもりで掘ってみた。
 昨日、堀出した2匹は引き潮の波になかなか乗れなかったが今日の1匹は、すんなりと波間に旅立ったので気持ちが救われた。 この子ガメが今年の最終だろう。 (写真は昨日)

 8月28日の今年最後の産卵巣は高潮で流され、残った1個だけを移植したがだめだった。

 今年は、記録的な早い巣と遅い巣に出会い、大変興味深いサンプルになった。

2011年11月6日(日)
脱出困難

 8月27日に加世田小学校の子供たちと一緒に移植をした巣が狸に少し掘られていた。
獣害予防具を施していたので害はなかった。

 予想より脱出が遅いと思いながら、4日前には孵化を確認していたので、明日には試掘の予定だったが
掘ってみることにした。

 孵化したときと同じ深さのまま、脱出する元気さはなかった。 砂中温度が低いのだろう。
 胚膜がとれていた幼体は渚の近くまで運んだ。

2011年11月1日(火)
桜島の噴煙

 桜島の噴煙が流れている。
写真で分かりにくいが、山影のすぐ上空に雲みたいな層に見える。 右の鹿児島市方向から串木野方向に流れ、海の上空になる所で山なりに上昇している。 海上では再び甑島方向に海面と平行に流れている。
 海の海水温度が内陸より高いことが山なりの一時的な上昇に関係するのだろうか?

2011年10月26日(水)
気嵐 ?

 今朝の気温は6.5度。 昨日は21度だったのにあまりに急な気温の低下だ。
 万ノ瀬河口に蒸気霧が発生している。
20数度の暖かい海水面に内陸から流入する冷気が触れて霧が発生している。 蒸気霧に分類するらしいが、気嵐といってよいものか。 河口に発生しているから川霧のほうが適当かと考えてしまう。
 通気のよいシャツ一枚は、寒かった。

2011年10月16日(日)
カイトボード

 今日のパラグライダーは少し様子が違う。
帆が低空を横移動している。
水面をボートでセーリングしていた。
インターネットで調べると、カイトボードというスポーツらしい。 5機ほどが波しぶきをあげている。

 当日のカイトボードのイベントに興味のある方は下記でどうぞ。

カイトボーダーズ ミーティング in 鹿児島

2011年10月10日(月)
脱出に遭遇

 釣り人と話していると、子ガメが海に向かっているのを目撃。
あわててカメラを取り出し記録を始めた。
30分前に脱出していないことを確認した巣からゾクゾク脱出している。 いいタイミングで突然に始まった脱出だった。
 100匹近くの子ガメが描いた、今回のシャワートラックは靴跡と重なり美しいとは感じなかった。
居合わせた3人の釣り人も初めての遭遇に感動したようだ。

2011年10月5日(水)
獣害を受けた巣の卵が

 9月23日に獣害を受けた巣に残っていた卵を17個移植していた。
気にかけていたが、昨夜7cm径の窪みを残して旅立った。
堀出してみると12匹が脱出していた。 残りの5個は脱出には至らず息絶えていた。

 通常の堀出し調査は、子ガメの生態観察のために脱出が始まってから1週間前後過ぎてから掘出すようにしている。
子ガメの脱出跡を見つけても決して堀出さないようにしてもらいたい。
巣全体の子ガメ幼体が一様に脱出するのに適期とはいえません。

鹿児島県ウミガメ保護条例で吹上浜のウミガメは保護されています。

2011年10月1日(土)
堀出し調査

 産卵されたほとんどの巣を掘出して、孵化の状況を毎年調査している。
 発生の途中で白蟻などの食害で腐ってしまった卵や、孵化前後で息絶えた幼体などは腐臭もあり、やりたくない作業だ。
手袋に付いた腐臭も除去しなければ記帳する手帳が汚れてしまう。


 多くの子ガメが脱出した巣に残された殻は、乾いているので手軽に作業ができる。 シャワートラックを見たときと同じで無事に旅立った子ガメを思うと楽しい作業になる。

2011年9月23日(金)
滝型シャワートラック

 往路に見逃したシャワートラックがあった。
まるで滝に水が流れるような、珍しいタイプだ。
うまく表現しようとシャッターを多めに押してみたが出来なかった。 伝えられないのが残念。
台風の強風で堆砂していたので、巣が深すぎないか気になっていた。 大丈夫だったようだ。

2011年9月11日(日)
カゴ獣害防具

 昨年、簡易に獣害防具として使ったプラスチック製の籠が、今年も同じ場所にあった。 昨年は獣害防具として苦肉の策で使ったが、意外に成功した。 今年も近くの巣が獣害に遭ったので使ってみたら成功した。 今朝、シャワートラックを確認。 1匹だけ、なぜか渚と平行する南の方向へ100mほど足跡を残していた。

2011年9月7日(水)
飛行機雲

 随分と高い空を飛んでいる。
南の国から飛んできたのだろう。
南から北上して、薩摩半島を見下ろす辺りで大きく方向転換をする飛行機雲をよく見掛ける。
 連日の多忙な作業が一息つき、今日は空を眺める余裕も。

2011年9月3日(土)
台風12号

 台風12号が四国に上陸した。
今回は思ったより大型台風で、波が強かったようだ。
台風6号もそうだったが、今回の方が影響が大きかった。台風情報の読み方も学習の余地ありだ。
 まだ未孵化の卵の流失と、掘出し調査をしようと思っていた巣が数か所あったが流失したようで不可能になった。

 

2011年8月28日(日)
モーターパラグライダー

 昨日も観察会に花を添えてくれたモーターパラグライダーが今日も飛んでいる。
遅いタイミングでカメラを構えると、空中に円を描きもう一回チャンスを作ってくれた。 快晴の空と一緒に心も晴れる。

 8月23日が上陸の最終かと思ったが、今日の記録が最終になりそうだ。
 熊本と福岡出身ご夫妻のファミリーは子ガメと産卵跡を同日に観察できた。 ウミガメに強い関心を寄せていたファミリーの思いが運を引き寄せたようだ。

2011年8月27日(土)
加世田小学校の観察会

 今日は、加世田小学校の「家庭教育学級講座」の一環として、上ノ山海岸で子ガメの観察会だった。 参加者は親子で150人ほど。
早朝6時スタートの呼びかけは、夜型の生活者が多いと聞く中でどんなものか懸念したが、予想以上に多い参加者は嬉しい誤算だった。
やはり共感してもらうのは気分も高揚する。
 子ガメのたくましさを話したつもりだが、伝わっただろうか。

写真は大迫氏提供

2011年8月22日(月)
一時冠水

 潮間帯に産卵されて、一時的にすべてが水浸しになった卵から、3匹の子ガメが旅立っていた。
 6月14日の夜に産卵された巣を、安全な砂斜面に移植していた
95個の卵だが、孵化率に興味が湧く。

2011年8月17日(水)
シャワートラックに遭遇

 18年の観察のなかでも数少ない、自然なままに始まったシャワートラックを始まりから終わりまでを観察できた。
100匹ほどの子ガメが描く、わずか3分ほどの感動だった。
 美しいと思う鮮明なシャワートラックは、気象条件が一番だが、描かれてから時間の経っていない鮮明さも大きなな要件だ。 気象条件が良ければ翌日まで鮮明さを保っていることもあるが。

 往路に時々見掛ける、見落としたかなと思うような、復路に気付いたシャワートラックは、見逃しではなく
観察保護に浜を往復する間に描かれることを再確認した。

2011年8月14日(日)
グンバイヒルガオ
 グンバイヒルガオが数輪だけ咲いた。
南の島などに多く咲く花だ。
数年前から、根が年々広がり目立つようになってきた。
温暖化の影響でますます増えるのか。

 しかし、今年は5ヶ所ほどの他の場所は咲いていない。
南薩には珍しく、冬に積雪が数回あり寒かった。 
低温で枯れてしまったのか。
意外に夏の気温が高くないのか、来年の開花が気になる。
2011年8月7日(日)
「南薩少年自然の家」観察会

 今朝5時ごろは大雨と雷が頻発していた。
たぶん今日の観察会は中止だろう。
今日の為の獣害予防具も無駄だったか。

 先行した観察をしていると携帯が鳴り、実行が告げられた。
正直驚いた。 過去に他所の「自然の家」で事故責任の報道もあった。
関係者の子供たちに見せたい思いと英断を感じ取った。

2011年8月4日(木)
獣害

 狸などによるウミガメの卵の被害が7月31日から始まった。
今年はないのかと思っていた矢先のことだ。
1997年に突然と始まった獣害は14年目になる。
以前、自然に被害がなくなった他県の浜の話を耳にして、期待をしていたが甘くはなかった。

今日で7カ所目になる。
今年も獣害防具や移植などの作業が忙しくなった。

2011年8月2日(火)
初脱出

 今年初の子ガメの旅立ちはシャワートラックだった。
産卵されてから77日目の旅立ちだ。 5月中旬の産卵だと一般的な経過日数になる。

 写真中央の子ガメ脱出窪みの左側から右奥にかけて、4日前に産卵上陸した足跡が残っている。

2011年7月29日(金)
4回目の産卵

 6月19日に生体遭遇したアオウミガメが、今季4回目の産卵をした。
「母ガメの話」のページに動画をUPした個体だ。
左後脚先が欠けた特徴があったので、足跡にも特徴があり同定が容易だった。
産卵間隔は15日、15日、14日となる。

2011年7月21日(木)
台風6号

 3日前は70cmあった段差が一日の強風で堆砂した。
昨日は堆砂した段差をなんなく通過して内陸側に産卵していた(写真)。
今日は再び40cmの段差になっており、段差の下を60mほど上がれる所を探して移動したが、諦めて段差下に産卵していた。

 台風6号は宮崎の沖を
通過したので、経験的に吹上浜には影響はないだろうと思っていたが、波と風が意外に強く、認識を新たにした。 流失したのは1カ所のようだが、冠水で孵化の厳しい巣が数か所ある。

2011年7月10日(日)
真夏の日差し

 真夏の日差しがキツクなった。
7時半を過ぎると日差しがきつくなる。 乾燥した砂が強く反射し、サングラスがないと目があけられない。
数年前に、意識がおかしくなる手前まで経験してから特に気を付けるようになった。
 傘は暑さ対策として効果が大きい。

2011年7月3日(日)
ガレキ帯に産卵

 浜崖の斜面に産卵適地を探しながら、結局、斜面を下りた竹や茅などが折り重なったガレキ帯の上端(写真左下)に産卵していた。

 鹿児島南部の梅雨明けは、6月28日だった。
平年より16日早いらしい。 今年の万ノ瀬河口に漂着した上流からの草木など堆積物は例年より多くなかった。

2011年6月25日(土)
ダックスフンド

 浜には不似合いの小型犬がいた。 ウミガメが産卵した辺りを歩いている。 ダックスフンドのようだ。 寂しげな野犬は時々見掛けるが、これは違った。 近くなると脱兎のごとく走りだし、2km程元気な走りを見せた。 さすがは狩猟犬の血統だ。
 ウミガメの卵が埋もれている所を少し掘った跡があったが、この犬かもしれない。 嗅覚も良いらしいが、今の時期に、動物が嗅覚で卵を掘り出したと思われる跡はまだ記憶にない。
足跡を観察すると狸と似ている。

2011年6月20日(月)

 雷が近くなってきた。
急いで前砂丘の風食崖の崖下に退避した。
風雨が強くなってくると、傘でしのぐのに姿勢が窮屈になる。 じっとしているのは辛い。
 雨だけだとそうでもないが、風が強いともろもろが濡れないように気を使う。 カメラは防水ではないし、手帳に記録もしなければならない。
 

2011年6月16日(木)
生体遭遇 脚先欠損

 今年2回目の生体遭遇は、左後脚の先が欠損していた。
今年3個体めの、脚に異常を思わせる個性的な足跡だ。
発見したときはボディピットを離れるときだった。 撮影の為にウミガメの正面に構えると、意外に真直ぐのっしのっしと海に向かう。 通常、正面に立つと避けるように方向を変える。 歩行に精一杯で避ける余裕がないのか。
 多くがそうだが、今回も体を重そうにフーツ…フーツと休みながら海に向かう。 海中では速く泳ぐが、浜での歩行は大変だ。

 近日中に動画で公開したい。

2011年6月14日(火)
シロハラクイナ

 見慣れない鳥が浜にいた。 長い足を除いた体長が鳩ほどで、顔から胸が白いのが目立ている。
調べると、シロハラクイナだった。分布は九州南部以南で繁殖し留鳥となっている。
本州でも見かけることが増えているらしく、温暖化の関連か、北に分布を広げている可能性もあるらしい。
 肉眼では気付かなかったが、写真では嘴の赤と黄緑色が華麗だ。

2011年6月9日(木)
アカミミガメ

 10年ほど前に砂浜で見た、スッポンかと思われる足跡が何の動物のものか気になっていた。 エリアに20年以上前に廃業したスッポンの養殖場があった。 しかし、河川から2km離れた海水域で生息できそうでない。
 今日、解決した。
新川河口から300m北の砂浜に干潟
から延びる18cm幅の足跡があった。 たどると植生帯の草陰にアカミミガメがいる。 2時間後、足跡をたどると前砂丘を超え松林に続く藪に消えていた。
 アカミミガメは縁日などで売られているミドリガメの成体で川や沼の淡水に棲む。 調べると海水にも耐えるらしい。 アメリカから輸入された要注意外来生物になっている。

2011年5月31日(火)
台風の多い年か

  5月23日には記録的に時期の早い入梅のニュースがあった。
 一昨日は、これまた例年より早い時期の台風2号が屋久島近海を北上した。
吹上浜は、まったく影響はなかったが、今の時期に台風を気に掛けるとは少々驚きだ。

 鹿児島県のウミガメ保護条例ができる前に、採卵で稼いでいた方から聞いた話が耳に残っている。 台風の多い年は、浜崖の上に多く産卵するという話だ。 感覚的な話は鵜呑みにできないが、時々思い出す。
 今日の足跡は、浜崖まで一直線に内陸を目指し、直角に近い浜崖の斜面であっさり諦めて帰海した足跡があった。 昨日以前にも浜崖で諦めた足跡を複数見掛けた。
 今年は特異な感じもするが、台風が多い年なのか?

2011年5月25日(水)
航空薬剤散布

 昨日の予定だったヘリコプターによる航空薬剤散布が今朝、金峰南部の松林で行われた。 砂丘を覆う松林は金峰町だけで2.5km×5km程の広がりがある。

 今日は薬剤の水溶液を少し被ったが意外に無臭だった。 以前は離れた所でも薬剤特有の刺激臭があったがなぜだろう。

 数十年前から毎年、薬剤散布を実施してきたが、十数年前に加世田から金峰までの広い松原が
松食い虫の被害でまばらになった。 松原は復活してきたが、まだ若い木々が多い。

2011年5月23日(月)
カメフジツボ

 産卵を終え帰海中のアカウミガメに遭った。
背甲にはカメフジツボが一個張り付いている。 写真の背甲の中央左の白いのがそうだ。 普通のフジツボは岩礁や岸壁の潮間帯でよく見かけるが、カメフジツボはウミガメに張り付く特性があるらしい。 サイズがフジツボより大きく、今日のそれは直径7cmほどだった。 時々見掛けるが、産卵の穴掘りで跳ねあげた砂が甲羅を覆っているので見逃しているかもしれない。

 カメフジツボを調べることでウミガメの回遊行動を研究されている方もおられる。 カメフジツボについて詳細な知見は少なそうだ。

2011年5月14日(土)
やっと2頭目

 今年の初産卵は記録的に早かったが、2頭目まで3週間も間が開いた。 桜の遅かった今年を思えば、今日の上陸が初産卵になった方が納得する。
 
早朝にしたい他の作業があったのだが、早過ぎた初産卵に惑わされて予定が違ってきた。

 産卵された斜面の近くにハマヒルガオの花が咲いている。

2011年5月8日(日)
河口が広くなった

 河口水域の幅が1〜2年前は、かなり狭くなっていた。 南岸に発達していた砂嘴が、北西の強い季節風で南下したことで広くなった。

 万ノ瀬河口ではヒラメ、コチ、スズキの未成熟なセイゴなどが釣れるらしい。 まだキス釣りは見かけない。

2011年4月30日(土)
後浜が広がる

 2009年の南さつま市議会の議題にもなった、万ノ瀬川河口北岸の松の植生帯まで浸食していた後浜は、一年前より漂砂で幅が2倍ほど拡大し35mほどになった。(浜日記2010年4月30日参照)
 8年前に流失した南東に広がる200mの砂浜も、ここ数年安定して100m毎の標を2本立てることができた。

2011年4月24日(日)
初産卵

 今年初のウミガメ産卵は、4月24日だった。 今年の桜は遅かったのでウミガメの産卵上陸も遅いかと思っていた。 明け方の内陸での気温は9℃と低く、ことさら上陸は意外だった。 意外な早さは、過去17年のデータの中で記録更新だ。 これまでの早い記録は1998年の4月26日だった。 昨日の23日に初上陸したが産卵せずに帰海したウミガメの足跡と同じ個体かとも思えるが、断定には無理があった。 夜中の満潮前後24時頃に上陸し、2時頃に帰海したようだ。

2011年4月21日(木)
堆砂

 今日は月齢17.5。 今回の大潮は波が大きかった。 とは言っても大波とは思わなかったが、思いのほか今冬の堆砂をさらって60cmの段差ができた。(上の写真)
 昨秋の浸食(下の写真)か
ら約5か月で北西の強い季節風が良い斜面を復活しそうだと期待していた。 残念だ。 ここの浜は一昨年も浸食が冬の堆砂で復活したと思ったが、3m程の浜崖になってしまった。 今年はウミガメの産卵場所には不適当かもしれない。

2011年4月12日(火)
歩測

 毎年ソメイヨシノが散ったころから、ウミガメ上陸地の記録の為に100mごとの標を再生する作業をしている。
 歩測で5kmの100m毎を測り、10数年前にはほぼ51本の位置は固定されている。 記録を始めた頃は、100mを決めるのに安定した歩幅を訓練したりと数週間の日数を費やしていたが、10年前に測定器具を試作し数日で位置を再現できるようになった。 又、より正確な距離が出せるようになった。 
 歩測で決めた100mは、測り始め
から1.5kmは100mを正確にだしているが、それ以遠は2m前後短くなっている。 歩測して距離が延びると疲れて短くなったようだ。 100mの正確さより毎年の位置が同じになることを優先した。

2011年4月7日(木)
長年の浸食が止まるか
 吹上浜海浜公園の海岸部にボードウオークがある。 約20年ほど前に完工以来、徐々に波に浸食されて砕石の蛇籠とコンクリートの階段も壊れ、2001年には階段も利用できなくなっていた。 (右の写真は 2010年10月)
 行く末を心配していたが、この冬で飛砂が堆積し安定感のある緩やかな斜面になった。 (左の写真 2011年4月) 写真の手すりなどから堆砂の高さを推定すると満潮位から4mほどになる。
 これまで補修は行われなかったが、昨年2月に旧階段部に砕石の入った袋を積む小規模な補修工事が施された。 もう追加の工事は必要ないかもしれない。
2011年3月29日(火)
堆砂

 万ノ瀬川の南へ1kmほどのが、この冬に顕著に発達した。 1年半ほど前までは、年々浜が細り浜崖の下まで波が打ち寄せていた。
 昨秋から加世田区海浜公園部 (万ノ瀬川から相星川間) 3kmのうち、北部2kmほどは浜が発達していたことに興味があった。
 夏に強かった南風と波が海岸の砂を北側に寄せ、冬の北西からの強い季節風が砂を浜崖の下まで運んだことが伺える。 
砂の斜面上端は高い所で、満潮線から3mほどになる。

 堆砂の稜線には、少し風化したカラスの足跡がある。

2011年3月26日(土)
コウボウムギ

 3月に入ってから、春の到来を告げるコウボウムギの芽生えが始まった。 去年より遅い芽生えだ。 やはり今年は寒かったということか。 浜ではコウボウムギの芽生えから浜の春が始まる。
今日は下旬ともなると目立ってきた。

 コウボウムギの名は、かって、茎を利用して筆を作ったことから弘法大師に由来するらしい。 別名、フデクサとも。

2011年3月13日(日)
大津波

 11日の東日本に展開した大津波には驚いた。 吹上浜も1mほどの津波警報が出された。 小潮で潮位が低いので影響はないだろうとは思ったが、今回ばかりは12日の浜に出てみようとは思わなかった。 テレビの画面から伝わる大津波の威力は意識の未熟さを痛感させた。

 写真は万ノ瀬川南岸の2年前から発達した新しい砂嘴だが、津波の跡はわからなかった。 波の大きさで差異はあるものの通常と同じく、小潮で潮位の低い波が砂嘴の緩い稜線を少しだけ越えた跡があった。 砂嘴は以前から少し低くなっていた。

2011年3月11日(金)
流木のトカゲ

 全長2.5mほどの波が創った流木のトカゲは、なぜか和みを感じた。 節の目といい曲がり具合といい、よくできたものだ。
 蛇に似た物を発見したときにはゾクッとくるが、まったくそれはなかった。

2011年3月3日(木)
海苔つきアオウミガメ

 ウミガメの脱出ではない。 生後数年と思われるアオウミガメの亜成体の漂着だ。
息絶えてから間もないと見え腐敗はない。 しかし海苔が背甲のみならず、頭部と脚の甲にも生えている。 ウミガメの漂着はよく見かけるが海苔つきは印象がない。今回あらためて気にかけただけかもしれない。
 海苔の成長と死後の時間経過を意外に思い調べてみると、海苔の成長が冬から春にかけて成長が著しいことを知った。 今の時期は2週間で20cmほど成長するらしい。

2011年2月27日(日)
春節

 中国から飛んできたと思える赤い風船が目にとまった。 日本の正月にあたる中国の春節(今年は2月3日)を祝って飛ばしたのだろう。 松林の緑のなかに鮮やかな赤色は目立っていた。
 福、富、貴などの単語と、年年有余(食へんに余)、萬事如意の熟語が書かれている。 中国の人の願いも日本と同じみたいだ。
 偏西風の気流で黄砂やCO2が、黒潮の潮流で大陸の河から海に流れ出たゴミが日本に流れてくる。

2011年2月22日(火)
風のアート

 強い季節風は芸術家だ。
砂の表面が少し硬くなったところで、強い季節風がきれいな波模様を描いている。

2011年2月9日(水)
堆砂

 4か月前の秋には2mほどの浜崖だった所が堆砂で埋まろうとしている。 一昨年前の秋にも浜崖になり翌春には砂の斜面がほぼ復活した。 北西の季節風はあと2か月程は強いかと思われるが、砂の斜面復活なるか期待したい。

 風に飛ばされて堆積する砂は、真砂の形容詞がふさわしいきれいな砂だ。 無造作に描かれる曲線とその柔らかな砂面を見ると
、ほんわかした気持ちになる。

2011年2月5日(土)
穏やかな波

 ここ数日の波は穏やかだったといえるようで、沿岸洲のような少し盛り上がった渚が全域に連なっている。 前浜も広い。
 今日のように月齢2.0の大潮だと、潮位と波が高いときが多い。 波が大きいと砂浜は平らに均されるが、穏やかだと今日のように渚に砂が堆積して沿岸洲のような渚になるようだ。

2011年1月28日(金)
三度のクジラ漂着

 またまた吹上浜にクジラの漂着だ。 25日には吹上町小野浜に17m弱が1頭。 26日にも南さつま市小湊海岸に15〜17mの3頭。 いずれもマッコウクジラだ。 南日本新聞の報道によると今日以降に埋設するとのことで写真撮りを早朝の運動にした。 低潮の時だったらクジラの間近まで歩いて行けたのだが、残念ながら満ち潮が始まっていたのでよいアングルでは収められなかった。
 今日の南日本新聞には、沖永良部島では毎年1〜3月にかけて出産や子育てのため北から回遊してくるクジラを頻繁に目撃するとの記事もあった。

2011年1月22日(土)
沙防の碑

 吹上砂丘の松林に「沙防の碑」がある。 塩屋堀集落から西へ300m程の細い道があったが途切れている。 京田海岸への道と交差するサイクリングロード(吹上浜砂丘自転車道)を900mほど南下した小高い所だ。
 約160年ほど前、 海岸からの飛砂で田畑や集落が埋没する被害が問題になった。 自ら潟に移住し、私財を投じて多くの松を植えて飛砂から集落を守った宮内善左衛門の功績を讃えた碑だ。 碑文は東郷平八郎の書が刻まれている。
 この功績により今も広大な松原が茂り、飛砂や塩害などから守られている。
 訪れる人は少ないようで間伐された松が散在している。 徳の心は次代にも語り継ぎたいものだが。

2011年1月15日(土)
漂着物が神社に

 冬は浜に出られない日も多い。 朝の運動は毎日やりたいので、内陸部で自転車やウオーキングをやっている。
 今日は、自転車で漂着物に関心をもつ自身にとって興味深い神社を確認に行った。 漂着した霊木を神位にした「寄木八幡神社」だ。 旧万ノ瀬河口の小松原地区にある。 知名度が低い割には立派な社に驚いた。 事業で成功した篤志家の寄付が大きかったらしい。 屋根付きの土俵もある
 記念碑の由来によると「1693年(元禄6年) 当時の万ノ瀬川の川口に近い神崎に宇佐八幡の霊木が流れつき この木をもって神位を彫刻しこの神社を建てた」とある。

2011年1月9日(日)
クジラの漂着

 昨日8日にマッコウクジラが漂着したと聞いた。 02年に14頭が漂着した同地と聞いたが、旧大浦町の小湊干拓ではなく、1.5kmほど南の大浦干拓だった。
数100m沖と
1kmほど離れたテトラの近くに、約16mと17mの2頭が横たわっていた。(写真の右上に点状にもう1頭が見える)。
 大きな話題になった02年からあと、小型の1頭など知るだけで4回目の漂着になる。 吹上浜の南端に位置する南さつま市の海岸はクジラ漂着の多い所か。
ここの海岸も遠浅なので座礁ともいえるか。 02年当時の顛末を、現地支局の新聞記者氏が以下に興味深い記載をしている。http://www5.synapse.ne.jp/kabahiko/newpage426.htm

2011年1月1日(土)
飛砂

 昨日の積雪は例年と違って、午後に融けなかった。 積雪はさらに増えて、平地で17cm程になった。 積雪の多さは、おおまかに50年ぶりではないだろうか。
 今日は、北西の強風で渚の砂が飛び浜に出れない。

 
万ノ瀬河口の北岸からは、ここ数年で発達した広い砂浜に積もった雪を、強風に飛ぶ砂が覆っている様子を横方向から見ることができた。

 浜には出られなかったが、河口岸で今年も無事にウミガメとお付き合いできることを願って手を合わせた。

2010年12月31日(金)
雪の浜

 この冬、初の積雪。 ここ薩摩半島では、ひと冬に数日あるかないかなので、積雪がある度に童心に帰って楽しんでいる。 砂浜の積雪を見るのは稀だ。 海岸に出る道に、竹が積雪で路面までしなっていたが、四駆の車で強引に浜にでた甲斐があった。
 
もう一つ興味のある風景がある。 それは、04年に見た野間半島の無霜地帯の臨海帯と、積雪で白くなった野間岳(標高591m)7合目より上層から野間半島付け根の小湊付近の平地まで、線状の色分けを見たかった。 残念ながら今回は見れなかった。

2010年12月19日(日)
風の造形

 流木両端の下の砂が強い風で吹き飛ばされて、流木の中央部30cmほどでバランスを保っていた。 良い条件で撮りたいと思っていたが、残念ながら今日は北端が着地してしまった。 写真は9日前のだ。

 
ここの浜は1年前まで大潮満潮線から10mだったが、昨年から30mほどを保っている。 吹上浜の加世田区海浜公園部 (万ノ瀬川から相星川間) 約3kmの内、南部では今年に一部浸食した浜があるが、北部では浜が発達している。

2010年12月15日(水)
延びた砂嘴

 09年12月09日
 
 10年12月02日 

 万ノ瀬河口の砂嘴が、昨年より東に延びている。 写真は2日の方が分かりやすかったので採用した。 砂嘴の先端部と昨年以来の砂嘴本体は大潮でも冠水していないが、延びた首部は大潮で冠水した跡がある。 干潟は昨年より硬い。
 今日は時おり吹く強いかぜで、乾いた砂嘴から砂が飛び、うねりながら干潟を走っている。 残念ながら写真では表現できなかった。
 

2010年12月10日(金)
砂採取船
 沖によく見かける砂採取船の位置を、衛星写真を利用できるGoogle Earthの画面上で割り出す遊びを試してみた
山あて法で、串木野西端地と久多島を利用して、1.5km程離れた浜とサンセットブリッジの2地点から砂採取船を線上に見通した。 結果は、もっとも近い海岸で南さつま市ウトラ浜の沖合い約4kmとでた。 東経130°16′02.50″ 北緯31°29′24.62″とも表示した。
 Google Earthは楽しい便利なツールだ。
2010年12月1日(水)
カワウ

 毎年晩秋になると見かけるカワウ。 
数百羽の群れが干潟で羽を休めている。 警戒心が強く、近づくと飛び去ってしますので、ウミウか、カワウか同定しかねていたが、どうやらカワウのようだ。 寒気が和らぐまで見かける。


 70年代には絶滅危惧種とみられていたが、90年代には繁殖し琵琶湖にある竹生島の糞害や、川や湖などで鯉などが食害にあう内面漁業の問題が発生。
2007年から狩猟鳥になった。

2010年11月29日(月)
堆砂が始まる

 今年2月24日に当「浜日記」で紹介した、昨年秋までに浸食し、1.5mの段差が飛砂で堆砂した所に、小さな段差ができている。 昨年より海側だ。 潮位が高くなる晩秋までには浸食で段差が発生する所も多いなか、ここの浜は堆砂した浜がとどまった。 1年前より発達したとも言える。

 晩秋までに金峰区5kmの浜で、小規模だが、2か所の浜崖が崩落した。 冬が始まり、全域の浜で堆砂が始まった。
 春になると、浜崖は1年では無理だが、多くの段差は飛砂で埋まり前浜は復活するだろう。

2010年11月18日(木)
  霧

 今朝はこの冬一番の冷え込みになった。 浜の気温は3℃だ。
 海上には内陸からの冷たい空気が緩やかに流れて霧がでている。
 朝日が海面を射すようになると、スーッと消える。

2010年11月13日(土)
大きな漂着物

 転覆した状態で漂着していた小さな舟が、今日はひっくり返されていた。
漂着物であったろうロープで杭に舫っている。 だいぶ傷んでいるし実用には難しそうだ。 ひっくり返すのも大変だったろうが、遊び心だろうか。

 今日は今年のウミガメのデータを整理していて、最後に残った脱出後の経過が不明な巣を写真から確認できた。 これで今年のウミガメの現場作業が終了した。

2010年11月1日(月)
永吉川の河口はどうなったか

 昨年は大きく変化した永吉川河口はどうなったか興味をもっていた。
 人工的な要素もありそうだが、河口は南に30mほど移動していた。
 左上の写真が今年の11月1日で、左下の写真が昨年の10月16日の写真だ。

 毎年、ウミガメの掘出し調査が終わったら、10月から11月頃に吹上浜の南さつま市小湊から日置市江口浜まで25kmほどを歩いて観察している。
 砂浜や河口など、ここ一年間の砂の移動から考察すると、吹上浜全体では昨年ほどではないが、南からの風が少しだけ優勢だったように感じる。 永吉河口とは矛盾するようだが。

2010年10月29日(金)
最終の旅立ち

 ようやく、最後の巣から旅立ちした。
産卵から74日目の脱出だ。 掘出してみると孵化できなかった卵が88個、脱出したと思える殻が44個だった。 30cmほどの深さにいた一匹は元気がなかったが、自力で歩いて波にのっていった。 今年最後の子ガメの旅立ちはじっくりと立ち会った。 いつも時間を惜しみ、見送るのはあわただしかった。

2010年10月27日(水)
蜃気楼

 久し振りに甑島がくっきりと見える。 曇天に水平線方向だけが朝焼けに明るくなりデフォルメされた。 しかも肉眼でよく見える蜃気楼で浮島現象がおきている。  中甑島と上甑島だ。
  暖かい20数℃の海水温
と今朝の冷えた13℃ (7時の浜) の大気が演じる冬型の蜃気楼で、空の色が島影の下部に見えて甑島が浮いたように見える。 下位蜃気楼ともいい、春は上位蜃気楼と分類するらしい。 春型の蜃気楼は、逆に島影が背伸びしたかのように見える

2010年10月19日(火)
83日目の脱出

 堆砂で位置が分からなくなりデータ不明とした巣から、3匹の子ガメが昨夜旅立った足跡があった。 毎日観察はしていたが、諦めた矢先だったので思わず声がでた。
 掘出し調査をすると、30cmと75cmの底に3匹の子ガメがいた。 弱いかと思ったが、放流すると元気に波間に消えた。
 孵化したと思える殻や毎日の活動記録などの状況から、この巣の早いグループは2日前に脱出したと考えると83日目となる。 遅すぎる。
 もう一カ所遅くなりそうな巣がある。 試掘をしようか迷っていたが、自然な脱出を待つことにしよう。

2010年10月12日(火)
遅い脱出

 遅いと思いながら、そろそろ掘出し調査をしようかと思っていた巣から12匹の子ガメの足跡があった。
8月5日に産卵された巣で68日目で砂の中から脱出して旅立った足跡だ。
 3m程離れた近くの巣は8月4日に産卵されて49日目で巣立っていった。
 子ガメの旅立ちが、脱出予定日から大幅にずれる巣も少なからずある。

2010年10月6日(水)
キス釣り名人

 南九州市からキス釣りに来たキス釣り名人と浜で話した。
名人氏は、前回の9月29日には20cm前後のサイズを147匹も釣ったらしい。
 昔、キス釣りに挑戦したが、まったくダメだった。 浜で見かける釣り人に問うと「釣れない」と。 敬遠なのか、謙遜の美徳もあるのか。
 名人氏の話は驚きとともに、吹上浜の豊かさを表す話で嬉しくなった。  (写真は名人氏提供)

 キス釣り名人のHPはこちら 
2010年9月26日(日)
掘出し調査

 確認できる産卵巣をすべて掘り起こして、孵化状況を調べている。
 
写真の卵は砂中のシロアリの食害で多くの卵がダメになっていた。 今年は産卵巣数が多かったせいか、よく見かけた。
 掘出し調査は毎年のことながら、腐臭や発生状況で仕分けてカウントするなど面倒な、できればしたくない作業だ。 しかし今年は産卵数も多いのに、作業が軽やかに進む。 モチベーションの影響は大きい。

2010年9月20日(月)
脱出中

 子ガメは30cm前後の砂の中で孵化する。
その後5日前後で砂の中から砂浜の表面に脱出するようだ。 多くは狸や鳥などの捕食者から襲われにくい、暗い夜のうちに脱出して一目散に海に向かう。
 今朝のような、朝になってしまう子ガメもたびたび見かけるが、夕方に見かけた話も耳にする。
 母浜回帰説から考えると、子ガメは自力で渚まで歩いた方が良いのだが、カラスに襲われないよう渚まで運んだ。

2010年9月14日(火)
器用な狸

 砂の斜面だった所が浸食されて、60p程の段差の上端になった巣を狸が掘り返した。 写真の左下に卵の殻が散乱している。
段差の上端は砂が崩れやすく、どうやって掘ったものか首をかしげてしまう。

 今年の上陸箇所数は387(暫定)と多かった。 一人での保護活動には限界があるので記録を優先して、冠水しそうな巣の移植と獣害防具の設置などの時間のかかる作業は断念した巣も多かった。
 17年前に観察を始めてから獣害が突然に始まるまでも、自然なままを大事に記録していた。 保護活動に追われているときとは違った発見もある。
記録の整理は大変だが、楽しみも膨らんでてきた。

2010年9月13日(月)
カゴで獣害防具

 獣害に遭い巣に残されていた21個の卵と、孵化したばかりの子ガメ一匹を移植していた。  脱出した足跡は分っていたが、雨後の足跡は数をカウントすることはできなかった。
 孵化していた子ガメも気になっていたが、今日掘出し調査をすると、22個分のきれいな殻を残し、すべて旅立っていた。
 今年は上陸数が多く、保護活動の時間が限られるなか、この移植した卵は漂着物の壊れたカゴで簡易な獣害防具を設置していた。  気休めかもと思いながら。
漂着物は多様な獣害防具の材料になる。

2010年9月7日(火)
グンバイヒルガオ

 グンバイヒルガオ(軍配昼顔)の群落が鮮やかに浜を彩っている。 越冬して花を咲かせるのは、最近の情報によると大分県、四国南部が北限らしい。
群落になるのは熱帯域の砂浜だけのようで、
熱帯性のこの花は、温暖化を言われる昨今、吹上浜で増えていくのだろうか?
 7月24日に一輪開花を確認したが、もう盛りは過ぎたようだ。

2010年9月2日(木)
草根掛り

 今日、脱出した巣は近くのハマゴウから伸ばされた根に一匹の子ガメの前脚がひっかり脱出できなくなっていた。 あがき疲れたのか、動かなかった。
根を外してやると、少しづつ動きが活発になった。 無事に旅立てそうだ。
 他の多くの子ガメは、無事に脱出できたようで多くの足跡を残して旅立った。
 植生地に産卵することは珍しくはないが、時々このような場面を発見し手助けすることがある。

2010年8月29日(日)
獣害防具

 今シーズン4回目の上妻さんファミリーの同行観察会は少しハードな行程になった。
 さすがは教育者、自然環境に高い関心を持つ上妻さんは、鳥や花など多様な浜の自然にも興味を示された。 歩きにくい砂浜での足取りも軽く元気いっぱいだ。
 観察会後に一人で獣害防具を設置しようと思っていたが、好意に甘えて2か所も設置できた。
目に砂が入って痛がるのが気の毒。
 娘さんたちも、
汗とザラつく砂をものともせず頑張ってくれた。

2010年8月24日(火)
南薩少年自然の家 子ガメ観察会

 今年も、「南薩少年自然の家」主催による、早朝の子ガメ観察会が行われた。
 事業のタイトルは「われら南薩探検隊」と変わったが早朝の子ガメ観察は同じ内容だ。
 今回は、シャワートラックが2か所観察できた上に、多くの子ガメたちにも密接に接することができ、納得できる内容となった。
 子ガメを通じて良いメッセージを子供たちに伝えたいと、
随分前からいろいろ考えていたが、悪い癖で深く考えていくと、又も良いメッセージは伝えられなかった。 表現の勉強はまだまだ続く。

2010年8月16日(月)
美しいシャワートラック

 関心のない人が見たら気味が悪いと思うだろうか?
シャワートラックを見るたびに、私は美しいと思う。 嬉しくなる。
 
獣害だけでなく、シロアリなどの虫害やスナカニなども卵の発達を阻害する。 植物の根が栄養分を搾取することもあるし、根に子ガメが絡み脱出できないこともある。 孵化して地上に脱出できないものも多いのだ。
 多くの卵が無事に孵化して一斉に脱出できたのがシャワートラックだ。 

 今日は産卵上陸も1カ所あった。 お盆すぎの産卵は稀なので、たぶん産卵は収束だろう。

2010年8月13日(金)
子ガメの救出

 夏休みの自由研究で、文菜ちゃん家族が一部同行した。
3回目の今日は子ガメと初対面したが、ガレキであがく子ガメだった。 母ガメの上陸のときは、たいていガレキは乗り越えて上陸するが、子ガメの帰海のときは大きな障害になる。  仰向けになりながら、時間をかけなんとか頑張って帰海した子ガメの足跡をよく見る。  もたついていると高温死と狸やカラスの餌食となってしまうので、ガレキの中の子ガメを血眼で探してもらった。 29匹を救出、渚まで子ガメを歩かせて又この浜に帰ってくるのを願いながら見送っていた。

2010年8月9日(月)
獣害

 狸などによる獣害が活発になってきた。  今日は、直接の被害がない箇所を含めて、12カ所の産卵巣が狸などから掘られた。
 今年は、かなり産卵箇所数が多い。 一人の作業は限られているので効率と体力で勝負だ。
 今日は獣害防具設置は1カ所しかできなかった。 腐臭を発する卵を排し、可能性のある割れた卵は別に移植して、埋め戻すしかない。
 穴が開いたままでは確実に全滅する。

2010年8月6日(金)
念入りなカムフラージュ

 適当な産卵場所を探り、産卵した巣穴を知られないようにカムフラージュした跡などを含めてボディピットと言っている。
2〜3mの小さなものも多い中、今日の個体はボディピット全体が12mほどの長いものだった。
観察を始めたころ、長いボディピットの産卵巣を探すのは難しいこともあったが、今は荒らされていなければ容易に産卵巣を当てるようになった。

2010年8月2日(月)
初シャワートラック

 2010年初のシャワートラックを2日の朝に確認した。 産卵されてから74日目だ。
 今年2番目の旅立ちになる。
 多くの子ガメが旅立った足跡は浴室のシャワーの水が描くような扇状に広がって渚に向かっている。 多くの子ガメが育って旅立った証だ。  いつ見ても心地よい気持ちが沸いてくる。
 思い起こせば、4年以上前までに右肩下がりに上陸数が減少し、多くの獣害を受けシャワートラックは稀に見るようになっていた。

2010年7月31日(土)
少し前に帰海

 もう少し早ければ会えたのに残念。
写真の個体は一時間ほど前に帰海したようだ
 冠水帯に試し堀りの跡を残して何故か産まずに汀線で引き返した。


 今日は9ヵ所の上陸跡があり、7月末としては例年になく多い。
上陸数が多いことは、これからの獣害などの保護作業と掘出し調査も多くなることを意味する。 体力との相談も大事になってきた。

2010年7月22日(木)
ゴミもなんのその

 10日前の高潮の汀線に打ち寄せられた、多くの流木や葦などが重なり合っている所に、強力な脚力で払いのけて産卵していた。 珍しいことではない。 10日前にも10m先に産卵した。 もっと高い内陸に産めば良いものを。 なぜだろう。

 1996年の台風のとき、8割ほどの巣が流失したが、汀線に産卵された数ヶ所の巣が残り、孵化したことに強い印象を持った記憶がある。 ウミガメの適地選択を理解するのは難しい。 今回も移植しないで様子をみることにした。

2010年7月18日(日)
クリーン作戦

 数十年前から続いている、「ふるさと金峰クリーン作戦」が今年も行われた。
金峰教育課主催によるもので、町内各地と金峰町の海岸5kmを各浜に分かれて数百人の親子が作業に精を出した。
 草木など自然ごみは自然に任せて、缶や瓶など人工ごみが主に拾い集められた。 お陰で気になっていた人工ごみが目立たなくなった。

2010年7月17日(土)
梅雨明け

 気象庁発表ではまだだが、今日は梅雨明けの浜だ。
 波は渚に寄せる小さな一筋だけ。 鏡のような海面は、空と同じ青色を映し空と同化している。 久多島の存在で水平線がわかる。

 今年の梅雨は、災害や大雨警報などが多く報道されて厳しかったように時候の挨拶が交わされた。 しかし、浜では傘をさす機会も多くなく、調査保護活動には楽な梅雨に感じた。

 上陸数が多いのは試練だが。

2010年7月12日(月)
土用波


 まだ土用ではないが、フィリッピンの東海上にある台風のせいか、大潮と重なり大きな波が打ち寄せていた。 風も強く、風力5ほどだった。
 天気予報は毎日みているが意外な大波だった。
 私の記録では高レベルだ。
 金峰区中央部の、冬には回復した大きな段差が再び1mほどの段差になった。
以前から気にはなっていたが、ウミガメの産卵巣が流失しそうになった




 今日は17ヶ所の上陸跡をチェックし、前記とは別の、今日しなければならない移植を1ヶ所と、時間を費やしてしまい帰りが遅くなってしまった。
 潮が引いた前浜は大波で平らに均されている。
 万之瀬河口の草葉の堤防も、大波が一気にきれいな砂浜にしていた。

2010年7月7日(水)
シロチドリの抱卵

 シロチドリが卵を育んでいる。 白い発泡スチロールのトレイの側に3個の卵があった。
毎日雨の日が続くこの時期にいつも卵を抱いている。 警戒エリアに入ると、即、わたしを遠ざけようと擬傷行動をする。 脅かさないよう警戒エリアに距離を保って通過している。
抱卵の時期は5月から7月まで、ウミガメの産卵時期と重なる。

2010年7月4日(日)
キョウジョシギ(京女鴫)

 数日前から見かける、シロチドリと少し違う鳥が1羽いた。 飛ぶ時の翼上面と背の白い線模様がきれいだ。
 「日本野鳥の会」や他で調べるとキョウジョシギと解った。 チドリ科と思ったがシギ科だった。
 初めて気付いたが、珍しい鳥ではないらしい。
シベリアで繁殖し東南アジアで越冬する旅鳥で、春と秋に日本で多く見かけるらしい。
としたら、7月はどう解釈すればいいのだろう。

2010年7月3日(土)
上陸6時間

 
 今年2回目に遭遇したウミガメは陸上に6時間以上もいたようだ。 上陸足跡と満潮時間から推察できた。 私から逃げたいだろうに休みながらゆっくり歩む。 産卵はしていない。 写真手前の、産卵場所を探った大きなボデイピットの他に適地を探った跡が2ヶ所あった。 なぜ産卵場所に迷ったのだろう。 決断力がないとしたら、私にも分かるが。
 海に入る前にウミガメと離れると、なぜか一回転して振り向いて海に帰っていった。
2010年6月27日(日)
1、浜崖の高い所に   2、水浸しの卵  







 浜崖の高い所まで上って産卵のための穴を掘っていた。

標高にして8mほどの急斜面だが、人にとっても上るのはきつい。
 狭い傾斜地で器用に体を反転し、深さ35cmの穴を掘っていた。 残された穴の底まで掘り返してみると、太い草の根が底にある。 そのことが原因で穴掘りを中断したと思われる。







 一方、別な産卵巣は全ての卵が、染み込んだ海水に浸っていた。 産卵したときは干潮時で、ウミガメは適地と思い産卵を終えた。 あるいは産卵時期をこらえきれず産卵したか。 いずれにせよ、満潮になって潮位が上がり、染み込んだ海水に浸ってしまったようだ。
 ふ化の可能性は低いが移植した。

卵を引き上げるのは、砂と卵が絡んだり、水中の卵がつかみにくかったりと意外に慎重を要した。
2010年6月24日(木)
草の堤防

 梅雨の大雨で、万之瀬川から流れ出た草や葉などが高さ1mほどの堤防を作った。 ほとんどが草と葉で、陽に干したフカフカの布団のよう。
 河口から700mほど、ウミガメの上陸は難しくなった。
 15日ごとに潮位の高くなる大潮の波がそのうちに一掃してくれる。
毎年、梅雨時期の大雨のあとに見られる光景だ。

2010年6月11日(金)
脚先の欠けた足跡

 左後脚先の欠けたと思われる固体の足跡があった。
これまでも同じ個体と思われる足跡を見かけたが、不全な後脚で巣穴を掘るのに苦労したらしく、卵3個は地表近くにあり底の浅い産卵巣だった。
 
浅い産卵巣の卵は真夏の高温で孵化できないので移植した。
 毎年、脚が不全と思われる多様な個性的足跡をみかける。

2010年6月10日(木)
60cmの段差を上がる

 60cmの段差をよじあがり産卵した。 昨日は同じような段差を上がらず、段差の下に産卵していた。(写真奥に見える)
 今年は他にも40〜50cmを上がる個体が複数ある。
 08年の70cmを上がったのは特別で、35cmを越える段差は難しいと思っていた。 観察17年目にして認識の修正が必要になった。
ウミガメは逞しい。

2010年6月6日(日)
母ガメ遭遇

 朝5時50分、2年振りに帰海中の母ガメと遭遇した。
 50cmの段差を滑り落ちたところで私に気付くと干潟に急いだ。
しかし、陸上での歩行は大変なようで、15cmほどの海水が残る干潟100mを2分毎に休みながら30分も費やした。 
母ガメにとって砂浜に上陸産卵するのは大変な業だ。
 足跡から察すると上陸から4時間近く経ったようで普通より長かった。 

2010年5月28日(金)

 去年の晩秋に大雨などで河川から海に流れ、渚に多くの葦が漂着していた。
 冬の季節風による飛砂で覆われて目立たなくなっていたが、葦の芽がでてきた。
 このまま夏から秋の海面高水位や高潮などがなければ砂浜が発達するのだが、今年の秋にはもっと陸側まで波で洗われるだろう。
 毎年5月頃は、広い砂浜を望み期待するが秋には砂浜が狭くなる。

2010年5月5日(水)
初産卵

 初上陸は昨日だったが、今朝初産卵を確認した。 昨日と同様の足跡から、同じ固体の可能が高い。
 
屋久島、志布志などからの例年よりも早い上陸を聞き関心を寄せていたが、特に早い時期の産卵とは言えず、初上陸は昨年と同じ5月4日。 95年からの17年間では3番目になる。 昨年の初産卵は5月9日だった。

2010年4月30日(金)
堆砂が進む

 市議会で海岸侵食の議題になった万之瀬河口北岸が、季節風や波などの作用で堆砂が進んでいる。 昨年は、写真中の松の下まで波が打ち寄せていた。 北岸南東の砂浜も7年前頃から徐々に堆砂で復活した。 自然の作用で昔の広い砂浜の河口が再現しつつある。
 16年前から侵食を危惧し、観察と写真記録をしてきた。
 コンクリート等の恒久的侵食対策は、環境的に経済的にも良くないと思う。  未来のために、漂砂や砂丘の歴史など10年、100年単位の考察が大事だ。

2010年4月20日(火)
ソリハシシギ

 旅鳥のソリハシシギが2羽、渚で餌をついばんでいた。 オーストラリアや東南アジア方面から、ユーラシア大陸の繁殖地へ渡る途中らしい。
長い反った嘴が目を引く。


 1月に載せた、冬鳥のミヤコドリがまだいた。 もう晩春なのに。 今年のソメイヨシノは遅くまで楽しめたが、寒い春だったのか。
 2羽しか見かけなかったが、いつも3羽一緒だった。 もう一羽はどうしたのだろう。

2010年3月18日(木)
満潮線
 今日は久し振りに穏やかな砂浜で、冬から春の潮位が低いことをよく表していた。
は、昨秋の満潮位で、2mほどあった段差がまだ埋まっていない。  は、3月上旬のチリ津波と、3回報道された2・3月に多い副振動に関連すると思われる比較的に高い汀線だ。 すでに漂着物に飛砂が捕捉されている。  は、最近の大潮満潮線だ。
2010年2月24日(水)
堆砂

 昨年10月に、波による侵食で1.5メートル程の段差になった所が、飛砂が堆砂して約4ヶ月ほどで元の斜面が復活した。
 侵食の話題は報道などで良く知られているが、堆砂の話は認知度が低いように思う。
 秋は侵食が卓越し、冬から春頃までは堆砂が卓越する。
 川の砂は上流から河口まで流下するが、砂浜の侵食された砂は潮流や波などの作用で渚付近にとどまっている。
 比較的に潮位の低い冬から春には、強い季節風で砂が砂丘まで吹き飛ばされて堆砂する。

毎年繰り返される自然の営みだ。
 冬の砂丘斜面は飛砂で覆われて化粧する。

2010年1月24日(日)
ミヤコドリ

 10月30日から見かけるミヤコドリ。
日本では数少ない冬鳥らしい。
 赤い大きな嘴とパンダみたいな体が目立つ。
いつも餌を忙しくついばんでいるが、
見かけるときは毎回3羽が一緒だ。
家族だろうか。

2010年1月3日(日)
初 Own tracks

 2010年初の浜歩きは正月3日だった。
 漂着物で汚かった浜は、季節風の飛砂で覆われてきれいになってきた。

 いつも迷いの多い私の足跡はフラフラと乱れるが、今日は写真のために意識して真直ぐに歩いてみた。
良い足跡の年になるのを願いながら

2009年11月25日(水)
万之瀬川河口が60年前と相似形に

 過去の航空写真と比較すると、万之瀬川河口の形が60年前と似てきた。
北岸の砂浜が発達し、南岸沖側に砂が堆積している。
 10数年前から河口の侵食が話題になり、09年の南さつま市議会の議題にもなった。
 北岸の砂浜が発達していることと合わせて考えると、河口の侵食は問題にしなくて良いように思える。
 全国的に人工的海岸が多くなった現代。 ウミガメが安心して産卵できる自然なままの砂浜を大事に次代に残したい。

2009年10月22日(木)
砂の移動

 日置市の永吉川河口が変化した。
数ヶ月まえから目立ったらしく、昨年との違いは驚きだ。
  (小さな写真は昨年11月)

 毎年、ウミガメシーズンが終わると、南さつま市小湊から日置市江口浜までの海岸約25kmを写真に撮っている。
 今年は南風が卓越して、多くの河口が北向きに変化がみられた。

 各河口の北岸が侵食した風向きの年、万之瀬河口北岸の、今年に発達した堆砂エリアが残ったことは喜しい。
 新しい堆砂エリア約200X150X50mでウミガメは10巣産卵し、8巣から子ガメは巣立っていった。

2009年10月13日(火)
子ガメの旅立ち最終便

 子ガメの旅立ち最終便は、13日夜半すぎに脱出して,、回転と蛇行を描いた弱々しい足跡だった。
この巣は産卵後31日目に獣害に遭い、残った20個の卵を移植したものだ。
 13日の脱出前後に再び獣害に遭い、旅立ったのは12日に2匹が、13日には4匹の計6匹だけだった。
気温は低く問題があるが、渚の海水温度はまだ22度だ。沖はもっと暖かい。
 弱々しい足跡の子ガメも海に入ると元気に泳いでいることだろう。

2009年10月4日(日)
秋の空

 09年のウミガメも終盤となった。
産卵された卵の掘出し調査個所も残り少なくなり、浜の景色を楽しむ余裕がでてきた。
 ふと見上げると、うろこ雲が広がっている。

2009年9月25日(金)
湧水帯

 まだ朝日の射さない潮間帯にアートを感じた。
砂漣と湧水が流れる水面が、砂丘の影の弱い明かりでモノトーンの造形を映している。
 低潮時に陸地側からの地下水が染み出ている湧水帯の風景だ。

2009年9月14日(月)
ラネル

 潮間帯に清流が出現した。
その清流は砂浜海岸の生態学用語でラネル(Runnel)といわれ、語源を英和辞典で調べると、小川の意味があった。
 毎日、ゴミの多いウミガメの産卵帯で、狸とのイタチごっこに追われていた。
今日は
久々に清々しい気持ちになれた。

2009年9月10日(木)
獣害が50ヶ所(巣)を超えた

 狸などによる獣害が、昨年は少なくなる傾向かと思ったが、今年はすでに50ヶ所(巣)を超えた。
 12年前から突然始まった狸などの食餌習慣が世代を越えて伝承されたのか?
 3年前は産卵個所数が少なかったこともあり、獣害をゼロにしたことが、ここ2年の獣害減少に多少なりの効果もと考えていたが残念だ。


【写真 上】 産卵後30日目の被害卵。
        黄身の上に発生中の胚が見える。

【写真 下】 産卵後49日目の被害卵。
        殻に接着する胚膜の血管と子ガメの
        卵黄が繋がっている。

2009年9月9日(水)
脱出、旅立ち

 砂の中から這い上がってくる子ガメの健気な姿は、いつ見ても可愛げがある。
 今朝の子ガメは、朝日が射すようになると一気に這い上がり旅立った。

2009年8月23日(日)
県立南薩少年自然の家 「あったかなんさつ(夏)」

 タイトルは変わったが6年前に始まった、県立「南薩少年自然の家」主催の朝のウミガメ観察が開催された。
 3年前からは夜のウミガメ観察と子ガメの放流会を見直し、早朝の観察に転換されたのは先進的で賢明な選択であり賞賛したい。
 今回は数本の子ガメ足跡3ヶ所、多数のシャワートラック3ヶ所とリアルな子ガメの旅立った足跡を案内できたのは嬉しかった。
 触れてもらった子ガメは少なかったが、年によって差があるのは仕方ない。自然なままを大事にしたいから。

2009年8月20日(木)
グンバイヒルガオと獣害


  右の産卵巣は狸が60cmまで掘った。
   被害を免れた卵20個は移植した。


 今年のグンバイヒルガオの開花は昨年と比較して10日ほど遅いようだ。

 数少ないグンバイヒルガオが繁殖するように願って、枝を痛めないように獣害防具を設置した。


2009年8月18日(火)
獣害防具成功
 10年まえに獣害が始まった頃に比較すると、狸が掘るのに執着がないように感じるが、獣害防具の完成度が向上したのか。
 以前は再度掘り返されて強化することも度々あり、狸とイタチごっこをしたものだ。
2009年8月10日(月)
獣害防具つくり
 夏休みになって、毎日のようにウミガメの同行観察する桃子さん。
獣害防具の設置を手伝ってくれた。
 狸には産卵巣を掘れなくて、子ガメは自力で砂の中から脱出して海に旅立てるようにする獣害防具の設置は一日に2ヶ所が精一杯だ。
2009年8月8日(土)
獣害始まる

 獣害が今日で5ヶ所になった。
昨年は遅く始まり、被害が少なかったので安心したが今年は早くから始まり獣害が多くなりそうだ。
 観察会の為に獣害予防具を作り始めたが、間に合うか。
 毎年8月になると忙しくなる。

印は子ガメの死骸。
写真奥も被獣害
巣。
(画像クリックで写真拡大)

2009年8月5日(水)
シャワートラック

 今日は多くの子ガメが旅立ったシャワートラックが2ヶ所あった。 見守ってきた者には嬉しいひと時だ。
 数日前から数匹だけの旅立ちもあるが順調に孵化している。
今の時期に旅立つ子ガメは産卵から70〜80日かかるのが多い。

2009年8月1日(土)
侵食と竹ゴミ堤防
 7月22日に段差発生による流失危惧の卵を移植した。
 写真では解りにくいが段差は60cmになり、あと20cmほどで流失するところだった。

 かたや、8月1日には冠水の危機で移植しなければと思いながら、作業が延び延びになっていた所が、以外にも問題なく移植しなくても良い状態を確認した。
 漂着した多くの竹切れが小さな防波堤となり、砂の流失を防いでいる。
 竹のゴミは見た目には汚いが、細くなった産卵適地の砂浜を守る作用もある。
他にも竹ゴミ堤防のある所とない所の侵食度合いの差異を各所に確認できた。


写真の赤丸印が卵室
2009年7月23日(木)
初脱出

 5月30日の浜日記に記載した、ここ数年の堆砂で広くなった砂浜に初産卵された卵が孵化、脱出して大海原に旅立った。
最近の高い潮位と大波で一時冠水したので心配したが孵化した。
 新しく不安定な堆砂地で適地と思えなかったが、孵化できると判断したウミガメの感性は正しかった。

2009年7月14日(火)
梅雨あけ、真っ青な空

 7月12日に九州南部は梅雨があけた。今年の梅雨は雨天が少なく、例年よりウミガメ観察は楽だった。
 例年、強風雨と雷の中、5kmの浜を傘を差して移動する。
 濡れ手を拭き上陸と産卵跡を撮影した後、砂を掘り卵を確認する。 濡れ手を又拭き手帳に記録する。 移植作業もある。

今日は久し振りにカラッと気分爽快。

2009年7月9日(木)
なぜ? こんな足跡と場所

 上陸過程で迷いながら干潟を20mほど横移動し(写真の奥)、冠水帯に産卵。
なぜ、こんな行動パターンになるのか。 広く跳ね飛ばした砂を見ると元気そうだ。
去年も見かけた。
冠水で卵の孵化は望めないので移植。

2009年6月28日(日)
段差上がり新記録

 波で作られた70cmの段差を上がり産卵した。 これまで35cmが最高記録だったので想像を超える高さは驚きだ。  たくましい。

 180m先には30cmを上がらず、冠水する所に産卵した。 雷雨のなかでの移植作業は避けたかったが強行した。
 ウミガメにとって、段差は25cmを越えると大変なようだ。

2009年6月20日(土)
梯子は上がれなかったウミガメ

    ↑クリックで拡大します


篤志で作られた手摺梯子に、お礼の木札が括られていた。 心があったかくなる。

 5月1日に浜日記に載せた、浜への出入り口にある手摺梯子の下に産卵していた。
 急峻な砂崖に挑むタフなウミガメでも流石に梯子は無理だった。 浜に出入りする人の踏み固めを避けるために安全な所に移植した。

2009年6月14日(日)
卵室の上の砂を交換

 吹上浜は浜が狭く、漂着物がある所に産卵するのも多い。
 この卵室の上の砂は小さな漂着物や竹片などが多く、子ガメが砂の中から這い上がるときに障害になる。
近くのきれいな砂を、漂着した壊れたバケツで埋め戻した。

2009年6月13日(土)
渚の父娘ジョギング

 早朝の海岸でよく挨拶を交わすUさんが、今日は娘さんと爽やかな渚のジョギング。
ほほ笑ましい情景を見ただけで幸福のおすそ分けをいただいた。

2009年6月9日(火)
産卵巣のカムフラージュ

 ウミガメは卵室を上手にカムフラージュする。
卵室を探すとき、多くはすぐに掘り当てるようになったが、この卵室は難しかった。 卵を傷つけないように慎重に探すと、赤丸印の所だった。

画像をクリックすると拡大します。

2009年5月30日(土)
堆砂で広くなった砂浜に産卵

ここ数年の漂砂で広くなった砂浜のエリアだけで3ヶ所目の産卵があった。  昨年はこのエリアで始めて1ヶ所の産卵があり、多くの子ガメが旅立った。 高潮で冠水、流失の恐れもあるが、このエリアを選んだウミガメの感性を信じて卵の移植はしないことにした。

観察を始めた16年前から浜崖が侵食していたが、堆砂が進み、広い砂浜が発達しているようだ。

2009年5月26日(火)
アサヒガニ

きれいな赤色のアサヒガニが漂着。
四国以南で獲れるらしが、店頭で見かける多くはオーストラリア産とか。
種子島の特産物で美味らしい。

2009年5月23日(土)
バカガイが大量に打ちあがる

今年は春先も多かったが、今日もバカガイと砂茶碗(ツメタ貝の卵塊)が大量に打ちあがった。
 海の生物が豊かになって、昨年、ウミガメ上陸数が多かったことに関係するかと思ったが、魚は少ないと聞いた。
自然の奥深さを思い知らされる。

2009年5月5日(火)
車の轍
 トラクターかバギーと思える深い轍の車が、昨日の初上陸のウミガメの足跡と交差している。 万之瀬河口から伊作河口まで駆け抜けたようだ。
バイクの轍もあった。

吹上浜では県の条例で、車の海岸走行は規制されているので許可申請が必要だ。
浜日記
吹上浜ウミガメ塾